この記事では、社員向け研修プログラム
「仕事旅行の自由研修」
のご紹介をいたします。ご一読の上、ご興味持たれましたら、以下のページより資料請求・お問い合わせくださいませ。
2020's 再び注目を集める「キャリアデザイン」とは?
先が見えないVUCAの時代。あるいは人生100年時代とも言われる今。
多様性と包摂(ダイバーシティ&インクルージョン)の尊重やSDGs、DXなど企業が対応を迫られる課題も山積みです。人材育成も「今後、従来の発想では通用しない」と考える経営者や人事後担当者も多くいらっしゃるでしょう。
こんな時代に求められるのは「自律型人材」。みずから考え、行動できる人材は企業にとって欠かせない存在と言われています。
自発的に成長意欲を持って知識や知見をアップデート、時代の変化に柔軟に対応しながら、的確に目標を立てて計画を実現、組織をよい方向に導くーーそんな自律型社員が企業の成長にとって重要です。
自律型人材育成の鍵となるのが「キャリアデザイン」の考え方。日本の会社にはその発想や、キャリアデザインを学ぶための制度・取り組みが不足していると指摘されることもあります。
この考え方自体は特に新しいものではありません。すでに繰り返し語られてきたものです。しかし、キャリアデザインの概念が定着しないことが、働く人の幸福度を下げるだけでなく、会社の成長の足枷となりかねないのです。そこで近年、キャリアデザインを見直すだけでなく、時代に合わせて再定義し社会に浸透させていく動きも盛んになっています。
そもそもキャリアデザインとはどのようなものでしょう? 少しアカデミックな内容になりますが、『大学事典』(平凡社)では以下のように解説されています。
キャリアデザイン
キャリア(個人の生き方や働き方)を自立的にデザインすること,とくに仕事や人生で岐路に立った時に自分のキャリアについて主体的にデザイン(設計)したり,リデザイン(再設計)したりすることとされる(金井壽宏『働くひとのためのキャリア・デザイン』PHP研究所,2002年)。
バブル経済が崩壊した1990年代以降,産業界を中心にキャリアやキャリアデザインという言葉が注目されるようになってきた。学校教育においてキャリア教育という用語が公式に使用されるようになったのは,1999年(平成11)の中央教育審議会答申「初等中等教育と高等教育との接続の改善について」以降である。
2000年代に入り,就職支援的な取組みとして大学等でも科目の開設が始められたが,当初は正課外の活動として捉えられることが多かった。2003年短期大学の学科名にキャリアの語が登場し,大学の学部においても同年,法政大学にキャリアデザイン学部が設置され,翌年には日本キャリアデザイン学会が設立された。2010年の大学設置基準改正以後,正課内のプログラムとしてキャリア科目を位置付ける大学も増えている。
つまるところ、自分の強みや役割を知り、働き方の方向性を確立した上で、自分らしいキャリアをしなやかに構築していくこと。
上記『大学事典』にもあるように、かつては大学の学部で就職前の学生たちが、自分を確立するために学ぶ学問というイメージもありましたが、2010年代以降は日本の会社員がキャリアを確立するための"必須スキル"とさえ見なされるようになり、「キャリアデザイン研修」や「キャリアデザイン支援」のプログラムを導入する会社も増えています。
研修スタイルは多種多様ー座学からゲームまでー
キャリアデザイン研修は、座学のスタイルで行われることが一般的です。
自己診断ツールを利用したり、キャリアプランニングシートに自身の将来設計や強みを記載するなど、「Must(しなければならないこと)」「Can(できること)」「Will(やりたいこと)」を整理することで、働き方および人生を"デザイン(設計)"していきます。
人生経験豊かな社会人や著名人から働き方の話を聞くセミナーが、カリキュラムに組み込まれていることもあります。おおよその場合、1〜2日で完結するコースが多いようです。以下に、キャリアデザイン研修の優れた取り組みやサービスをいくつかご紹介します。
①キャリアデザイン研修パッケージ(Schoo for Business)
