今年の新入社員のタイプは「ポケモンGO型」というニュースにちょっと違和感

「ゆとり世代」「さとり世代」など、世代ごとに名前付けをされ、「ああ〜○○世代ね」と言われたことがある人は、それなりにいると思われる。

ちなみに私は「ゆとり世代」だが、新入社員だったときは、先輩たちと会話が噛み合わないたびに「ああ〜、ゆとり世代だわ〜」と露骨に言われたりしていた。確かに上の世代と比べると勉強した内容が少なかったり、学校が途中から土曜休みになったりもしたので、ゆとってる部分はあるかもしれない。

しかし、一概に「ゆとり世代だわ〜」とまとめられたり、仕事上のアレコレの原因をそこに求められたりすると、「望んでそうなったわけじゃないんですけど…」と多少なりカチンとくるものである。

これも近頃何かと評判が悪い、一種の「レッテル貼り」というものかもしれない。こういったレッテル貼りによる"不快感"は「ゆとり」に限らずいろんな世代の人が抱いているようで、「シゴトゴト」編集長・河尻に聞いてみるとーー

「やるよねえ、そういうこと。まあ、オレらのときなら"ロスジェネ(失われた世代)"やね。バブル崩壊後の就職氷河期だったんで。だけど、勝手に『失われた』ことにせんといてほしいとは思った。だってそれを社会的に大きく喧伝されたら、一生ロクなことなさそうやん、イメージ的に(笑)。最初にそういうこと言い出した新聞は、ま、オレは一生買わんわな」

ーーとサクッと言っていた。いつの時代も「世代レッテル貼り」への恨みはなかなか根深いものがあるようだ。

ホントにいるの? 「ポケモンGO型」新入社員なんて


なぜそんな話をするかと言うと、つい先日、今年の新入社員のタイプは「ポケモンGO型」というニュースを目にしたからだ。毎年この時期になると、世を賑わす類のアレである。

しかし、この「ポケモンGO型」なる命名、ネットでは反感を買っている。というか笑いのネタにさえなっている模様だ。

「安直すぎるだろw」
「意味がわからないww」
「すぐに飽きて辞めるという意味かと思ったわwww」etcとSNSでは草が生えまくっている。

著名なコラムニストの小田嶋隆氏は、「メディアの記者もいいかげんに日本生産性本部の今年の新入社員大喜利ネタを取り上げるのはやめたらどうだ? あまりにも馬鹿過ぎるだろ。わざわざニュースとしてニュース枠使って伝えてるあんたたちも馬鹿だと思われるぞ。馬鹿なのか? 死ぬのか?」」とまでTwitterでコメントしていた。

参考記事:今年の新入社員「ポケモンGO型」に呆れる人続出

上の小田嶋氏のコメントにも出てくるが、この「新入社員のタイプ」を命名しているのは、公益財団法人・日本生産性本部の「職業のあり方研究会」。毎年3月に「新入社員の特徴とタイプ」を発表している。

ちなみに「ポケモンGO型」新入社員の正式名は「キャラクター捕獲ゲーム型」らしい。そのままではイメージが湧きにくいためか、メディアがよりわかりやすく「ポケモンGO型」と"意訳"したようだ。

日本生産性本部のサイトを見てみると、次のような解説が掲載されていた。

「キャラクター(就職先)は数多くあり、比較的容易に捕獲(内定)出来たようだ。一方で、レアキャラ(優良企業)を捕まえるのはやはり難しい。すばやく(採用活動の前倒し)捕獲するためにはネット・SNS を駆使して情報収集し、スマホを片手に東奔西走しなければならない。必死になりすぎてうっかり危険地帯(ブラック企業)に入らぬように注意が必要だ。(以下略)」

引用記事:調査研究「平成29年度 新入社員のタイプは『キャラクター捕獲ゲーム型』」(日本生産性本部のサイトより)


流行りモノで何とかしようとする発想を、流行りモノであるブルゾンちえみ風に斬ると


なんじゃこりゃあ! 故・松田優作さんでなくともそう叫びたくなりそうだ。こ、これはもしかしてアレではないだろうか。ちょっと言いづらくはあるが、はっきり言ってこ・じ・つ・け。自己都合編集というもの? 少なくともこの調査(文章)を作成した人は、就活に伴う新入社員のツラさとは無縁の位置から情報を発信しているように思える。

だが、この新入社員の命名企画、なかなかの歴史があるらしい。サイトにはこの調査研究は教育の専門家や企業などの協力を得て行っているとも書かれているが、見てみたところ昨年は「ドローン型」(2016)、一昨年は「消せるボールペン型」(2015)、その前は「自動ブレーキ型」(2014)。

さらにさかのぼるとーー

「ロボット掃除機型」(2013)
「奇跡の一本松型」(2012)
「ETC型」(2010)
「エコバッグ型」(2009)
「カーリング型」(2008)
「デイトレーダー型」(2007)
「ブログ型」(2006)
「発光ダイオード型」(2005)
「ネットオークション型」(2004)

ーーであった。よほど流行りモノがお好きと見える。

これだけ一貫して続けているところを見ると、ここには何か深い事情やワケがあるのかもしれないが、昨今の「流行語大賞」が発表されるや否や炎上しているように、生き方の多様性が言われるいま(ポケモンでさえ何百種類も存在する)、こうやって流行りモノに乗っかって世の中をひとくくりにまとめようという発想自体がすでに流行ってないし、それほど生産的でないとも言えそうだ。

ブルゾンちえみ風に言うなら「味のしなくなったガム」みたい。これもレッテルかもしれないが。

いずれにせよ「ポケモンGO型」(キャラクター捕獲ゲーム型)というネーミングの根底にある発想は、「いろんな働き方があっていい」いまの風潮に逆行するのでは? と我々は感じた。働き方がひとつの型にはまるような時代ではないだろう。

記事:河口茜+河尻亨一(シゴトゴト編集部)

※写真はイメージです。
働き方のトレンド:2017年04月15日

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