海外でカフェを開くなんて、思ってなかった。
Duck caféは、日本とベトナムで人材育成コンサルティングを行っている株式会社HRIのソーシャルビジネスとして企画されました。野口さんは、メニューや内装を考えるオープニングスタッフとして、期間限定のつもりで参画。しかし、途中でマネージャーが辞めてしまったため、急遽マネージャーに就任することに。
飲食店での勤務経験はあったものの、経営も、海外に来るのも、障がい者と一緒に働くのも初めて。しかも、ベトナム語は喋れず、英語もそれほど得意ではないという状態からのスタートでした。日本語が上手なベトナム人スタッフに助けてもらいながら、ほかのスタッフとコミュニケーションをとってきたといいます。
最初はベトナム人を真面目に働く日本人のように教育しようとしましたが、それでは反感を買うだけだと気づき、方向転換。まずは一緒に遊びに行き、親しくなることから始めました。地元の言葉がわからない野口さんは、ベトナムでは言語障がいがあるような状態。自然と、お互いができることを補い合い、教え合う関係になっていきました。
野口さんの話を聞いていると、「経験がないから」「言葉が喋れないから」と諦めるのではなく、「じゃあどうしたらいいだろう?」と考える姿勢が大事なんだな、と思えてきます。
障がい者と働くって、楽しい。
野口さんはベトナムに来る前に、日本のソーシャルカフェで研修を受けました。障がい者と働いて感じたのは、「楽しさ」だったといいます。
「何でも素直に一所懸命取り組むので、一緒にいて気持ちがいいなと思いました。上手くできなかったことができるようになる瞬間を見ていると、こちらまで嬉しくなるんです」と野口さん。
Duck caféは現在、健常者数人と、聴覚障がい者2人、知的障がい者1人で回しています。“支援している/されている”という気負いはあまりなく、フラットに仲がいいそう。店内では手話で冗談が飛び交い、仕事帰りにカラオケに行くことも(みんなが歌っている間、障がい者たちは踊るのだとか)。
そうした風通しの良さのおかげか、お客様から「接客がいいね」と褒められることが多いといいます。
彼らと半日一緒に過ごすことで、「障がい者と働くこと」がどういうことか、リアルに実感できると思います。簡単な手話や片言の英語/ベトナム語で会話が成立したときは、きっと「通じた!」という喜びを感じられるはず。
体験スケジュールおよび内容
時間 | 行程 | 体験内容 |
13:00 | Duck Cafe 到着 | |
| オリエンテーション | 1)ご挨拶と自己紹介
2)Duck Cafeの説明
・Duck Cafeの立ち上げの経緯
・障がいを持った方の雇用のこと
・メニューのこと
※ランチを食べながら |
14:30 | 仕事の説明 | 1)職場案内・スタッフ紹介
2)コミュニケーションの方法について
・簡単なベトナム語手話を覚え、自己紹介
3)本日お願いする内容について
・仕事の種類など |
15:00 | 仕事体験 | 1)簡単な業務体験
・揚げ春巻きの仕込み
・お土産品のミサンガ作り |
16:15 | 障がい者施設訪問 | 近隣の施設を訪問します |
| 体験のまとめ | 1)体験の感想
2)質疑応答 |
17:30 | 仕事旅行終了 | |
仕事旅行でできること
・アジアでお店を開くことのリアルを学ぶ!
「ハードルが高いと思うかもしれないけど、家賃や人件費等を考えると、アジアのほうが挑戦しやすいかもしれません」と野口さん。日本人であることや経験が武器になることも多いそう。日本に窮屈さを感じているなら、アジアに出るのもアリかも!?
・ベトナム人スタッフ、障がい者スタッフとの交流
ただ観光するだけでは、地元の人の暮らしや考え方、人柄を知るのは難しいもの。スタッフたちといろんな話をして、ぜひ仲良くなってください!
・揚げ春巻きの作り方を伝授してもらう!
タロイモの入った揚げ春巻きはホイアンの人気料理。仕込みを手伝ってレシピを覚え、家族や友人に披露してください!旅した土地の料理が作れるようになるって、素敵だと思いませんか?
・一緒に編んだミサンガをお土産に
お店で販売しているミサンガ作りも、聴覚障がい者スタッフの大事な仕事。作り方を教わりながら、一緒に編んでみましょう。思い出とセットになった、大事なお土産になるはずです。
・現地の障がい者支援施設を訪問!
ベトナムでは、戦争の影響や医療の遅れにより障がい者になる人も多いといいます。現地の障がい者支援施設を訪問しながら、ベトナムと日本の障がい者を取り巻く環境の違いを学びましょう。
・ホイアンの観光情報を教えてもらう!
障がい者支援施設までは徒歩15分ほど。ホイアンのまちを歩きながら、野口さんがおすすめのお店等を教えてくれます。現地で暮らす人の生の声は、どんな観光ガイドブックよりも参考になるはず!
・ダック料理を味わう!
この旅はランチの時間に行います。ぜひ、日本では珍しいオーガニックダックを使った料理や、ベトナム人が点てた抹茶ラテをご賞味ください。
ホイアンってこんなまち
ベトナム中部にある、美しい街並の世界遺産都市。至るところにランタンが吊るされ、夜は幻想的な雰囲気を醸し出します。旧市街はみどころがいっぱいで、一日居ても飽きません。仕立て屋さんが多いので、スーツやワンピース、靴のオーダーメイドをするのもおすすめ。治安はそれほど悪くありません。
アクセスはダナン空港からタクシーで約30分。価格は30〜45万ドン(大体2千円前後)。バスもありますが、2時間程かかるし予約が少々面倒なので、初心者の方にはタクシーがおすすめ。ホテルに送迎をお願いしてもいいと思います。
ホテルは一泊千円〜2千円程度。もう少し奮発すれば、プール付きの豪華ホテルにも泊まれます。ちなみに仕事旅行社が泊まったThe Corner HomestayはDuck caféから歩いて5分。安いけど朝食のメニューがたくさんあってアットホームで、いい宿でした。ご参考までに!
ザ コーナー ホームステイ