「多忙な管理職のスキマ時間を有効活用して自身のキャリアについて考える機会を提供する」オンライン研修。「受講者一人ひとりに合わせて対象とする研修動画を変えることができる」などの特徴があります。
「自分らしさってなんだろう?」を考える講座や「フリーランスの勉強家」として活躍する講師から「Beとしての肩書き」の重要性を学ぶ講座など、さまざまなオンラインプログラムが用意されているようです。
参考:
https://schoo.jp/biz/theme/curriculum/129 より
②CAREER MAKER(NEXERA)
「キャリアデザインを講義とゲームで疑似体感しながら自ら考え、学ぶ企業研修」。様々なライフイベントやワークイベントを疑似体験できるゲームを用いるところが特長です。「ゲーム中のイベントの意思決定や、キャリアシートから、受講者のキャリアに対する価値観を知ること」ができるとのこと。オフライン・オンライン問わず開催しているようです。
参考:
https://www.careermaker.jp/ より ※画像も
③若手社員向け キャリア研修(パーソル総合研究所)
実践する中でキャリアに目覚めていく
これらは研修として有効ではありますが、より実践的なキャリア形成を考えたとき、ほかのアプローチも存在します。上記とは異なる体験的スタイルを取り入れているのが、仕事旅行社の自由研修です。
VIDEO
仕事旅行の研修風景(動画)
仕事旅行のキャリアデザイン研修ー「体験」と「越境」で自律意識を育むー
仕事旅行では、研修の参加者は約100職種もの職業体験の中から(2022年現在)、興味のある(自身にとって学びになりそうな)職場を選んで、1日職業体験をしていただきます。学習者は、初めて体験する初歩的メニューをこなす中で、自分の強み・弱みを客観視することができます。
職業体験サービスとしての仕事旅行が学習プログラムとして特徴的なのは、まずこれが「体験型学習(経験学習)」である点が挙げられます。
仕事旅行は、読書や座学で知識を覚えるのではなく、その仕事場の空気に身を置いてみずから「やってみる」ことにより、からだで気づきを得られるところに重きをおくサービスです。
子供の頃、補助輪を外した自転車に乗れるようになった、あのときの感触を思い出してください。どれだけ巧みに言葉で説明されても乗り方はわからなかったはずです。
世の中にはこのようにして"体得する"タイプのスキルもあり、そのカバー範囲は広いのです。
経験学習の有用性については、これまで多くの研究がなされており、効果的な学習メソッドも開発されています。もっとも著名なモデルとして挙げられるのが、「コルブの経験学習モデル」が挙げられます。
『人事労務用語辞典』では、この学習モデルは以下のように解説されています。
「人は実際の経験を通し、それを省察することでより深く学べるという考え方を、人材育成の領域では『経験学習』と呼びます。組織行動学者のデービッド・コルブはこうした学びを、体系化・汎用化された知識を受動的に習い覚える知識付与型の学習やトレーニングと区別し、『具体的経験→省察的内省→抽象的概念化→能動的実験』という4段階の学習サイクルから成る『経験学習モデル』理論として提唱しています」(『人事労務用語辞典』)
「①具体的経験(経験)→②省察的内省(内省)→③抽象的概念化(概念化)→④能動的実験(実践)」と言うといくぶん抽象的ですが、日常レベルの言葉に換えると「①まずやってみて」「②振り返り(気づきを得て)」「③応用可能な言葉にしてみて」「④また試す」といったことになります。
この①~④のサイクルを繰り返すことで人は学び、成長します。
仕事旅行は現状、1日の職業体験の中でこのサイクルを提供しています。学習者はこれまでに見たこともないような仕事場で刺激的な体験をし、そのことで未知の自分(可能性)と出会う。そこで感じた事柄を「振り返りシート」に記入することで、気づきを認識(内省)→自分の言葉として認識します(概念化)。
