はたらき方を変えるには、まず正しく自分を知ることから。
このシリーズでは、「能力分析」「性格分析」「適職診断」など、日本や海外で公開されている様々な自己分析ツールの中から、面白いもの、評価の高いものを紹介していきます。
今日ご紹介するのは、医師である本田真美さんが考案した
“本田40式認知特性テスト”。(※上掲写真も公式ウェブサイトから)「才能が10分でわかる40問テスト」と謳われています。
見過ごしがちな認知の"才能"とは?
まず、ここで言う”才能”というものが、どんなものかを考えてみたいと思います。
日々、仕事をする中で、こんな思いを抱いたことはありませんか?
・場所がわかりづらい取引先への2度目の訪問、すんなり辿り着ける同僚に驚いた。
・「口頭よりメールの方が指示を出しやすい」という先輩の気持ちがわからなかった。
・会議の内容は聞いている方が覚えられるのに、メモを取れと言われてモヤモヤした。
場所を覚えていたり、メールで的確な指示を出せたり、聞いた話を忘れないのは、日頃そう思っていないかもしれませんが、仕事をする上で重要な”才能”です。
もちろん、この”才能”は様々で、人により得意・不得意があるものですが、それはその人の「認知特性」から生じます。
認知特性とは、テストの考案者である本田さんによると「目や耳などの感覚器から入った情報を理解・整理・記憶・表現する方法」です。
つまり、外からの情報をインプットしたりアウトプットしたりするのにも、人それぞれやりやすい方法があるということ。
たとえば同じものを見ても、それをどうやって記憶するかは人によって違います。
雑貨屋さんにいるとしましょう。「この棚にある雑貨を記憶してください」と言われたとき、おこなうやり方にはおのずと個性が出ます。
「そのまま(写真や映像のように)覚える人」
「木のコースターに乗っているネコの置物、とエピソード風の文章で覚える人」
「コースター、ネコ、と音に近い言葉で覚える人」
ざっと分けても3タイプ。今読んでもらった雑貨屋さんの説明も、映像を見たり音声で聞いたりした方がすんなり理解できる方もいるでしょう。
日ごろ生活していても、こうした“情報処理の仕方”にまではなかなか思い至りませんよね。その盲点に気づかせてくれる自己分析が、本田40式認知特性テストです。
つまり、風景を写真や映像として記憶(認知)する”才能”がある人は、言葉でそれを記憶することが不得意なケースもあり、それが自分らしくはたらくことの妨げになっている可能性も考えられるーーということです。
この診断では、認知特性をさらに細かく6タイプに分類して、あなたにとってやりやすい情報処理の方法を診断します。細かいタイプについては後ほど、診断結果例と一緒にご紹介します。
ちなみに私はいくつかの自己分析を試してからこの診断を受け、「ごはん、みそ汁、焼き鮭の献立に小松菜の煮びたしをプラスしたら、栄養バランスがぐっと増した感じがする!」みたいな感覚を味わいました。
この診断で自分に合った情報処理のやり方を知ることで、今まで受けてきた自己分析が立体的に感じられるようになったんですね。痒いところに手が届くといいますか。
その意味では、前回取り上げた“16 Personalityies”のようないわゆる性格診断系自己分析、つまり主食となるツールに合わせて用いるのがよいかもしれません。
人は「文字」「音」「ビジュアル」で覚える。記憶の3タイプを知ろう
それではどんな自己分析なのか、もう少し具体的にご紹介していきたいと思います。
診断ツールは、
公式ページからエクセルで無料ダウンロードできます。
さっそく質問に答えてきます。
質問の内容としては、「初対面の人を覚えるときのポイントは何ですか?」といった日常のシーンを思い浮かべて答えるものが多い印象です。こういった質問に、以下のような選択肢から回答していくスタイルです。
「A:顔や雰囲気で覚える」
「B:名刺の文字で覚える」
「C:名前の響きから覚える」
記憶する時、「ビジュアル」「文字」「音」の何を頼りにしているのか、自分の感覚を振り返りながら一番しっくりくるものを選びます。
こうして全40問に回答し、診断は終了。「10分でわかる」と謳われているだけあって、手軽に受けられました。
さて、気になる結果。「評価結果」シートを開くと、グラフ化&点数化されています。
