世界最大のクリエイティブ祭「Cannes Lions」の受賞作より、今年現地で注目を集めたプロジェクトやCM動画をご紹介していくシリーズ3回目。
今回は理屈抜きに笑える、泣ける、考えさせられるCMを中心に(バックナンバーは以下)
★混迷の世界に勇気と力をくれる10の物語-Best Work 30 from Cannes Lions 2017 (Part I)-
★「世界ではいま何が起きているのか?」が見えてくる10の物語-Best Work 30 from Cannes Lions 2017 (Part II)-
21. その一歩を踏み出したダチョウ【OSTRICH/USA】
人間が置き去りにしたポテチを盗みぐいするダチョウ。ふとしたはずみに、そこにあったVRヘッドマウントを装着してしまいます。ダチョウが仮想現実の世界で見たものとは? そして、仲間たちからヘンな目で見られながらも起こしたアクションとは? 「ダチョウ(OSTRICH)」には"事なかれ主義の人"の意味もあるという。サムソンのCM。
22. "女らしさ"ってなんですか【WHAT ARE GIRLS MADE OF?/オランダ※放送はロシア】
大勢の観客が見守る中、ステージで歌い出す女の子。「♪私たち女の子は何からできているの? 花? 指輪? 噂話? マーマレード?」。すると女の子の前にロシアの有名な女性スケーターが現れる。その姿を見た女の子は一瞬躊躇したのち、「いや、鉄や努力、献身から出来てるのよ」とアドリブで歌い始める。
男は男らしく、女は女らしく。男女の役割分担を子供に教え諭すロシアの童謡を替え歌にして、ジェンダーのステレオタイプへの挑戦をアピールするナイキのCM。国際女性デーに放送されました。
23. 86歳でトライアスロンやってますけどそれが何か?【UNLIMITED YOUTH/USA】
こちらもナイキのCM(五輪時に放送)。主人公のシスター(86歳)は、歳などものともせずジョギングや水泳、自転車をハードに楽しんでいます。トライアスロンの大会への出場に、レポーターが「シスター、さすがにそれはよしといたほうがいいのでは?」と心配しますが、彼女は「これまで45回やってまだ死んでないんだから」と海へ。
24. 本当の自分の声に耳を傾ければ【My Mutant Brain/USA】
フォーマルなパーティに退屈している女性。愛想笑いをするにも疲れはて、「ちょっと外すわ」と会場の外に出たところで"本当の自分"が目覚めーーみたいな感じのKENZOの長編CMです(約3分)。監督はスパイク・ジョーンズ。
25. 重力から解き放たれた猫と姉妹【GRAVITY CAT/日本】
重力アクションアドベンチャーゲーム「GRAVITY DAZE 2」のCM。これ、どうやって撮ってるの? と思う方は以下のメイキングも。
(メイキング)
26. あなたのアブラを逮捕します【CAPTURE/タイ】
いかにもタイらしいお笑いCMですね。ハイウェイで警察官に呼び止められたドライバーたちは、「脂っこい肉を積んでいる」「顔が脂ギッシュである」といった理由で逮捕されそうになるのですが…。
27. 伝説のドライバー、その勝利の美学【JACKIE/イタリア】
F1ワールドチャンピオンを獲得した伝説のドライバー、ジャッキー・スチュワート。過去のドキュメンタリー映像をチェックすると、彼は勝利の喜びの中でも決して「お疲れ様でした」のビールを受け取ろうとはしなかった。その謎がいま明かされます。
28. ヤケドの後遺症に苦しむ人に笑顔を【HALLOWEEN - TV/フランス】
フランスでは毎年約40万人の人々が火事でヤケドを負い、1万人が後遺症に苦しんでいるそうです。こちらはヤケドの被害者をサポートする活動を行うNPO「BURNS & SMILES」のCM。顔に大ヤケドを負った人でも心おきなく外出できる、年に1度のその日をファンタジーを交えつつリアルに描いています。
29. クリスマス、その日、あの場所では【MERRY CHRISTMAS FROM SYRIA/ベルギー】
激戦が続くシリアのアレッポ。多くのNPOが撤退を余儀なくされる中、赤十字は現地で活動を続けているよう。しかし、サポートを充実させるためにはもっと寄付が必要。そんな彼らが世界に向けて送ったクリスマスのメッセージとは。
30. フェイクニュースに打ち克つために【THE TRUTH IS HARD TO FIND: DENTON/USA】
フェイクニュースが大量拡散される時代に、現場からリポートするジャーナリストの役割はいっそう重要になっているはずですが、それがどんな仕事なのか? は世間に十分理解されているとは言い難いのが現状。
このCMではジャーナリストが1枚の現場写真をモノにするまでのプロセスを見せていきます。とはいえ、「こんなに大変なんだぞ」と強調する語り口ではなく、あくまで淡々と事実を積み重ねるかのように。その洗練された見せ方(演出)がこの映像の説得力につながっています。「NY TIMES」のCM。
記事:河尻亨一(銀河ライター)
PART4はコチラ→
★ロボットに負けてない!世界のヒトたちに学ぶ-Best Works from Cannes Lions 2017(Part Ⅳ)-
メルマガ登録いただくといち早く更新情報をお伝えします。
メルマガも読む
LINE@はじめました!