2017年07月07日更新

知ってるようで知らない「花火師」という仕事。「たまや〜」の掛け声の由来は?ースキマな仕事から見える世界vol.16ー

夜空にぱ~っと広がる打ち上げ花火。夏の風物詩もこれからが本格シーズンです。

私たちは遠くから花火を眺めていますが、その裏では花火の制作や打ち上げを職業としている「花火師」たちの存在があります。そこで今回は花火師の仕事について調べてみました。ちなみに英語では花火のことを「Fireworks」と言うそうです。

花火師は、ほとんど世襲制。一人前になるには少なくとも10年修業!


危険がともなうイメージがある花火師。なるためにはやはり資格が必要なのでしょうか?

日本の花火文化を支える事業活動を行う「公益社団法人 日本煙火協会のウェブサイト」を見たところ、特に学歴や技術は必要ないそうです。

ただし、花火師と呼ばれるためには「煙火消費保安手帳」の交付を受ける必要があります。現在、交付を受けている人たちは、全国で約1万8千名程度。そのうち約1000名が女性とのことでした。

実際には花火会社の多くは世襲制・縁故採用のところが多いため、就職の機会は極めて少ないようです。花火の最盛期である7月~8月には臨時作業員の方がいるようですが、危険がともなう作業のため、建築作業員や工事関係者の経験がある人がほとんどで、未経験の方は厳しいとか。

それでも、どうしてもなりたい!という場合は、自分で花火会社を調べて個別で当たるしかないようです。「花火師」という職業は世間のイメージ通り"狭き門"のようです。

では、花火師はどんな仕事をしているのでしょう?

花火を作るのはもちろん、花火大会の準備作業、打ち上げ作業、片付け作業など幅広くあります。火の玉作りは手作業で行われますが、原料の配分を間違えるとうまく爆発しなかったり、きれいな形にならなかったりするため、高い職人技が求められるとのこと。

また、花火の最盛期は7月~8月。夏の炎天下のなかで打ち上げ準備などの作業をする必要があるため、体力も必要でしょうね。そして「玉貼り3年、星掛け5年」と言われ、一人前の花火師になるには少なくとも10年以上の修業が必要とのことで、非常に厳しい職人の世界であることがわかります…!

ちなみに、花火というと「夏」イメージが強いので、夏以外はどんな作業をしているのかな? と思いましたが、秋は「運動会の合図」で使われ、冬は「大晦日のイベント」で使われていたりして、意外と通年稼働の仕事のようです。ただ、やっぱり圧倒的に忙しいのは夏。ほかの季節は開発・製造・打ち合わせといった下ごしらえの作業がメインになってくる模様。

「たまや〜」の花火師が江戸を追われたワケ


※写真はイメージです

みなさんは花火を見るときに何を一番楽しんでいますか? 色や形、音、風情ーーいろいろな楽しみ方がありますが、なんと言っても盛り上がるのは大きい花火が打ち上がったとき。実は世界で一番大きな花火を打ち上げたギネス記録は日本が持っているそうです。

その記録が達成されたのは新潟県小千谷市片貝町。1985年に地元の片貝まつりで正四尺玉(しょうよんしゃくだま)の打ち上げに成功しており、当日付けで「世界最大の打上花火」にギネス認定されたそうです。打ち上げたのは片貝煙火工業の花火師・本田善治さん。

「正四尺玉」と言ってもなかなかピンとこないですが、その大きさは玉の直径がおよそ120cm、重さは約420kgという特大サイズ! 発射するための煙火筒も高さ520cm、厚さ1.8cmの鋼鉄製とのこと。また開花する高さは約800mにもなるそうですから、東京スカイツリー(634m)よりさらに上です。この正四尺玉というサイズが、現代の花火の打ち揚げ技術の限界とされており、日本の花火と職人の技術力の高さがうかがえます。

「時事通信社/JIJIPRESS 」公式チャンネル(youtube)より

ところで、花火の際の掛け声はなぜ「たまや〜」なのでしょう? この記事(花火のあのかけ声の代名詞「玉屋」の悲しい事実) に詳しいですが、これは「両国川開きで人気を競った花火師の屋号(玉屋)に由来する」もののよう。

腕のよい花火職人・清七が立ち上げた店が「玉屋」で、彼の花火が上がる時の掛け声が後世にまで引き継がれました。贔屓の歌舞伎役者に掛け声をかけるように、当時のオーディエンスは、打ち上げ時にその花火を手がけた花火屋さんの屋号を叫んで盛り上がっていたんでしょうね。

ところが玉屋さんは「1843年に出してしまった火事が原因」で江戸を追われてしまったとか…。飛躍的に技術が向上し安全態勢が確立した近年でも、稀に花火会場における事故が報道されることがありますが、江戸時代のエピソードからも花火師は命がけの仕事であることがわかります。

華やかに映る花火の世界。しかし、その裏方である花火職人という仕事は、光と影の両方を行き来するものなのでしょうか。

皆さんもこの夏、花火見物に行かれる方が多いでしょうが、威勢のいい「たまや〜」の掛け声の裏側に、数々の職人さんたちの汗と涙の歴史に思いを馳せてみると、またひと味違う花火鑑賞ができそうです。

記事:河口茜(シゴトゴト編集部)

(参考記事)
☆公益社団法人 日本煙火協会 公式サイト
☆花火師になるには 年収・収入・資格など 職業ガイド
☆花火情報館・花火師の一年
☆正四尺玉 - Wikipedia
☆花火のあのかけ声の代名詞「玉屋」の悲しい事実
連載もの: 2017年07月07日更新

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