「ぶっこみ精神」発動で生き方が“ベンチャー”になりました—給料BANK・山田コンペー氏に聞いてみたvol.2

給料と職業のポータルサイトとして話題の「給料BANK」を運営する、山田コンペーさんへのインタビュー後編です。

前篇はコチラ→『日本の給料&職業図鑑』はなぜウケたのか?

現在肩書きとして“ポータルサイター”を名乗る山田さんですが、その仕事はどうやって生まれたのか。劇団員、FMラジオのレポーター、ウェブ会社、広告会社のサラリーマンなど様々な仕事を体験した山田さんがたどりついた「ぶっこみの精神」とは? これまでにない仕事を生み出すことで得られた“フリーな働き方”についても聞いてみました。

(聞き手:河尻亨一/仕事旅行社キュレーター)


画像は給料BANKサイトより。「新しい職業」として、プロゲーマー、プロプロガー、コスプレイヤーなども紹介。


たぶん、いま、日本で二人だけの職業です


——給料BANKには、プロブロガーなどこの10年くらいで新しく生まれた仕事もたくさん紹介されています。山田さんが肩書きにしている「ポータルサイター」も登場しますね。「WEB十字軍」の一人として(笑)。これ、かなりレアな職業だと思うので、そのお話も聞いてみたいのですが。いったいどんな仕事なんでしょう?

山田(コンペー氏 ※以下、山田) まあ、職業と言っていいかどうかわからないですけど(笑)。あともうお一人大阪の方にいるって聞いたことがありますから、たぶんいま、「日本に二人しかいないのでは?」と思います。

——ウェブディレクターやプロデューサー等ではなく、「ポータルサイター」にしたのは何か理由でも?

山田 前に務めていた職場で、街コンやその他のポータルサイトを作っていて、そこが原点ですかね。どういうふうにPVを取るかを戦略的に考えるだけでなく、企画やデザイン、コーディングまでやってました。

「その仕事で得たスキルを活かせないかな?」ということでいまの活動を始めたんですが、企画、制作、運営と、ほんとは分担されてる業務を一人でやっちゃうということで、こう名乗ってしまおうと。

——会社から一人立ちしようと思ったのはなぜ?

山田 サラリーマンのときに、勉強も兼ねて複業的に自分でもポータルサイトを運営していたら、Googleの広告で食べられるようになってきたんです。ただ、そこにいたるまでが結構長い道のりで。

——ちょっとうかがってみたいですね。ポータルサイター誕生秘話も。

山田 出身は北海道なんですが、最初は役者をやりながらFM北海道でラジオのレポーターやってました。もう10年以上前ですね。東京に出てからは「東京乾電池」っていう劇団の研究生やってたんですけど、やっぱり役者で食っていくのは大変ですよね。映像編集とかグラビアアイドルの写真補正とか、色んなバイトしてたんですけど。

ウェブの会社に就職したのはその後です。そこでさっきお話したようなポータルサイト作りの仕事をしていたとき、友だちが働いてた広告会社が、ウェブ関連の事業を立ち上げようとしているっていうので転職しました。でもそっちに移ったら、つぶれちゃったんですよ、その会社。僕が入って3ヶ月で。ビックリしましたね(笑)。

その後もウェブ関係で面接を受けたりはしてたんですけど、「またいつ倒産するかわかんないしなあ…」なんて思って、それならもう覚悟決めてやれと思って「ポータルサイター」名乗ったんです。


「ポータルサイター」(給料BANKサイトより)

未来への不安はどんな仕事でもあるわけだから


——多少は食えるようになっていたとはいえ、そうやってフリーになるのは度胸もいったと思うんですが、ポータルサイター名乗って何か変わりましたか?

山田 行動が変わりましたね。僕は人付き合いが得意ではないんですけど、人から刺激が受けたくなって、色んな交流会に参加したり。「ポータルサイターって何なのか?」を表現するブログを始めて、それがきっかけで色んなブロガーさんや経営者の方々に会ったり、こっちから“ぶっこんでいける”ようになったんです。

会うとみなさん、なんかエッジ効いてること言うじゃないですか。炎上させるような(笑)。「よくここまで言えるなあ」と思うと同時に、自分も「もっと鋼の心を持たないといけないな」とか「負けてらんないな」なんて刺激を受けましたね。

——お話をうかがってると「ぶっこみ」というのが、山田さんのキーワードのようですね。

山田 “ぶっこみ精神”って言ってます。ブロガーさんにアポ取るときも、著名な人にメールしたりするのって、「返信来なかったらどうしよう?」とか思うじゃないですか。「それで傷つくのはやだなあ」って。

だけど、失敗して当たり前ってことでやってみようと。そういう覚悟が出て来たのは独立してからですね。起業家ではないんですけど、ポータルサイターを名乗ることで、生き方が“ベンチャー”になったのかもしれません。いまだにコワくはあるんですけど(笑)。

——サラリーマンであれベンチャーな生き方であれ、「働く人はかっこいい」というのが給料BANKの考え方ですが、本も出版されたいま、改めて考えてみていかがですか。「働く」ってどういうことなのか。

山田 うーん、「働くこと」はかっこいいと思うんですけど、「働き方」に対しては、僕、けっこう疑問もあって。例えば東京だと朝の通勤ラッシュで、「なんてもったいないことをしているんだろう」なんて。雪のときなんて駅がすごいですよね。

職種にもよりますけど、いまはパソコンで終わらせられる作業も多いですから。特に首都圏のオフィスワークとか。そこまでしてみんなが都心に向かう必要あるの? なんて思っちゃうんです。リモート作業できる環境を作ることも含めて、もっと自由な働き方ができるようになるといいんでしょうけど。

あと色んな仕事に就くことで気づいたのは、「働く」っていうのはどんな恵まれた状況であっても不安なんだってこと。役者やってるときに、「サラリーマンになれば、いまの不安もなくなるんだろうな」って思ってたんですけど、就職しても不安が解消されなくて。

そこはいまポータルサイトやっててもまったく変わんないですね。結局、同じでした(笑)。つまり「未来への不安」というのは取り除こうとしても無理なんだと思うんです。だったら逆に「楽しむしかない!」っていうのがいまの自分ですかね。

——ここらで芝居もまたやると面白いかもしれませんね。ひとめぐりしたということで。

山田 やりたいですね。このあいだもある北海道の劇団が、下北沢芸術祭に来てたので観に行ったんですけど、「やっぱやりてえなあ」と。人に見られるあのなんとも言えない恐怖がたまらないというか、M心をくすぐられます(笑)。舞台は魔力ですね。


山田コンペー氏
読みもの&連載もの:2016年03月04日

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