2019年04月18日更新

仕事旅行でもっと学びを! 私たちは"仕事迷子"のコンパスでありたいーリニューアルのお知らせー

仕事旅行社ではこの春から、サービスのリニューアルを段階的に実施していきます。その第一弾として、企業スローガンやVI(ロゴ)を新しくしました。サイトの機能やお申し込みの方法など、基本的な使用法は変わりませんが、今後はもっと旅(商品)を選びやすくなる様々な工夫を施すとともに、より充実した「学び」が得られる旅をご提供していきたいと思っています。

この記事では、「仕事旅行のどこが変わるのか?」をご説明しながら、新しいスローガンとVI(ビジュアル・アイデンティティ)にこめたメッセージをご紹介したいと思います。

仕事旅行は"ワークショップ"ではありません


見たことない職場を1日体験できるサービスとして、2011年からたくさんの方々にご利用いただいてきた仕事旅行。

参加される多くの方に共通しているのは、「いまの仕事やワークスタイルになんらかの悩みを抱えている」ということ。そんな自分を変えるためのきっかけや刺激を求めて参加する方が大半で、実際、働くことの楽しさを再発見したり、新しい一歩を踏み出した人もいます。

参加者からそういったポジティブなリアクションをいただけることは、私たちとしても大変うれしいことです。

一方で、課題がないわけではありませんでした。ときにはユーザーの皆さんから、「興味はあるけど、どの旅に参加すればいいのかわからない」という声が寄せられることがあり、既存の「ワークショップ」や「アクティビティ」系サービスとの違いがわかりにくいという面もあります。

そこで昨秋からチームで議論を重ね、「①仕事旅行の価値の明確化」と「②学びのサービスとしての一層充実したカリキュラムづくり」に取り組んできました。この春以降、その成果をお披露目していくことになります。

仕事迷子が生まれる理由ー会社では教えてくれない仕事の「軸」と「幅」ー


仕事旅行がユーザーに提供したい価値は、主に以下の2つです。

①プロフェッショナルの仕事観や仕事術に触れることで視野を広げ、自分らしい働き方の「軸」を定める。
②ある仕事を支える基礎的キャパシティを実体験することで、できることの「幅」を広げる。


あらゆる仕事は「軸(キャリア意識)」と「幅(社会人としての基礎力)」で成り立っていると、私たちは考えています。「軸と幅」とは、仕事でやりがいを感じるための"土台"や"基盤"のようなもの。パソコンで言うなら、ソフトやアプリを動かすOSに当たる部分です。

様々な職業体験に参加することでその土台の存在に気づき、社会で長く充実した仕事を続けるための礎をしっかり築いてもらうことが、会社や学校では教えてくれない「仕事旅行の"学び"」ということになります。

言ってみればこれは、あらゆる仕事に必要な基礎ということになりますが、ここがしっかりデキ上がった状態で社会人になる人はそれほど多いわけではありません。

20代後半から30代前半の多くの社会人が、「何年働いても仕事に自信が持てない…」「いまの仕事が自分に向いているのかわからない…」というネガティブな心理から抜け出せない、つまり"仕事迷子"になってしまう要因は、その土台のもろさにあるのでは? と私たちは考えています。

しかし、会社という場所では、仕事のためのスキルを学ぶ数々の研修こそ実施しても、"仕事迷子"からの脱却方法は教えてくれません。働くための土台(OS)は完成しているという前提で、会社は動いているからです。

働き方の心身バランスととのえるヨガのようなー「越境的学習」としての仕事旅行ー


仕事旅行が提供する旅は、社会人にとっての働く土台(OS)整備をサポートをする"体験型カリキュラム"としてデザインされています。そこがほかのアクティビティサービスとの最大の違いです。

つまり、仕事旅行とは「働き方における心身バランスをととのえる"ヨガのレッスン"のようなもの!」とイメージしていただけるとよいのですが、唐突にそう言われてもピンとこないかもしれません。

先に述べた働き方の「軸」と「幅」、それを支える土台(OS)とはどういうものか、もう少し具体的に説明してみましょう。

例えば「花屋さん」の職業体験に参加したとします。1日の旅の中で参加者は、花屋さんの仕事の一部を手伝わせてもらうだけでなく、旅の受け入れ先(ホスト)から様々な仕事の話を聞くことになります。その人が「花屋を志した理由」「どんなことが好きで、何が得意か? 苦手なことは?」etcーーといった仕事観に触れることになります。

