2016年02月10日更新

転職で“ワークシフト”してみた—私に勇気をくれた一冊—

仕事旅行ヘビーユーザーの土田麻依さん(会社員)が、ご自身の転職のきっかけとなった本と、そこに書いてあることを実践してみての体験記を寄せてくれました。(「シゴトゴト」編集部)

シゴトゴト読者の皆さま、こんにちは。仕事旅行ヘビーユーザーの土田麻依です。普通の会社勤め人ですが、「働くことを楽しむにはどうしたいいの?」という想いを皆さまと共有したいと思い、シゴトゴトを通じてコラムを書くことになりました。

前回は「杜氏になる旅」の体験記を書かせていただきましたが、今回は「働き方」について考える一冊をご紹介したいと思います。そして本で紹介された働き方を実践してみた体験記を書いてみたいと思います。

『ワーク・シフト』—背中を押してくれた1冊


そもそも私が「働き方」に興味があるのは、「長く働き続けたい」という想いが根底にあります。でも会社は年功序列型の終身雇用制度ではなくなるし、ロボットの発達で作業の機械化が進めば人間は要らない。それにやっぱり長く働き続けるには、少しでも自分が楽しいと思えること、やりがいを感じられることでないと続けられないわけで…

では「具体的にどうしたらいいの!?」とヒントを探すため「働き方」に関連する本を読んでいる次第です。

その中で自分が印象に残った本を紹介していきたいのですが、やはり私の人生を大きく変えたこの本を外すわけにはいきません。なぜならこの本を読んだことがきっかけで、私は転職することにしたからです。働くことに迷っていた私の背中を押してくれる1冊となりました。

それは『ワーク・シフト—孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』(リンダ・グラットン著)という本です。

ビジネス書大賞2013の大賞を受賞した有名な本なので、皆さまもご存知でしょうか。初めて「ワークシフト」を読んだ当時、私は社会人歴3年目。そろそろ働くことへの良いところ・悪いところのそれぞれがなんとな~く見えてきた頃。このまま同じ働き方で定年までの数十年を過ごしていいのかな? と未来に対してちょっぴり不安に感じていたこともあり、本の内容にとても衝撃を受けた思い出があります。

この『ワークシフト』を読んで、より一層「働き方」に興味を持ちました。それから3年で転職をしました。以前から転職したいと漠然と考えていたのですが、どのようにすればより長く働くことができるのかよくわからなかった私に、この本は方向性を示してくれたような気がします。

私の未来はお先真っ暗!?…でもなかった


すでに読んでいる方も多いと思われますが、改めて概要をおさらいしてみましょう。

まず著者は、仕事(ワーク)に対する従来の常識を疑うところから始めます。

ゼネラリスト的な技能を尊ぶ常識
キャリアを成功させる土台が個人主義と競争原理である常識
大量にモノを消費するために働く人生が幸せである常識

なぜこれらの常識を疑うのか。それはこれから進歩する…いえ、もう未来を形づくっている「5つの要因」が将来の働き方の常識を変えるからだと著者は言います。

①テクノロジーの進化
②グローバル化の進展
③人口構成の変化と長寿化
④社会の変化
⑤エネルギー・環境問題の深刻化

どれもこれもニュースで取り上げられているトピックスで、この本が出て以降もこれらはますます顕著になる傾向もありますが、なぜこの5つの要因が、働き方に影響するのでしょう?

著者は「2025年に働く人が過ごすことになると予想される日常生活」を5つのストーリーで提示しています。そのストーリーは、それはそれはリアルで…。私は「本当にこんな未来になるかも」と背筋が寒くなりましたし、もうすでに一部のストーリーは現実になっているとさえ思いました。

例えば、 テクノロジーの進化で「いつも時間に追われ続ける未来。3分刻みの世界がやってくる」というストーリー。インターネットを介して常に世界中の人々と仕事をする機会がますます増えるとなると、1日24時間週7日休みなしで仕事に対応していかなければならず、じっくりものを考える時間がなくなるというのです。

このストーリーは、私も当時実感していました。前職で食品メーカーにて新商品の企画・マーケティングを行っていたのですが、確かにその当時の自分の仕事を振り返ってみても、会社から携帯電話とタブレット端末が支給されたことで夜遅くや休みでもメールのチェックや資料作成ができるようになり、仕事のレスポンスのスピードはますます速く要求されるようになっていました。

逆に私から取引先へそのスピードを求めてしまうこともしばしば。そうなると他社の流行した商品を真似るとか、目先の売り上げだけを追いかけるような単発で短期的な企画を投げ続ける仕事のスタイルとなり、中長期的なプランをじっくり練ることが少なくなっていきます。

