仕事旅行づくりを手伝ってくれている編集職人の皆さんが、みずから仕事旅行を体験。そこで学んだこと、感じたことを自分の言葉で直球レビューします。旅選びのご参考に。
コーチは引き出してくれる人。答えをくれるわけではない
コーチングーー名前は聞いたことがあるし、ちょっと興味もある。でも、セラピーやカウンセリングとはどう違うの? 実際どんなふうにおこなわれるの?と思うヒトも多いのでは。
今回は、コーチングの手法のひとつ「質問カードコーチング」を通じて、コーチングの体験ができ、ついでに自分自身の悩みの解決もできちゃうかもしれない?!ーーそんな仕事旅行について。
仕事のこと、人間関係のこと、家族のこと、自分の生き方のこと......
人生のいろいろな局面で、悩みはつきものです。自分ひとりで考えていても、堂々巡りを繰り返すばかりでなかなか前に進むことができない。そんなとき、一緒に考えを整理して、望む未来へ進む手助けをしてくれる人がいたら.....
それが「コーチ」です。
コーチはサポートはしてくれますが、答えをくれるわけではありません。コーチングを受ける人が本来持っているチカラを信じ、それを引き出すようにサポートします。コーチングを受ける人は、自らの中から答えを見出していく。コーチングならではのアプローチ方法がそこにあります。
実は私自身も、ここ数年、仕事と生き方について悩んでいました。何かしっくり来ない感覚だけはあるものの、具体的に何に悩んでいるのか、どうすれば良いのか、わからないままでした。
コーチングについては、チャンスがあって受けられたらいいなとは思っていたものの、デキるビジネスパーソンやプロのスポーツ選手のためのものなのでは? なんて思い込みもあって、「私の悩みなんか、そんなすごいモノを受けるほどでもないか...お金もかなりかかるだろうし...」と、ためらっていたのです。
そんな時に、ふと覗いた仕事旅行のサイトで見つけたのがこの「質問コーチの旅」でした。
これなら気軽なお値段で、ちょっと気になっていた「コーチング」を体験できるいいチャンス! しかもオンラインでも参加できるしとさっそく申し込んだのです(地方在住なのでオンラインはとても助かります ※現地開催もあり)。
この仕事旅行では、独自に開発した質問カードを使ってのコーチング体験をすることができます。当日は旅の案内人である本庄燿士さん・アシスタントの田中さんとの和やかなご挨拶からスタートしました。
気さくで快活な本庄さんと、穏やかで控えめな田中さんの素敵なコンビ。今回の参加者は私一人でしたので、三人でのセッションとなります。
ご挨拶のあとはいよいよコーチング体験スタート。
まずは画面シェアされたパワーポイントを見ながらの座学タイムです。本庄さんが、ご自身の経歴を紹介しながら、コーチングとはどういったものか、また質問カードを使ったコーチングをするに至った経緯などをお話くださいました。
その後、いよいよ質問カードを使ってのコーチング体験に移ります。今回はアシスタントの田中さんが質問カードを提示する側、参加者(私)が質問に答える側、というカタチで進みます。
テーマをひとつ決めてから自分について"探求"していく
セッションの大まかな流れはこんな感じでした。
1.今回のセッションの「テーマ」(興味・関心があることや解決したいこと)を決める。
2.それに沿った質問をしていきながらそのテーマについて「探求」していく。
3.テーマを実現していくために今できる「提案」を考える。
4.最後に今回のセッションの「成果」をお互いに確認する。
初めの質問は「テーマ」選びから。どんなことについてコーチングを受けたいのかについて、「仕事を通じて成し遂げたいこと」や「自分の夢を実現すること」「個人的な成果をあげること」といった選択肢から選ぶように促されます。
6つほど提示された中から、私は「人生を通じて成し遂げたいこと」というテーマを選びました。
大きなテーマなので、この短時間で納得のいく成果を手に入れられるかな、と少し悩みましたが、ここ数年悩んでいたのはこのテーマでは? と思ったのです。
テーマを選ぶと、それに沿って次々に「なぜそのテーマを選びましたか?」「それはあなたにとってどんな意味を持ちますか?」などの質問カードが繰り出されていきます。
すぐに答えられるものもあれば、答えに詰まってしまうようなものも。
でも、質問カードを出す人は決して答えを急かさず、質問された側が自ら答えを導き出すまで、ゆっくりと待っていてくれます。本庄さんは後ろでやり取りを見守りつつ、ときには気づきを促すようなアドバイスを出してくれます。
テーマが決まると、そのテーマについて「探求」するための質問が始まります。過去の自分や過去の出来事について質問カードを通じて振り返っていく時間です。
「自分に影響を与えたと思う出来事は何でしたか?」「小さい頃になりたかったものは何でしたか?」
