2017年10月12日更新

愛されコミュ障になって勝つ!ーダウナー系非コミュ女子の明るい仕事計画(最終回)ー

「私、コミュ障だから」と、にこやかに言えるようになったのはいつからだろうか。

この発言にはいくつかの意味がある。1に予防線。対面する相手にコミュ力を求められないように先に言っておくのだ。ハードルが下がるので、普通の会話をこなせれば「え、全然コミュ力あるじゃん」という評価も得られる。2に自戒。自分は気を抜けば空気が読めない。そのぶん、相手の真意に耳を澄ます努力はしたほうがいい。特に初対面の場合は。

3は時と場合によるが、相手への好意の表現である。「私コミュ障だけど、あなたには心を開いていますよ」というニュアンスをこめている。

コミュ障は治らなくても卒業できる


そんな「私コミュ障だから」遣いができるようになって、私は何かしらコミュ障を卒業したのかもしれない。時おりそんな風に感じられることも増えてきた。

もちろんそれでも今だにある。頭がふわっと真っ白になり自分が何を発言するべきかも把握できなくなる瞬間が。今まさに口にしようとしている言葉が相手にとって理解不能だったらどうしよう、眉間にシワを寄せて「何を言っているんだ?」と思われたら…という恐怖が。

だが主に仕事の場面で、私はここ数年の間に結構な時間を費やして考えたと思う。目を見てスマートな言葉で伝えることへの苦手意識が強かったので、文字や資料に可能な限りしたためることにした。自分が喋らずとも意図を汲んでもらえるよう構成を幾度もリバイスし、自分が理解を得たいポイントを繰り返し自問し、そうして作った企画書から新規事業を立ち上げることになった。伝わればなんでもいいな、というのが実感だ。

そういう小さいトライと実感を積み重ねてきた自負がある。その自負が拠りどころとなり、コミュ障として卒業し独り立ちできる自分にしてくれた。たまたま私がそういう偏ったストイックさを持ち合わせていたことはあるかもしれないが、コミュ障の内に向かうパワーは推して知るべしである。まずは人と話さないで済む方法を真剣に熟考すればいいだけだ。

このコラムの初回にも書いたが、コミュ障の出発地点は何よりも「自覚」だと思っている。「コミュニケーション力が劣っている」という自覚ではなく、「コミュ障」という自覚だ。

コミュ障にはコミュ障なりの闘い方がある。魔法使いが勇者の剣を持っていたところでまったくもって荷物にしかならない。「いや、俺別に勇者じゃねーし」という自覚が持てる人は、たぶんコミュ障を卒業できる。魔法使いというか、コミュ障は世の中には必要なのだ。その役割を目指そう。



「愛すべきコミュ障」になれるなら


まあそこまでの志は別に…という場合であっても、いずれにしろ10年以上も社会人をやって来れば、初対面の人くらいであればコミュ障感を包み隠して会話できるくらいの持ちネタだったり、手頃な相手へのツッコミの引き出しもできてくるものだ。

必要以上に笑いをとろうと思ったり場を持っていこうなんて望まなければ、「コミュ障 → 控えめなタイプ」くらいには自動的に薄まってくる。平たくいえば、大人になるというだけだ。

私の場合はそこに、サッカー観戦が一般女子に比べ好きだというトピックと、仏教徒ではないが仏教に対して人並み以上の情熱を抱いているという自己紹介をスパイスとして加えている(第2回参照)

宗教の話題はややデリケートな場面もあるかもしれないが、他人の記憶に残りつつ、自分の土俵で話を始められるので、結構べらべら話す。初見でコミュ障と思われるケースは最近ではほぼないのではないかと思う。まあこれも、そこそこPDCAを回して定着した自己ブランディングだ。

そんな風に、コミュ障を卒業するころには多少は上記のような「接待モード」が付属機能として持てるようになる。とはいえこれは上澄みの話で、さらに踏み込んでガッツリ仕事を一緒にする相手などになるとまだまだしんどさは出てくるだろう。

だってもともと接待モードなんてなかったのだ。ずっとオンにしていたらどこかで処理能力を超えてフリーズする。実際、私はうまいこと人付き合いをこなせている場合でも、時に強制終了して他者との関わりをバッサリ遮断してしまいたくなることがある。その時期の私は全力でコミュ障だ。生まれたてのようなコミュ障だ。

まあまあ、卒業したところで軸がコミュ障なのは変わらないのだ。それでいいと割り切れるだけのメンタルは手に入れたし、巧いこと自分のコミュ障を世間に馴染ませられることも分かってきた。

何にしろ、コミュ障はまったく悪いことではない。すべては捉え方、付き合い方次第だ。「愛すべきコミュ障」になれるなら、それはむしろ勝ち組だと、私は心から思っている。

記事:高橋弓子(Webディレクター)

この連載のバックナンバー
★コミュ障を受け入れ自分を客観視するところからすべては始まるーダウナー系非コミュ女子の明るい仕事計画vol.1ー
★一点突破のオタク熱を攻めの仕事につなげたいーダウナー系非コミュ女子の明るい仕事計画vol.2ー
★空気読むのも、いちいち後悔するのもやめたーダウナー系非コミュ女子の明るい仕事計画vol.3ー
読みもの&連載もの: 2017年10月12日更新

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