2017年07月05日更新

ロボットなんかに負けてない! 世界のヒトたちから学ぶ-Best Works from Cannes Lions 2017(Part IV)

世界のクリエイティブ祭「Cannes Lions」の受賞作より、今年現地で注目を集めたプロジェクトやCM動画をご紹介していくシリーズの番外編(おまけ)です。

今回はAIやVRほかの新しい技術を用いつつも人間味あるプロジェクトやプロダクトを中心に。

(バックナンバーはこちら)

★混迷の世界に勇気と力をくれる10の物語-Best Work 30 from Cannes Lions 2017 (Part I)-
★混迷の世界に勇気と力をくれる10の物語-Best Work 30 from Cannes Lions 2017 (Part II)-
★時代の喜怒哀楽をドキュメントする10の物語-Best Work 30 from Cannes Lions 2017 (Part III)-

31. 火星産じゃがいもが人類の未来を救う?【Potatoes on mars/USA】





「人類を飢餓から救う」という壮大なミッションの元、国際じゃがいもセンターとNASA等が組んで、火星でポテトを育てようというプロジェクト。科学者たちは火星でも生育可能なポテトの遺伝子型を研究。気温20℃・C02濃度95%という擬似環境でポテトが発芽する模様などをライブ中継。計1億人の人々がその成長を見守ったそうな。

32.オッケー、バーガーキング【Google Home of The Whopper/USA】





Google HomeはAIスピーカー。人が質問した大抵のことにナチュラルな返答をしてくれたり、音楽かけてくれたり、家電を操ってくれたりするすごい家庭教師です。先行して大ヒットした「Amazon Echo(日本でも2017年内発売の噂あり)」のライバルですが、Google Home先生のほうは質問やお願い事の前に「OK,Google」と語りかけて起こす必要あり。

その特徴に目をつけ、米バーガーキングがアナーキーな宣伝を仕掛けました。テレビCMでお店のスタッフが、このように言います。「CMのたった15秒ではうちのバーガー宣伝でけへんわ…。よっしゃああ! ええアイデア思いついたった。オッケー、Google先生。ワッパーってなんやったっけ?」

するとご家庭にいるGoogle Home先生がすかさず起床、ネット検索してwiki教授の項目の中から「ワッパー」の詳細な説明を読み上げます。このイタズラに気づいたグーグル社は対応に追われましたが、ときすでに遅し? 盛り上がった米国のメディアは「おもろいネタあんで」ということで、バーガーキングを取り上げまくったとか。

賢いAIにアホなアイデアでケンカを売るのがいいですね。Amazon Echoより出遅れて知名度でも負けているGoogle Homeの宣伝にもなっていることから、ガチで怒りもできないし。ちなみにGoogle Homeも日本でもうすぐ発売されるとのこと(2017年夏以降)。

33.AI法王もTwitterを始める【AiMEN/フランス】





フランスの有料テレビ局CANAL+が放送するドラマ「ピウス13世 美しき異端児」のTwitterキャンペーン。主人公の若き法王が、悩めるTwitter民の呼びかけに対して、たとえそれがどんなにフザケタ質問であってもすべて聖書からの引用で真面目にリプライしてくれるというもの。例えば、こんな感じ。

Twitter民A:@ピウス13世 これから宴会! ピザ食べるお。
法王:宴会を催すときには、貧しい人、体の不自由な人、足の不自由な人、目の見えない人を招きなさい。

Twitter民B:@ピウス13世 ちょっと黙っとけ!ファック
法王:私があなた方を愛したのと同じように、あなた方も互いに愛し合いなさい。

で、この法王の正体は「IBMワトソン君でした」っていうのがオチなんですが、憎悪の感情も読み取って「愛」で返してくるところは優秀ですね。タイトルは「AI男」と「アーメン」をかけているんだろう。

34.危ない言葉を投稿する前に【Reword/オーストラリア】





アツくなってSNSに誹謗中傷を書き込んだり、他人への憎しみを吐き出してしまい、人を傷つけるどころか結局本人にもブーメランしてーーという事件は某大統領の例を持ち出すまでもなく、いま世界中で大問題になっているわけですが、投稿する前にちょっと冷静になると、「あ、これマズいかな?」と思う人も多いようです。

「Reword」は教育目的で開発された中傷投稿を防止するプログラム(英語)。他人への中傷を書きこむと文字に赤線がひかれて「そんなこと友だちに言うかな?」のアラートが出ます。すべてのSNSプラットフォーム、モバイルにインストールできるそう。