話を聞くうちに、そのホストの仕事や働き方の根っこにあるキャリア意識、つまり「軸」が見えてきます。難しく考えることはなく、例えば「美しいものへの関心が強い人」や「自分でお店を運営したい人」は、花屋さんとしての「軸」があるということにおのずと気づくでしょう。言葉にできない"芯"を感じることもできると思います。

当然のことながら、他人の「軸」を知ることは自分の視野を広げることにつながります。「世の中にはこんな考え方で仕事をしている人もいるんだ!」という刺激が受けられます。

ここで仕事旅行が重視しているのは、他人の軸と比較することで自分の軸を認識すること(相対化)。「こういう仕事の方向性は自分も向いているな」とか、あるいはその逆でも構いません。それぞれの旅で感じたことを振り返る時間を設けているのは、自分の「軸」に気づきやすくするためです。

忙しい社会人になってしまうと、そうやって自分軸を発見する、あるいは客観視して軌道修正する機会がなかなか得られないものですが、その機会を提供するのが「越境的学習」である仕事旅行のひとつの"効き目"です。



あらゆる仕事に必要な「幅(キャパ)」とは?ー「経験的学習」としての仕事旅行ー


しかし「軸」があるだけでは、それがどれだけ明確な強いものであっても、自分らしく働くことはできません。「やりたい」気持ちだけでできるほど世の中甘くはないのです。当然のことながら、やりたい仕事に見合った「スキル」や「能力」が必要です。いくら花が好きでも、商品を管理したり、魅力的に並べて見せたり、接客の心得がないと花屋になることは難しいでしょう。

簡単に言うと、ある仕事で自分らしさを発揮する能力が「幅」ということになります。「幅」は"キャパ"と言い換えると、よりイメージしやすいかもしれません(=できることの範囲)。仕事で必要とされる専門スキルの一歩前にある基本能力のことです。

「社会人基礎力」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか? 「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎力」として経産省が提唱しているものです。「主体性」「傾聴力」「ストレスコントロール力」といった専門スキル以前の基本キャパシティを12分類したものですが、私たちの考える「幅」というのもそれに近い考え方です。

本来はどんな仕事に就く場合でも、すべての社会人基礎力をバランスよく(幅広く)、身につけていることが理想ではあります。基礎力はあらゆる仕事で求められるものだからです。

しかし、人には得意・不得意があり、「なんでも完璧にできる人」はそれほど多いわけではありません。基礎力に偏りが見られるのは当然のことですし、職種や職場に応じて重視される基礎力も異なります。伝統の職人仕事に向いている人も、イルカトレーナーには向いていないかもしれません。

「動物と接する仕事がしたい! そのことで人を癒したい!」といったキャリア軸は、「相手の気持ちを読み取る能力(傾聴力)」や「周囲の状況に配慮して行動する能力(状況把握力)」といったキャパ幅と相まって、はじめてイルカトレーナーの職場で生きるものになります。そこから生まれてくる達成感が仕事の"やりがい"と言われているものです。

逆に「軸」と「幅」のミスマッチが生じると、人はどれだけ頑張っても仕事の上でやりがいを感じることが難しくなります。新卒でイメージや待遇の良い会社に就職したものの「全然楽しくなくて…」というのも、多くはこの状態を指すのでしょう。

仕事旅行にはキャリアの「軸」を明確にするだけでなく、ある仕事で重要なキャパを実体験することで、自分ができることの「幅」に気づき、能力を少し広げるーーという"効き目"もあります。



例えば、花屋の仕事を体験することで、「思っていた以上に商品を上手にディスプレイできる自分」(計画力や創造力)、「お客さんの注文にきめ細やかに対応できる自分」(傾聴力や状況把握力、柔軟性)に気づくこともあるかもしれません。

逆に簡単だと思って取り組んだ作業が意外にできず、「こういうことが苦手なんだ!」と今後伸ばすべき基礎力に気づくーーということもあるでしょう。

やってみるから気づく「6つの仕事基礎力」


人から話を聞くだけでも気づきが得られる「キャリア意識(軸)」とは異なり、「仕事の基礎力(幅)」は頭で考えてどうなるものではなく、やってみないことには得手・不得手さえわかりません。

どれくらいのことならこなせて、どこを超えるとできないのか? 自分らしく働くためには、体験を通じて自分の「幅(キャパ)」を知った上で、職種や業務に応じて、できることの範囲を広げていくことも大切。実際の仕事の"現場"で幅広い社会人基礎力をテスト的にトレーニングできるのが、「経験的学習」でもある仕事旅行の特色と言えます。

もちろん、仕事旅行が提供する1日の職業体験では、特定の業務に必要な高度な専門スキルを身につけることはできません。スキルを身につけたい場合は、その業務を行う会社に入ったり、長期間弟子入りしたり、専門の学校に通ったりする必要があります。