「今までにない価値を新しく生み出す商品をつくりたい」という私個人の想いとは裏腹に慌ただしい生活だったと思います。慌ただしい生活からはイノベーション生まれてきませんよね。大きなイノベーションをつかもうとするならばゆとりを持たなくてはいけない、ということでしょうか。

じゃあ、「私の未来はお先真っ暗!?」とショックを受けたのですが…大丈夫、安心してください。著者は仕事(ワーク)に対する従来の常識を「シフト」させることに解決への道筋があるとして、以下の3項目を提案しています。

①いくつかの専門技能を連続的に習得することへシフト
②他の人と繋がりあってイノベーションを成し遂げる姿勢へシフト
③情熱を傾けられる経験やバランスのとれた生活へシフト

特に私に影響を与えたのは「1.専門技能を連続的に習得すること」。つまり1つの分野だけのスペシャリストになるのではなく、複数のスペシャルな技能を組み合わせて仕事をすることが自分自身のオリジナリティを高めていくには大切だと気づきました。

やっぱり「長く働く」ためには勇気をもって未知の分野に本気で飛び込んでいくしかないんですね。曲がりなりにもある程度前職で実績や職場での信頼もあったので、それらを捨てて新しい環境に飛び込むことは怖かったのですが、変化の激しい世の中に対して「変化を受け身でとらえる働き方」と「自ら選んで変化(シフト)をした働き方」では後者の方が楽しい働き方だと思い、転職をすることを決めました。

転職して気づいた意外な盲点


現職は同じ業界である食品メーカーですが、今度は新商品の企画・マーケティングだけではなく、商品の味づくりにも携わる開発も行う仕事にもチャレンジしています。商品開発は私にとって「これまでの技能と連続する新しい技能」です。

実際に「専門技能を連続的に習得すること」を実践してみて感じたことがあります。それは「①新しい技能の習得と同時に過去に習得した技能のレベルを維持すること」「②謙虚な気持ちで新しい技能の教えを乞い、学んでいくこと」の大切さです。

転職した当初は、どうしても新しい技能の習得に関心が行きがちでした。ところが現職場でマーケティングのことを聞かれて、最新の情報を答えられないということが生じました。すでに習得した技能のレベルが維持できていなかったのです。

それだとせっかく身につけようとしている新しい技能も活かせません。最終的に複数の技能を組み合わせてこそ自分自身のオリジナリティが発揮できるので、習得した技能を常にアップデートさせていかないとだめだな、と感じました。

②の「謙虚な気持ち」は私にとって意外な盲点でした(笑)。30歳で転職をしたので、職場のポジションでいうと年齢的には中堅ですが、技能的には新人。年下の先輩社員について技能を教えてもらうのです。自分は素直な性格なので大丈夫と思っていましたが、正直な話、プライドが傷つけられた、なんて思ったことも。

でも「ワークシフト」を読んで、これからは年齢や出身など関係なく、様々なバックグランドの人たちとコラボレーションしていく働き方になる事を知っていたので、それも受け入れることができました。

もう世の中では年下の上司なんて当たり前になりつつありますよね。むしろ30歳になって新しい技能を教えてもらう新人の立場になる事は、とってもラッキーだと思います。初心にかえることができた転職の経験は私から驕りをなくし、謙虚な性格へと“シフト”させてくれました。

このように私は「ワークをシフトする」ことを実践してみました。そこには実際に行動に移したからこそ初めて分かったことがたくさんありました。やはり頭で理解するだけでなく、自分自身の体で体験することは大切だと改めて思います。

そこでヘビーユーザーとして、やっぱり面白いなと思うのが仕事旅行です。「転職」とまで大げさな行動に結びつかずとも、「スペシャリストになりたい」、「他人と繋がりたい」、「情熱を傾けられる経験を探したい」という想いを実現するヒントは仕事旅行社の旅にたくさん詰まっていると思います。言ってみれば手軽に参加できる“1日ワークシフト”ですね。

先日の「杜氏になる旅」でも得られるものがたくさんありました。旅には情熱を傾けている職人さんの仕事を本物の職場で体験し、想いを同じくする仲間と顔を合わせることができるチャンスがいっぱいありますよ。

ご自身の仕事や働き方に関してどのように行動してよいか悩んでいるそこのあなた! まずは旅に参加してみてはいかがでしょうか。(^_^)/

文・写真:土田麻依(会社員)
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