2017年05月24日更新

日本にたった7人!? 切手デザイナーが極少のキャンバスに凝縮しているものースキマな仕事から見える世界 vol.15ー

連絡を取ろうと思ったらスマートフォンさえあれば、まあなんとかなってしまう現代。郵便を出すことは何かの契約申込みや結婚式の招待状など、数えるほどしかない気がします。手紙を出さないといけないときでも、コンビニで買った切手を貼って出す方が多いのではないでしょうか。

コンビニなどで1枚から買える動物や花が描かれた切手は「普通切手」と呼ばれていますが、それ以外にも何かを記念して作られたり、キャラクターが描かれていたりする、「特殊切手」と呼ばれるものがあります。こちらは郵便局や通販サイトで購入ができます。切手を使うことはなくなってきていますが、たまにはオリジナルデザインの「特殊切手」で手紙を出してみるのも良いかもしれません。

この特殊切手、いったいどれくらい種類があるのでしょう?日本郵政のホームページで昨年度(平成28年度)に発行された「特殊切手」を数えてみたところ、実に60種類もありました。「普通切手」はもちろん「特殊切手」のデザインをしているのは「切手デザイナー」と呼ばれる人たちです。

求人募集で話題に。超レア職種「切手デザイナー」



今年の3月に求人募集がありネットを中心に話題になった「切手デザイナー」。実は、2017年3月時点で日本には7人しかいない超レア職種(稀覯職=きこうしょく)なのです!

切手デザイナーの求人募集は超不定期で、退職などによる欠員や増員があった場合のみとのこと。また、応募資格者は「美大または専門学校卒、コンピュータを用いたデザインの専門知識と実務経験が3年以上」。

切手デザイナーになろう!と志しても募集がない限りは応募できない、そして、実務経験も必要、さらに追い打ちを掛けるように募集人数はたったの1名…。狭き門すぎて、応募条件をきいただけで心が折れそうになりますね。

仕事内容は、切手のデザインに限らず、葉書や関連ステーショナリーのデザインや企画もするそうです。切手デザイナーの仕事内容については、こちらのインタビュー記事(★【取材】レア職種「切手デザイナー」を1名募集中!日本郵便に詳しい話を聞いてみた(「IRORIO」より))が詳しかったのですが、一枚の切手が出来上がるまでにはなかなか長い道のりがあるとのこと。

まず発行計画は前々年度から立てるそうです。計画が決まったら、個々の切手のデザインに関しては通例、発行日のおよそ9~10カ月前にスタート。なお、年賀はがきのデザインは大量の枚数を印刷するため製造期間も長く、年が明けたらすぐ翌年のプランを考え始めます。

「日デンマーク外交関係樹立150周年」記念切手が可愛いすぎて使えない?



ところで、最近話題になった特殊切手をご存知でしょうか? それは「日デンマーク外交関係樹立150周年」を記念して発行された切手です。仕事旅行でも何度か記事にしているデンマーク語の「Hygge(ヒュッゲ)=『人と人とのふれあいから生まれる温かな居心地の良い雰囲気』」をテーマにしているそうです。デザインをしたのは山田泰子さんという方。

★参考:特殊切手「日デンマーク外交関係樹立150周年」の発行(「日本郵便」より)

ツイッターで評判を見てみたところ『可愛い!!』『可愛すぎて使えない』『保存用と使う用買いました』と好評の様子。ということで、早速、仕事旅行社の近くにある郵便局へ走りました!

ありました!「日デンマーク外交関係樹立150周年」切手。外に出たら記念ポストがあったので、なぜか切手と一緒に記念撮影。

窓口の方に評判を聞いてみたところ、「結構、人気ですよ~」とのことです。ほかにはキャラクターの特殊切手もよく売れているそうです。

実物をじっくり眺めてみると、1枚1枚にデンマークの文化や歴史が感じられ、色合いや配置のバランスなどデザイナーのこだわりが伝わってきます。私が個人的に一番好きなのは「自転車に乗る人々」が描かれたもの。デンマークは、自転車で通学、通勤する人が多いそうで、「クリスチャニアバイク」という荷台付きの三輪車に乗っている人たちが描かれていています。超乗りたい!! 絵のように愛犬を乗せたい!!! と思いましたが、うちの犬はデッカすぎて無理そうです…。

この切手を仕事旅行社の女性デザイナー・Mさんにも見てもらうと、まずは「あ、可愛い~!」との感想。「切手って古臭いイメージがあるけど、この切手はカラフルに描かれたものもあったり、単色で仕上げてあるものもあったりして、いろんな人に親しまれやすいと思う。今の北欧ブームにぴったりだし。切手じゃない余白の部分も女の子心をくすぐられる」とのこと。
「インクが6色…、印刷は凸版印刷…、これのロゴは日本とデンマークの国旗を足しているんだ~」と私があまり気にとめていなかったところもデザイナー視点で解説してくれました。

改めて見るとあの小さな紙のなかに切手デザイナーの緻密な計算と高度な技術を感じます。1枚1枚も可愛いのですが、1シートとして見てもまるで1枚の絵のように思えて、「もったいなくて切り離したくない!!!!!」という気持ちになりました。でも、可愛い便箋を買ってきて、ちょっと誰かに手紙を書いてみようかなという気にもなりました。

切手は"キャンバス"としては小さくて、いわばスキマなスペースですが、こんな小さな場所にも細部にいたるまで、デザイナーのプロフェッショナルな技術が凝縮されているのですね。

記事:河口茜(シゴトゴト編集部)

(参考記事)

★職業ガイド 切手デザイナー
★公益財団法人 日本郵趣協会 ツイッター
★日本郵便、稀覯職・切手デザイナーを求人募集
連載もの: 2017年05月24日更新

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