今回のリニューアルでは、体験内容やホストの職種・業種、こだわり、仕事の上で大切にしていることに応じて、以下「6つの基礎力」に触れられるよう旅をカテゴライズしました。ここに挙げた6つの基礎力は、「社会人基礎力」をふまえながら仕事旅行のカリキュラムにフィットする形でアレンジしています。

これまで通り旅の選び方は自由です。「憧れの仕事を1日体験したい!」「楽しそうな仕事場を見学してみたい!」といった活用の仕方も歓迎です。旅の紹介記事にも目を通して、興味の湧く旅にご参加ください。

しかし、より確かな学びの実感を得たい方は、6つの基礎力カテゴリーをバランスよく、あるいは気になるカテゴリーを重点的に複数(3〜5か所)の旅先をめぐることをお勧めします。

いずれの際にも一番大切なのは、体験後に「振り返りと実践(実際の仕事あるいは次の仕事旅行での)」のサイクルを回すこと。それによりいっそう学びの手応えを感じていただくことができるでしょう。

「6つの基礎力」はこの春から初夏にかけて順次、旅の紹介ページに掲載していきますので、参加する旅選びの参考にしてください(すでにリニューアル済みの旅もあります→参考例:https://www.shigoto-ryokou.com/detail/650)。

自分に向いた旅選びをさらにスムースにしていただくため、ユーザーの仕事基礎力を診断するツール(レーダーチャート)も現在開発中です。「それぞれの旅の学び要素を強化する施策」や「学びの効果をさらに高める旅めぐりの仕組み化」も、今後実施していきます。

なぜ「仕事旅行」が必要なのか?ー「コンパス」にこめた2つのメッセージー


ここまでご説明してきたように、仕事旅行が提供しているのは「自己啓発以上・スキル未満の短期学習」です。自己啓発やスキルに重きをおいた学びを提供するサービスはたくさんありますから、あまりないスタイルの学習サービスと言うこともできそうです。この学びのメソッドを私たちは「仕事旅行式」と呼ぶことにしました。

人が社会人になったのちも新しく学び続ける必要があるとされる時代に、「短期」で大きな刺激や気づきを得られる「仕事旅行式」は、新しい社会人学習のメソッドであると考えています。勤め始めてからそう頻繁にスクールに通ったり、留学するのはハードルが高く、この変化の激しい時代においては、学んだこともすぐ陳腐化してしまうからです。

長いキャリアの旅の中のほど良いタイミングで摂取する"サプリ"のようなもの、それが仕事旅行だとお考えください。

仕事旅行では、ご自身の「キャリア軸とキャパ幅」への気づきを得て、ホストやほかの参加者とともに振り返り(内省)を行い、気づきをみずから実践することで、「自分らしく働くための土台(OS)をととのえていく」ことができます。そして仕事旅行は今後、「学び」のサービスとしての側面をより充実させていくことになります。

そのメッセージを表現したのが、新しいブランドスローガンとVI(ビジュアル・アイデンティティ)です。

これまで用いていたロゴ(紙飛行機)と「見たことない仕事、見に行こう」というコピーでは、その想いを十分にお伝えできていませんでした。良くも悪くも価値が曖昧であり、「旅行」という言葉が持つイメージとも相まって、「大人のキッザニア」あるいは「個人で参加する遊びのワークショップ兼社会見学」というエンタテインメントな印象が、どうにも強く出てしまいます。

新しいスローガンとVIでは、「キャリアの軸を定め、ユーザーの働き方の幅が広がるサービス」というメッセージを"コンパス"に集約しました。VIでコンパスの針が少し飛び出しているのは、「いまの自分を"ちょっぴり"超えていただきたい」という意味合いがあります。土台(基礎力)がしっかりととのっているからこそ、それが可能になります。

新スローガン「はたらく私のコンパス」には二つの意味が含まれます。まず仕事旅行は「はたらく人の方向性を定めるツール」であるということ。もうひとつは私たち自身が「はたらくコンパス」でありたいということ。つまり、仕事旅行社自身も「みなさんにとってより良いサービスを目指して旅を続ける存在でありたい」という意志を表しています。

元号は平成から令和へ。私たちの生活や仕事はさらに変わっていくことが予想されます。先行きの見えにくい時代のコンパスとして、ふと気づけばみなさんの身近にあるような、仕事旅行はそんなサービスでありたいと願っています。

仕事旅行社 2019年4月18日

仕事旅行ニュウス: 2019年04月18日更新

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はたらく私のコンパス《170種類の職業体験》 
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