最後の「実践」の作業は、体験者自身に委ねられていますが、職業体験で得た気づきはその人の仕事におのずと生かされていくでしょう。理想的には仕事旅行を3回リピートしていただくことで、経験学習のサイクルはおのずと回転していきます。
仕事旅行には経験学習以外にもうひとつの特徴があります。学習プログラムとしての仕事旅行のもうひとつのユニークさは、これが「越境(的)学習」であることです。
自律型人材の育成メソッドとして、近年、注目を集める「越境(的)学習」。日本最大のHRネットワークを謳う「日本の人事部」では次のように説明しています。
「『越境学習』とは、ビジネスパーソンが所属する組織の枠を自発的に“越境”し、自らの職場以外に学びの場を求めることを意味します。企業内研修とも、自宅での個人学習とも異なる“サードプレイス”での学びと知的交流を重視することが越境学習の特徴で、働きながら社会人大学や民間のビジネススクールに通ったり、社外の勉強会やワークショップに参加したり、具体的な選択肢は多岐にわたります。 組織の外に出て学ぶことは、異質な他者や知見による触発を促し、その経験が結果として、本人のキャリア開発や組織のイノベーションにまでつながると期待されています 」(「日本の人事部」より)
重要なのは太字部分です。多くの場合、職場では閉鎖的な環境でビジネスを行うため、外からの風が入りにくくなっています。
組織を構成する個人にとっても、他ジャンルのナレッジにふれる機会が少なく、そのことで幅広い知見を得て個人が成長する機会が損なわれやすいのです。
先に述べた「経験学習」のノウハウは、OJTなど社内の研修でも取り入れられるようになっていますが、これだけ変化の激しいビジネス環境においては、経験的知見でさえもすぐ時代遅れになりかねません。
急激な時代の変化についていくためには、組織としても、個人としても広く外部から刺激を受け、そこで得られた知見を活用できるようにしていく必要があります。
近年、組織における「ナレッジ・ブローカー(知識の仲介者)育成」の重要性が言われていますが、これはわかりやすく言うと、「可愛い子には旅させよ」式の取り組みが必要であるということでしょう。
普通なら足を踏みれることのない職場を訪問し、そこで働く人々から仕事の手ほどきを受けたり、生の言葉にふれることができる仕事旅行は、その意味で「越境学習」の機会になりえます。
仕事旅行の効果的な研修活用法ー6つのはたらく力とは?
ここまでの内容から、仕事旅行が「経験×越境」の掛け算による学習プログラムであることをご理解いただけたと思います。
次に仕事旅行の効果的な活用方法をご説明しましょう。キーワードは「はたらく力」です。
仕事旅行では、約150ある各職業体験(2022年現在)を、そのプログラムの内容に応じ、参加で高まることが期待される6の「はたらく力」(社会人としての基礎力)に分類、それぞれに紐づけています。
もちろん、仕事はひとつの能力で成立するわけではなく、ここで抽出したものはその体験において身につくことが期待される主な仕事力という捉え方です。
以下がその6つの「はたらく力」です。
A. 自分から動き、「好き」を形にするチカラ(主体性・実行力)
B. しなやかに発想し、価値を生み出すチカラ(課題発見力・創造力)
C. 想いをシェアし、周囲に働きかけるチカラ(発信力・はたらきかけ力)
D. 伝統の知恵に学び、枠を超えていくチカラ(規律性・柔軟性)
E. 人の声に耳を傾け、人間関係を癒すチカラ(傾聴力・状況把握力)
F. モチベーションを高め、長く続けるチカラ(持続力・ストレスコントロール力)
A及びFは「行動」に関わる能力、C及びEは「コミュニケーション」に関わる能力、B及びDは「思考」に関わる能力。
具体的事例として、ここでは仕事旅行で人気の
「ブックセレクターになる旅」 (※現在はオンラインのみ開催)を挙げます。
この職業体験に紐づく(それに参加することで高まる)のは「B. しなやかに発想し、価値を生み出すチカラ(課題発見力・創造力)」としています。
先に触れたように、ブックセレクターの仕事においては「課題発見力」「計画力」なども重要なスキルですが、ここではあえてひとつのスキルにフォーカスしています。ブックセレクターは知識だけでなく想像力を働かせることで選書を行っているからです。
