弁護士、セミナー主催者、プロコーチ—いくつもの肩書きで働きながら、仕事旅行でも「パラレルワーカーになる旅」の受け入れをしてくださっている新井玲央奈さん。今回は「パラレルワーク」について自身の体験と実践メソッドを執筆してくれました。 「やりたいことを仕事にする」新井さんの“仕事の流儀”とは?(「シゴトゴト」編集部)
はじめまして、新井玲央奈(あらいれおな)と申します。
名前が女性っぽいのでよく間違われますが、男です。
僕は、2007年12月に弁護士になり、2013年6月からセミナー業を始め、2015年1月に独立、同年2月からプロコーチ業を始めました。現在は『弁護士・プロコーチ・セミナー主催者』という肩書で仕事をしている、いわゆるパラレルワーカーです。
弁護士業に活かすためにコーチングを学んだと思われがちですが、コーチ業・セミナー業は、弁護士業とは別物なんです。
セミナーは、法律とは無関係の、「本当にやりたいことを見つける・実現させる」などのテーマで開催しています。
コーチ業でも、本当にやりたいことは何か?といったことから、人間関係のこと、自分がどんな生き方をしたいかなど、人生全般に関するテーマを取り扱っています。
僕がこの3つの肩書で働くようになったきっかけを、少しお話します。
自分が本当に幸せになることってなんだろう
僕は、勉強も部活も成果がでなかった落ちこぼれから一念発起し、司法試験に合格しました。
ただ、本来弁護士になるというのは、目的ではなく、手段です。
こういう人の手助けをしたい、こういう社会を作りたい、こういう人生を歩みたい、そういう目標・目的を達成するために、弁護士になるという選択をするはずです。
ところが僕は、弁護士に「なること自体」を目的としてしまいました。ですから、弁護士になったことで目的を見失ってしまいました。弁護士になればそれでハッピーになれると思っていた、僕の淡い期待は打ち砕かれてしまったわけです。
もちろん、やりがいのある仕事ですし、がむしゃらに取り組んできました。ただ一方で、自分は、人生においてどういうことをやっていきたいのか、自分が本当に幸せを感じることは何かということを、常々考えてきました。
その中で、約2年半前に、人生の目的を見つけました。それは、「意識と努力で人生は好転するということを、多くの人に伝えたい」ということでした。その目的に沿って生きるために、本を書いたり、講演をしたり、セミナーをしたいと考えました。
ただ、その時点で、生まれて一度もセミナーなんてやったことがありませんし、本を書けるような実力もありません。途方に暮れた僕を救ってくれたのは、ある人の言葉でした。
「とにかく、小さく始めてみてはどうですか? セミナーをやりたいなら、最初は無料でもいいじゃないですか。友達でも親戚でもいいから来てもらう。必死でコンテンツを作って、実績を作っていけば、いずれ価値が生まれてきますから」
藁をも掴む思いで、その言葉どおりに小さく始めることにしました。
最初は、参加費500円の「勉強会」という名のセミナーを開催。参加者は1名でした。そこから約2年半で、67回のセミナー・講演を開催、2015年には目標の一つだった東京での開催も果たしました。
更に人生の目的に沿った生き方を加速させるため、2015年2月からはプロコーチ業も始め、約11ヶ月で、10名以上のクライアントを持ち、180時間以上のコーチングセッションを提供してきました。
こう書くとあっさりしていますが、その過程は、試行錯誤、失敗の連続でした。ただ、本当にやりたいことをやってきたので、試行錯誤や失敗ですら、充実感に満ちたものでした。
僕は昔から、自信がなく、周囲の目を気にし、色々理由を付けて行動せず、悲観的で、人が「これでいいよ」と言ってくれなければ実行できない人でした。
「自分には、楽しく生きる人生なんて用意されちゃいない」。本気でそう思っていました。社会に出てからも、自分が一体どこに向かっているのかが分からず、モヤモヤし続けていました。
そんな僕でもこうして本当にやりたいことをやる人生を送りつつあります。
それを可能にしてくれた一つの鍵が、パラレルワークという選択でした。
弁護士になって目標を見失った頃は、先が見えませんでした。ところが、パラレルワークを始めてからは、弁護士業に対する見え方も一変しました。
今では、弁護士業も、プロコーチも、セミナー主催者も、それぞれ向かいたい先が見え、人生の目的に沿った大切な仕事です。もちろんこれから、更に肩書を増やすこともあると思います。
何のために?実際どうなの?これからの働き方”パラレルワーク”
まず、そもそも「パラレルワーク」とは何でしょうか?
