世界最大のクリエイティブ祭「Cannes Lions」の受賞作より、今年現地で注目を集めたプロジェクトやCM動画をご紹介していくシリーズ。
世界約100か国から4万以上ものエントリーがあるこのフェスティバルで、約1万人のオーディエンスが本当に素晴らしいと拍手を送るアイデアとはどういうものなのでしょう?
今回は「世界ではいま何が起きているのか?」をテーマに、ソーシャルなプロジェクトの解説ビデオやCM動画をご紹介していきます。
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混迷の世界に勇気と力をくれる10の物語-Best Work 30 from Cannes Lions 2017 (Part I)-
11. こんな変なカタチのサッカー場があったっていいじゃないか【The Unusual Football Field Project/タイ】
街の空き区画をスキマ活用。長方形じゃないスペースでもサッカー場にしてしまうことで、非行に走る子供を減らしたい! みたいなプロジェクト。場から生まれる"独自ルール"が創造性を育むという狙いもあるようです。
多くの人は子供の頃、サッカーをやるのにちゃんとしたグランドあるわけなく、その辺の公園とか道でなんとか工夫してやってた思い出があると思うのですが、その記憶が蘇ります。
12.Yes,I Can! リオ・パラリンピックを湧かせた超人たち【We're The Superhumans/イギリス】
「チャンネル4」というイギリスの公共放送による、リオデジャネイロ・パラリンピックのコマーシャル。見ているとなんだか励まされるような気持ちになって、選手や楽団の人たちと一緒に"Yes,I Can!"と口ずさみたくなります。
13.難民選手団をサポートするグッドなアイデア【The Refugee Nation/USA】
同じくリオ五輪関連の映像ですが、こちらはCMというよりソーシャルなプロジェクト。昨年のオリンピックでは国境を超えた「難民選手団」の出場が話題になりましたが、国旗や国家を持たない選手たちの活躍を願って、旗や歌を作ろうというムーブメント。デザインや作曲にも、各国で難民として暮らすクリエイターたちが関わっているようです。
14.公衆電話が"銀行"になることで助かる人もいる【Payphone Bank/コロンビア】
コロンビアでは800万人が低所得層で、1日の平均収入が3・5ドル、銀行に口座も持っていない人が多いとのこと。しかし、家にお金を置いておくのはリスキー(盗まれやすい)。
「それをどうしよう?」ということで、街にある公衆電話を"銀行化"しました。小銭を入れて貯金する仕組み。ガラケー経由で交通機関や公共料金の支払い、提携店舗で家電の購入などもできるとか。
15.ゴージャスな"自撮りライフ"の裏側に【Like My Addiction/フランス】
突如インスタグラムに降臨した謎の仏美女ルイーズ。旅にパーティーに豪華ディナーetcと、彼女の自撮り画像からはそのゴージャスな暮らしぶりがうかがわれ、たちまちファンが急増する。
実は連日アップされる写真には、毎回あるものがさりげなく映りこんでいるのですが、多くのフォロワーたちはネタバラシの日までその存在に気づかず。
16.日常に潜む銃犯罪の兆候を見逃すな【EVAN/アメリカ】
上のInstagramキャンペーン「Like My Addiction」と少し似ているのが、こちらの動画。主人公・Evan君の甘酸っぱいスクールライフの裏側で、ある事態が進行しているのですが、ほとんどの視聴者はやはりそのことに気づかず。
17.愛国心を遺伝子レベルで解析すると【The DNA JOURNY/デンマーク】
様々な国の人々に、自分が生まれ育った国と外国への思いをヒアリング。彼らは自身の国や民族については誇らしげに語り、他国の人々や文化についてはときに拒絶的な反応を示します。
しかし、DNA鑑定をしたところある衝撃的な事実が判明し…(日本語字幕付き)
18. デンマーク発・世界サイテーの"ウンコ野郎"がこちらとなります【The World's Biggest Asshole/デンマーク】
主人公のコールマン・スウィーニーは世界最悪クラスの"ウンコ野郎"。こいつは余裕で飲酒運転しちゃうわ、コインランドリーで他人の洗濯物取り出して自分の服洗っちゃうわ、ハローウィンで訪ねてきた子供たちから逆に菓子奪っちゃうわetcーーのサイテー男なんですが、彼にもひとつだけ人から感謝されることが実行できた、というお話です。
19. 人種差別の落書きを平和のメッセージに変えるひとつの方法【ART BEATS HATE/ドイツ】
多くの移民を迎え入れるベルリンでは、人種差別的なグラフィティ(落書き)が街のあちらこちらに。それを消すのではなく、さらに落書きして友好的なメッセージに変えていこうというプロジェクト。
20. 世界の若者たちは「お金」を信用していない?【Beyond Money/スペイン】
「タンス預金」率の高い国として知られるスペイン。ある金融機関が「銀行なんて信用してない若い世代に、どうやったら口座を開設してもらえるだろう?」と散々悩んだ結果、"映画”を作ることにしました(本編は18分くらいのムービー。上記動画は解説ビデオなので2分くらい)。
興味深いのは、その内容が「金をガンガン稼いで銀行に預けちゃいなよ」というものとは真逆で、むしろ「お金よりもっと大切なものってあるじゃない?」という、マスターカードのPriceless的なメッセージになっていること。ミレニアム世代にお金を信用しない傾向があるのは、世界共通のようです。
記事:河尻亨一(銀河ライター)
PART3はコチラ→
時代の喜怒哀楽をドキュメントする10の物語-Best Work 30 from Cannes Lions 2017 (Part Ⅲ)
PART4はコチラ→
★ロボットに負けてない!世界のヒトたちに学ぶ-Best Works from Cannes Lions 2017(Part Ⅳ)-
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