まず仕事旅行参加者は、職業体験前に
「仕事旅行NAVI」 をオンライン上で受講します(無料)。「仕事旅行NAVI」は、6つのはたらく力を各10点満点で評価する弊社オリジナルの自己診断サービスです。
その結果を元に、みずからに足りない仕事力、あるいはさらに伸ばしたい仕事力を得られるプログラムを選んで参加することになります。
「仕事旅行NAVI」は学習者に足りないもの(or足りているもの)を明確にすることで、こうしたストレスを解消することもできるツールです。仕事旅行NAVIでは、ユーザー個々の6つの「はたらく力」を10点満点で評価、レーダーチャートで得点分布を表示します。
仕事旅行は特定の職業のスキルアップを意図したプログラムではありません。すでに得意な能力分野をさらに伸ばす、あるいは興味関心が湧く職業体験に参加しても構いませんし、現業と異なる領域、あるいは苦手な領域の仕事体験を選んでも構いません。
どちらのケースにおいても1日の越境的体験により参加者は、キャリアデザイン意識とモチベーションを高めることになり、自律型人材への第一歩を踏み出すことになるでしょう。
しかし、より効果的に参加するためには以下のことに留意する必要があります。経験学習モデルを意識することです。
第一段階である職業体験中(経験)は、向き合った作業に集中していただきます。その中で感じたことを意識する必要があります(内省)。体験終了後には、各参加者のマイページにセットされた「振り返りノート」に自身の気づきを記します(概念化)。
作業は難しかったか? 面白く取り組めたか? その理由はなぜか? ホストはどんな思いでその仕事を選んだのか? 現業にフィードバックできるヒントはあるか? ホストや周りの参加者との比較から、自分のこれまでの仕事への向き合い方はどうだったか? etc。
そのプロセスをへて、自身の職場に戻ったとき、得られた気づきを活用することができるのです(実践)。仕事旅行に参加した多くのユーザーが「働くことが楽しくなった」というご感想をいただくのは、そのためです。
1回でも十分な気づきが得られますが、可能であれば3つの体験をリピートすることをお勧めします。そのことで、みずからのキャリアをより正確に客観視でき、自発的な行動を促します。経験学習モデルで大切なのは、PDCAと同様にサイクルを回すことです。
解説が網羅的となりましたので、今一度ポイントを以下にまとめます。経験学習と越境学習を組み合わせた仕事旅行の自由研修では、以下のメリットを感じていただくことができます。
仕事旅行を用いたキャリアデザイン研修のポイント
①体験学習ならではのカラダで覚える学び
②越境学習ならではのアウェイでの気づきと刺激
③多くの異業種から、自分に合わせて自由に選べる
従業員やスタッフのキャリア意識向上を目指す研修プログラムとして、さまざまな職業の1日体験ができる仕事旅行を導入される企業も増えてきました。
仕事旅行は「アウェイでの越境体験を通じて、社員のキャリア意識を高め、自律的キャリア意識を育む」プログラム。「1日〜」の短期研修である点や、豊富なメニューから目的に合わせて自由に研修先を選べるところが特長です(オンラインもあり)。
座学ではなくリアルな職場で実践的に学ぶことにより、「経験→内省→概念化→実践」のサイクルを体感的に会得できるようになっており、若手からミドル、シニアまでご参加いただけます。研修先の多くが、ユニークな事業展開をされている中小・ベンチャー企業であるため、異業種交流の機会としてもご活用いただけます。
お一人からでもご参加可能。企業向け申し込み専用サイトの構築など、ご予算・ご要望に応じて、自在にカスタマイズできるようになっています。ご興味お持ちいただけるようでしたら、以下、弊社ページ(法人向け)もご参考に、お気軽にお問い合わせくださいませ。
★仕事旅行の自由研修:
https://www.shigoto-ryokou.net/
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