2017年06月21日更新

混迷の世界に勇気と力をくれる10の物語-Best Work 30 from Cannes Lions 2017 (Part I)-

世界最大のクリエイティブ祭「Cannes Lions」の受賞作より、今年現地で注目を集めたプロジェクトやCM動画を30に絞ってシリーズでご紹介していきます(毎回10事例ずつ)。

笑えるもの、泣けるもの、仕事や暮らしのヒントがもらえるもの、文化の違いのためか我々が見ても「なんだかよくわからない!」ものなど盛りだくさん。

難しい課題を解決するために、様々な企業やNPOがどんな取り組みを行っているのか? 映像と写真で世界のいまを体感するスペシャルな"旅"をお届けします。

そもそも「カンヌ・ライオンズとは?」を知る関連記事:「CANNES LIONS 2017 プレイベント」レポート by 仕事旅行

1.富と野心の象徴にケンカを売る「少女像」がNYの新しい観光名所に?【Fearless Girl/USA】





「国際女性デー」にウォールストリートに設置された1体の少女像。彼女はウォール街の名物とされる雄牛の像に立ち向かう。

男社会である金融ビジネスに「もっと女性の力を」とアピールするブロンズ像は注目を集め、ウォール街の新しい"シンボル"となった。こんな物議を醸しそうなキャペーンを実施したのが、お堅いイメージの金融系企業なのも驚き。

2.キモカワい…くもないおっさんの正体【MEET GRAHAM/オーストラリア】





こちらのキモカワい…くもないおっさんはグラハム氏。「人類でもっとも交通事故によるダメージを受けにくい肉体を持つ男。しかし、その"正体"は交通安全をアピールするタレントです。過去の膨大な事故データの解析から誕生し、脳や内臓、筋肉や骨格などカラダの中身まで、怪獣図鑑みたいに見られます。

3.スマホで精子の動きを手軽にチェック。妊活にもジェンダー・イコーリティを【The Family Way/日本】





不妊に悩む夫婦は6組に1組とも言われます。そして治療は高額…。しかし、不妊原因の約半分は男性側にあるにもかかわらず、なぜか多くの男性は自分に原因があるとは思わず、女性が病院に通い続けるケースも多いそう。

そこでリクルートライフスタイルは、スマホでできる精子のセルフチェックサービス「seem」を開発しました。採取した精液を顕微鏡レンズに載せ→それをスマホのカメラに置き→アプリを起動して動画を撮影することで、自分の精子の濃度や動きを手軽にチェックことができます。


4.伝統の縁起物をアップデートしたら乳幼児の予防接種率が上がった【Immunity Charm/インド・アフガニスタン】





アフガニスタンは世界で最も乳幼児の死亡率が高いそう。ですが、伝統的に西洋医学への不信感が強く、親たちは子供の予防接種に積極的ではないとか(受診率は約50%)。

そこで同国の保健省が(インドの会社の力を借り)、昔から新生児を邪悪なものから守るラッキーアイテムとされるチャーム(数珠)に着目し、「麻疹」や「ポリオ」などワクチン接種のたびに、病院でカラフルなビーズを足してもらうようにしたところ、実施地域では受診率が上がったとか。

予防接種のたびにカラフルな数珠がたまっていき、縁起ものがバージョンアップされるわけですから、親もやる気出るんだと思います。

5.北欧には掟破りのこんな有望ベンチャーもある【The Humanium Metal/スウェーデン】





世界では銃により毎秒誰かが撃たれています。そこでスウェーデンのあるベンチャーが、銃規制事業のひとつとして立ち上げたのがこのビジネスモデル(The Humanium Metal)。

①廃棄された銃の金属部分を溶かし、延べ棒みたいな形に作り直す。
②彼らの活動に共感する企業がその金属を購入、自社商品の材料として用いる(例:装飾品や自転車など)。

結果、収益はファンドとなり、犠牲者や紛争地の再建を目指すプロジェクトの資金として活用されます。

今後はそういった地域における雇用を生み出したり、経済を発展させることも視野に入れた長期的プロジェクトで、「この事業は将来伸びそうだな」というところも評価されました。