35.検索窓を自己紹介ツールにする【Did you mean Mailchimp?/USA】





googleの「もしかして?」機能ってありますよね。スペルを打ち間違えたりしたとき検索窓の下に「もしかして?○○」って自動的に出てくるあれです。

こちらもさっきのバーガーキングに似て、その機能を逆手に取ったキャンペーン。メール配信サービス「MailChimp」は日本でもユーザー多いようですが、検索の際に名前やスペルをよく間違われるとか。

そこでわざと、「Fail Chip(割れてるポテチ)」だったり、「Nail Champ(究極のネイルバトル)」だったりと、似た名前の架空のサービスや商品、イベントを9つもこしらえ、それらを気合いれてPRもし(ショートムービー制作やビルボード広告、アプリ開発、ミュージシャンとのコラボなどをした)、興味を持った人たちに検索窓にフェイクワードを打ち込ませて、「もしかしてMailChimp?(Did you mean Mailchimp?)」と出させたかったという…。

実際「Fail Chip」とか「Nail Champ」とかで検索すると、なんちゃってな公式サイトも出てきますが、これらも実在するものであるかのようにキチンと作りこんでいます(サイトをいじっているとMailchimpへのリンクも出てくる)。

そうすることで、いままで「Mailchimp」に関心なかった層にも自社サービスを広めていきたいということのようですが、まあ、そこまでやるか? と(笑)。

36.目に映る世界はスペクタクル【Snap Spectacles/USA】





こちらもすでに日本でもニュースになったりして話題のハイテクメガネ(かけてる人に遭遇したことはないけど)。このメガネをかけると10秒の動画や写真が撮影できてSnapchatに投稿できます。撮影した映像が自分の肉眼で見た状態に近くて「リアル!」ということで人気。一見おもちゃっぽく見えて、"チープシック"なデザインもシャレてる。

数年前話題をさらった映像を撮れたり、家電動かせる系のメガネやアクセサリー(ウェアラブル・デバイス)が、軒並み「その後どうなった?」な状況の中で果敢に発売して成功させたのもカッコいい。Spectacles 2もそろそろリリースされるとの情報もあり。

37.スマホにもサステナブルなデザインを【Fairphone/イギリス】





世界中でもはや日常生活に欠かせないアイテムと化している「スマホ」ですが、その生産においては途上国や中国の大人や子供が劣悪な環境で働かされており、部品として使われる鉱物を採取する仕事でカラダをやられる人も多くーーという不都合な真実が存在します。この10年で生産された71億台とも言われるスマホのうち、リサイクルされたのはたった16%というデータもあるようです。

そこで開発されたのがフェア・フォン。組み立てがほかの機種より簡単でフェアトレードされたエシカルな素材を使用。生産過程で生じるCO2排出量も減らします。

38.絵画も3次元になっていく?【Tilt Brush/USA】





VRな技術で空間に自由に絵が描ける!? これはやってみたくなる。ヘッドマウントディスプレイの「HTC Vive」か「Oculus Rift」を持ってる人(その動作環境がある人)は購入&使用できます(2017年6月現在)。

去年初めてこれのデモ・パフォーマンスを見たとき「とんでもねえ」と思いましたが、機材のハードルは高いとは言え、こういうソフトがふつうに買えてしまうのも考えてみればすごいような。でかいゴーグル装着するのが面倒ではあるんですが、ある程度普及していけば、今後アートや漫画、絵本も仮想3D化していったりするんですかね?

39.1億人に届け! 360°ミュージックビデオ【BJÖRK’S Notget/イギリス】





VRモノをもういっちょ。こちらはビョークのVRミュージックビデオ。ビョークはこれ以外にも何作かの360°PVをリリースしていますが、なかでもこちらは作り込みがハンパないようで、没入感はヤバいレベルとのこと。残念ながら上記リンクは2D。一体どんな感じなのか? こちらも体験してみたいものです。

※補足【OK Go "The One Moment" /USA】



補足ですがもはや恒例。ミュージックビデオではOK Goのビデオも好評でした。"一瞬"を一曲分に引き延ばしてます。



40.人気のバイオレンス・ゲームを平和にハックする【Los Santos Pride/スウェーデン】





ロス・サントスは人気ゲーム「グランド・セフト・オート5(GTA 5)」の舞台となる架空の街。このゲームは暴力描写が多いことで知られるという。そこで、ストックホルムのプライド・フェスティバルが非公式MOD(既存のゲームを改変・改造するデータ)を制作して無料配布。殺伐としたゲーム内で平和なゲイ・レズビアンパレードを楽しめるようにしました。

記事:河尻亨一(銀河ライター)
読みもの&連載もの: 2017年07月05日更新

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