抽象的に言うと、「複数の仕事を並行して行うこと」です。ただ、「何のために」、つまり目的によってその内容は大きく変わります。
◆パラレルワークの目的とは?◆
僕の考えでは、大別して3パターンに分かれます。
①リスク回避・分散パターン
会社員といえども、会社が一生生活を守ってくれる保証はありません。大企業といえども、会社の倒産、何らかの理由による失業、収入減のリスクがあります。自営業者でも、業界の低迷、競合の出現などによって事業がうまくいかなくなることもあります。
そういった諸々のリスクを回避・分散するために、別の収入源を持っておこうというのが、このパターンです。
②収入増パターン
旅行や趣味に使えるお金を増やしたいといった場合もあれば、毎月の生活費を補ったり、教育費などのまとまった支出を補う場合もありますが、「今の収入では不十分なので、それを補う」という目的です。
リスク回避・分散パターンも収入増パターンも、経済的に本業を補う目的ですから、重なってくる部分はあります。
ただ、リスク回避・分散パターンは、「将来に備える」という意味合いが強いのに対して、収入増パターンは、「今を補う」という意味合いが強いのが特徴です。
③本当にやりたいことパターン
リスク回避・分散パターンも収入増パターンも、経済的に本業を補う目的である以上、今の仕事(=本業)以外の仕事として、収入を得やすい仕事を選ぶことになります。つまり、「やりたいこと」より、「やれること」という基準で選びます。
これに対して本当にやりたいことパターンは、その名の通り「本当にやりたいことをやること」が目的です。パラレルワークを、本業を補うためにやるのではなく、本業に補ってもらうためにやります。
このパターンでパラレルワークを定義すると、「パラレルワークとは、本業で安定を確保しながら、本業以外の時間を使って、本当にやりたい仕事をやること」となります。
「今の時代、安定なんてない。安定を前提としたパラレルワークはあり得ない」と言われれば確かにそうですが、それを言い出すと何もできなくなるので、ここは「当面の収入が確保されている」という意味合いで考えてください。
やりたいことをやるのは、大きなリスクが伴うチャレンジなのか?
「本当にやりたい仕事をやる」というのは、多くの方が憧れを抱きます。ところが、こんな声をよく耳にします。
・やりたいことはあっても、これが仕事になるとは思えない
・仕事になるとしても、食べていけるレベルではない
・特別な才能・スキル・経験・実績がない
・時間がない
・初期投資の資金がない
・借金は背負いたくない
・やっていける自信がない
・安定を失いたくない
確かに、いきなり会社を辞めて起業するとなると、大きなリスクを伴うチャレンジともいえます。しかし、本当にやりたいことパターンのパラレルワークを使えば、大きなリスクを背負うどころか、やり方次第でリスクをほぼゼロにできると考えています。
次回は、本当にやりたいことパターンのパラレルワークを使って本当にやりたい仕事をやっていくメリット・デメリットをお話します。
続編は明日(1月19日)掲載の予定です。
【プロフィール】
新井玲央奈(弁護士/プロコーチ/セミナー主催者)
『意識と努力で人生は好転する!』というメッセージを多くの人に伝える、という人生の目的のもと、本当にやりたいことを実現させたい人/本当にやりたいことが分からない人/自分軸が定まらない人/自信が持てない人などに対し、“自分だからこそ生きられる幸せな人生”のきっかけとなるため、セミナー、コーチング、ブログなどの活動を行っています。
公式HP:
http://reo7.araioffice.jp.net/personal/
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