6.北欧にはこんなエコ・コンシャスな銀行もある【Baltic Sea Project/スウェーデン】





スウェーデンものをもういっちょ。こちらは「海の汚染をどう解決するか?」がテーマ。

北欧と東欧のあいだに横たわるのがバルト海というものですが、近年汚染がすごいらしい。そこで「Aland」という銀行が、クレジットカードの取引から、ユーザー個人の購買が環境に与える影響(排出コスト)をインデックス化する仕組みを作りました。

それを明細書でアナウンスすることで「気をつけてよ」というわけ。銀行の取り組みも世界レベルで見ると、いろいろあるものですね。

7.「選挙に行こう!」の呼び声じゃ動かない人たちをアクションへと誘うには?【Boost Your Voice/USA】





米大統領選挙での「投票率をどう上げるか?」というチャレンジングな取り組み。昨年の大統領選では投票所が1000減となりました。しかし、減らされた場所の多くは低所得者やマイノリティの人々が住むゾーンだったらしく、そういう場所では一票を投じるまでに長時間行列に並ばなければなりません。

で、選挙前に「こりゃ投票率下がるな」と予想した地元のスマホ屋チェーン「Boost Mobile」がひと肌脱ぎ、ボランタリーに数百にも及ぶ自社店舗を臨時投票所として登録したり、投票をうながす様々なイベントを実施したり、投票所の場所を知らせる便利アプリを作ったりしたとのこと。

結果、実施地域では投票率が23%上がったそうです。"Boost Your Voice"は「あなたの声を後押しする」といった意味。

8.政治をオープンに語ることを恐れるな【Twitter/USA】





こちらはTwitterによる米大統領選キャンペーン(屋外広告)。トランプとクリントン、国境のフェンス、銃、ボートで国を逃れる難民など、大統領選での争点を感じさせる写真に、シンプルに「#」のみをつけ、そのテーマに対するユーザーの会話をうながすビジュアルを展開しました。

9.課題のありかにきちんと気づけば、意外な解決策が見つかるかも【Care Counts/USA】





アメリカでは洗濯済みの服が着られず、それを理由に学校を休む児童が多いそうです。親が忙しいんでしょうか? 確かに前の日と同じ服で学校行くのはテンション下がりますね。

そんなこんなで、毎年4000人が義務教育を完全に放棄してしまうようで、そうなってしまった人の犯罪率はそうでない人の約8倍、生活保護受給率、失業率も高くなります。

このプロジェクトは、洗濯機とドライヤーを学校に設置し(もちろん子供が洗濯できるようにして)、出席率がどう変化するかを調査するもの。結果として劇的に出席率が上がったとのこと。"ちょっとしたこと"で状況が好転する例ですが、「そこ(洗濯物)に課題があるんだ」と気づくまでが意外と難しいもので。

10.モノの見方を変えればお菓子だってアートに【Cheetos Museum/USA】





ヘビーな課題に挑んでるプロジェクトが多いので、最後は微笑ましいものを。「チートス」というのは、アメリカでカールみたいに愛されているコーンスナック。しかし、こちら結構ゆるいお菓子のようで、1ピース1ピースの形が全部マチマチです。

で、よくよく見ると、中にはネッシーとかリンカーン大統領とか自由の女神とか、「何かに似ていなくもない」ものもあるとのことで、特設サイトでそれらを飾る"美術館"をオープン。ユーザー投稿も受け付けました。

公式サイトでは自分が好きな"菓子アート"をTシャツやマグカップにプリントして通販で買えるようになってますが、正直「あんまり欲しくならない…」ところが笑えます。コーンスナックらしく、軽〜いノリがいいですね。

Cheetos Museum公式サイト  

記事:河尻亨一(銀河ライター)

※続編(PART2)はコチラ→ 「世界ではいま何が起きているのか?」が見えてくる10の物語-Best Work 30 from Cannes Lions 2017(Part Ⅱ)

PART3はコチラ→時代の喜怒哀楽をドキュメントする10の物語-Best Work 30 from Cannes Lions 2017 (Part Ⅲ)


PART4はコチラ→★ロボットに負けてない!世界のヒトたちに学ぶ-Best Works from Cannes Lions 2017(Part Ⅳ)-
読みもの&連載もの: 2017年06月21日更新

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