私の結果は「サウンドタイプ」という項目の「4点」が一番低い点数でした。「音色や音階といった、音楽的イメージを脳に入力するタイプ」とあります。
この“音色”や“音階”という文字を見ただけで、「あ、私それ、苦手です」という感想が浮かびます。どうやら当たっているようです。
反対に一番点数が高かったのは、「辞書タイプ」。これは「30点」。「文字や文章を読んで、そのまま頭の中で再現するタイプ」と書かれています。
学生時代のテスト勉強、ひたすら教科書を読みまくるという方法が自分に一番合っていたことを思い出し、納得しました。
点数についてはこんな風に説明されています。
「14点以下 弱い認知特性」
「15~45点 一般的なレベル」、
「46点以上 強い認知特性(能力の特化が見られる)」
このエクセルシートでわかるのはここまでですが、もっと詳しく知りたくなったため、考案者の著書を読んでみました。
認知特性を知れば、自分らしい「はたらき方」がわかるかも
この自己分析では、認知特性を「視覚優位者」「言語優位者」「聴覚優位者」の3カテゴリに分け、さらに各カテゴリを2タイプに分類。つまり計6タイプを提唱しています。
たとえば「聴覚優位者」の中には「ラジオタイプ」と「サウンドタイプ」がある、といった具合ですね。
私の診断結果で、一番低い点数だったのは「聴覚優位者」カテゴリの「サウンドタイプ」です。一方、一番点数が高かったのが「言語優位者」カテゴリの「辞書タイプ」。
まず、点数の低い「サウンドタイプ」の説明を読んでみました。「音で情報処理ができる 音色がわかる 聴いた音をそのまま再現できる」。このように解説されています。
「音楽家はまさにこのタイプなのでしょう」とのコメントも。
私は真逆のタイプです。これは自覚あります。「半音」とか「♭」「♯」、聞き分けられません。
続いて一番点数の高かった「辞書タイプ」の説明も見てみると、こう書かれています。
「言葉を見るのがうまい 難しい文章をすぐに理解できる 文字にしてから覚える」
このタイプの人は「聞くだけでは覚えられない」というふうにも解説されています。
これまたしっくりきて嬉しい。続きを読んでみましょう。
辞書タイプの人は「『言葉を見る』のが得意です。どういうことかというと、一度紙に文字として書いたり、紙に書いてある文字を見たりしたほうが覚えやすいという特徴があるのです。」
そう! そうなんですよ! 何を隠そう、私、これまで働いてきたどの職場でも必ず「メモ魔だね」と言われてきたんですね。反対に私は「どうしてみんな聞いただけですぐに覚えられるの?」と不思議に思っていました。
そして解説はこう続きます。
辞書タイプは「一度文字や図として紙に落とし、視覚情報に変換させて脳内で整理しているのです」。
まさしく! と、今まで言語化できなかったことをピタリと言い当てられ、思わず興奮気味に同意してしまいました。
思い返せば数年前、メモを取らずにテキパキ仕事をこなす先輩に憧れて同じやり方を取り入れようと試みたものの、全くうまくいかなかったことがありました。あの時の私に、一言声をかけたいですね。
「私は辞書タイプで、文字を見るのが手っ取り早いから、迷わずメモり続けたらいいよ!」と。
この視点をもっと早くに持てていたらなぁ、なんて遠い目をしてしみじみ思うのでした。
好きな仕事、やってみたい仕事をしたいと思っている方。やり始めたけれど、うまくいかずにもがいている方。この自己分析から、何かヒントが得られるかもしれませんよ。
いろんな視点を持つことで、新しく見えてくるものがあるかもしれません。
あなたも自己分析、色々と試してみてはいかがでしょう?
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※この記事は、以下の書籍を参照・一部引用しています。
『タイプ別「頭がよい子」になるヒント』(著:本田真美・木下勝)
『医師のつくった「頭のよさ」』(著:本田真美)
『あなたの才能が10分でわかる40問テスト』(著:本田真美)
記事:シゴトゴト編集部
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★あなたは文字派?音派? ビジュアル派? 10分で認知の"才能"を測るテストがすごい-おとなの自己分析で、はたらき方を変えるvol.2―ー
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