このようにすぐに答えられる質問もあれば、「あなたにとってテーマはどんな意味を持ちますか?」「あなたにとってその行動の”意味”と”意義”は何でしょうか?」といった、すぐには答えが出てこないような質問もありました。
質問カードを出してくれる田中さんは、答えを急かしたり「こういうことじゃないですか?」と答えを誘導したりするようなことはせず、私が自分の中から答えを紡ぎ出すまでゆっくりと待っていてくれます。
本庄さんはそのやり取りを後ろで見守りつつ、流れが滞ることのないように適度に質問カードの意味の補足説明をしたり、「これはこういう目的で質問しているんですよ」と、質問の意図を解説してくれたりするので、「ああ、そういうことなのか 」と、ひとつひとつ納得しながら答えていくことができました。
質問に答えようと試行錯誤する中で、自分でも思っても見なかったような答えが口から飛び出してくる瞬間があるのが驚きでした。自分はこんなことを考えていたのか、と。深層からの声を少しずつ掘り出すような不思議な体験です。
また、質問者から口頭で質問されるよりも、カードに書かれた文言を提示されて質問されたほうが、抵抗感が少ないのも意外なことでした。カードという"ワンクッション"があるおかげで、デリケートだったり抽象的だったりする質問に対しても、客観的に、冷静に考えられる、ということでしょうか。
質問する側も、探求するテーマについての自分の主観をできるだけ排除して、質問される側(=探求者)に寄り添った質問ができる。双方にとってメリットがあるということを今回の経験で実感しました。
過去・現在・未来ー人生を俯瞰することの大切さに気づいた
探求がひと段落したところで、「今できる提案」に移っていきます。
ここで出されるカードは、これまでとは逆に、今まで質問カードを出していた人(=コーチ)や、グループでのセッションで「質問カードに答える人以外の、その場にいる人(第3者)」に向けての質問になります。
「目の前の人に今できる提案は何でしょうか」
「目の前の人へ肯定的なアドバイスをするとしたらどんなことでしょうか」
こうした質問に答えるカタチで、田中さんと本庄さんから、今後の生活においてこんなことをしてみたら良いのでは、というアドバイスをいくつかいただきました。
その中でも私にとって意外だったのは、本庄さんからのこんなアドバイス。
「あなたは割とイメージ力が強いタイプみたいですね。具体的にイメージできているときは行動力があるが、それがないときは行動にうつりにくい、という面があるかもしれない。
イメージは言語化することでより具体的になって、行動しやすくなります。自分と向き合い、アタマの中のイメージを言語化する習慣を続けてみると良いのでは? 」
本庄さんによれば、「人は言葉を使って考え、行動していく。だから言語化がとっても大事なんですよ」とのこと。
自分のことを「イメージ力が強い」などと思ったことがなかったので、他人からはそんなふうに見えるのか、という驚きがまずありましたが、ここまでの質問カードを使ったやり取りを経た上でいただいたアドバイスなので、自分でもストンと腹に落ちるのが感じられました。
普段の私なら、もし誰かにそんなことを言われたら「ホントにそうかなあ...そんなことないと思うけど... 」と、変な抵抗感を感じていたと思います。
セッション終盤では、今日得られた気づきや学びをお互いにシェアし合います。今回は参加者が一人ということで、私が得た気づきや学びを主にお話する時間となりました。
今回、私が得た一番大きな気づき・学びは、「過去の自分や出来事にヒントがある。過去を簡単に切り捨ててはいけない 」ということでした。
それまでの私は、「”これから” の人生をより良くしていくために、”今“ 何をしなければいけないのか」と、”現在” と ”未来” のことばかり考えていました。過去のことは、もう終わったことだから、これからのことには何の役にも立たないとさえ思っていました。
でも、このコーチングの中で、現在を起点として、過去も未来もふくめ、人生全体を俯瞰することの大切さに気づくことができました。存分に話を聞いてもらえる心地よさを感じながら、さまざまな気付きや学びを得ることができる仕事旅行だったと思います。
この質問カード・コーチングの旅を通じて、私は自分の中で眠っていたさまざまな「思い」を掘り起こし、向き合うことで今取り組むべき具体的な行動を学ぶことができました。
いろいろと自己啓発本を読んでもピンと来ない人や、現状を変えたいけれど具体的にどうしたらいいかわからない人、この「質問カードコーチングの旅」に出てみてください。きっと糸口がつかめるに違いありません。
記事:木下清香(編集職人)
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