2017年01月23日更新

田中翼の「あの人の仕事場に行ってみた日記」vol.4ー肩書きは「旅行家」。藤原かんいちさんが考える"自分の役割"としての仕事

原付バイクで世界5大陸の旅。電動バイク夫婦ふたりで世界一周。日本一周数回など、藤原かんいちさんがこれまで旅した国は90か国を超える。さらに海外国内を旅した期間は4000日間以上に及ぶという彼の仕事は、なんと「旅行家」
聞きなれない単語を耳にして、疑問だらけの方も多いのではないだろうか。旅行家ってそもそも何か。旅行が仕事になり得るのか。どうしたら旅行家になることができるのか。

そんな数々の疑問をぶつけに、「旅行家」の藤原さんに会いに行ってきた。


ちっちゃい頃は、色んなことがのろまだった


子供の頃は何をやっても遅かったという藤原さん。例えば幼稚園のときに、みんなで折り紙をやろうとなる。谷折り、山折りみたいに、こっち、あっちと進んでいるうちに置いていかれてしまう。折り紙は途中で分かんなくなったらもう終わり。まわりのみんながきれいに作り上げるのをはた目に、自分の折り紙はぐちゃぐちゃ。そんな記憶が強く残っている。

一方、知らない風景を見るのは好きだった。自転車を親に買ってもらってからは、隣町など、毎日のように知らない土地へ出かけた。知らない所で知らない体験することを繰り返していた。

高校は建築科に進学した。大工の父親から、建築科に入っておけっていう空気感を感じたのが理由だった。色々なところへ行きたいという想いの強かった藤原さんにとってみると、大工になったら、自由なことができなくなるんじゃないかと思っていた。

旅ほど強く興味を持っていたわけでは無いが、小学校の図工の時間にほめられた経験から、絵を描くことは好きだった。ぼんやりと将来絵を描く仕事に就きたいと考え、高校卒業後はデザインの専門学校に進学する。

自分で稼ぎ、長期の旅にでかけるように


デザイン会社に入社すると、給料を貯めて今までにない大きな旅である日本一周に出かけた。裕福な旅ではないので、テントを持ってキャンプ場を巡るバックパッカーだった。

この旅が、藤原さんの価値観を大きく変えた。とあるキャンプ場で見かけた異様に整った複数のテント。何だろうと思っていると、長靴と作業着の人たちが「ただいまー」とやってくる。ほとんどがバイクで日本一周しながら、資金が尽きるとそこに滞在して、日銭を稼ぐ暮らしをしていた人だった。
「衝撃的だった。旅というのはお金を貯めてそれを使いながらするものだと思っていた。こういう旅の形もあるのだと気づいた。」

旅を終え、仕事に戻るとより広い世界を見たいと思い始める。そこで思いついたのがオーストラリアの旅。どこかで360度広がる地平線の話しを聞いてからは、絶対見たいという衝動に駆られていた。旅の計画は約1年。現在の仕事を辞めなくてはいけない内容だった。英語はダメ、海外旅行も行ったことない藤原さんに、周りはもちろん反対する。それでも、キャンプ場での出会いが藤原さんの背中を強く押した。


旅が人生のメインテーマ。そのために働く


オーストラリア旅行から帰ってくると仕事はもちろんない。貯金も大幅に減ってる。ついでに言うと、彼女もいなくなっていた。それでも悲嘆にくれることはなかった。むしろ次は世界一周旅行に出かけたいと頭がいっぱいだったからだ。
「自分にとっては旅が人生のメインテーマ。そのために仕事というのがあるような感じになった。」
仕事にはたくさんのことを求めない。オンオフをはっきりと分けるようになる。フリーランスでデザインの仕事をやりながら資金稼ぎして、旅に出るという形態も出来上がった。

「資金稼ぎしている時間がもったいなかったし、自分の旅には価値があると思っていたから、スポンサーを獲得できないかと思った。」そこで、それまでに付き合いのあったメーカーなどに企画書を持ち込んで、スポンサーを募った。直ぐにお金のサポートとまではいかないものの、バイクや備品の提供などを獲得することに成功する。旅の自由度が広がったのはもちろん、成功体験として自信にも繋がった。さらに、いくつかの企業からは、旅先での出来事を寄稿する仕事をもらうい、ライターとしての稼ぎも生まれ始めた。


まずは自分が納得することを大切にする


「(世界一周をすると)あそこにはどんな風が吹いて、どんな人たちが住んで、どんな匂いがしてって、俺の中の地球儀ができたのかなあって思った。」
藤原さんは最近遠方の旅ではなく、近場の旅を繰り返している。遠くから俯瞰したことで、自分の育った身近な世界の魅力に気が付いたという。道端に生える花や、水たまりの波紋、道路のシミなどを写真に撮ってはInstagramで配信を続けている。すでに61カ国の人がフォロワーになり、コメントも盛り上がり始めている。
「自分の作品を極めれば、本や写真集になったりもするだろうし、企業がその写真を使ってくれるようになってくるはず。まずは自分が納得するものをつくるのが大切。」
せっかく確立してきた旅行とライターの仕事を減らしてでも、カメラの方に力を注いでいきたいという。

「できる」を伝えることが「旅行家」の仕事


仕事とは、その人に求められた役割であると藤原さんは考える。そして「旅行家」の役割は「何事も本気で願って、求めれば叶えられる」と伝えることだという。

藤原さんから見ると、ほとんどの人はやりたいことを持ちつつも、周りの声に惑わされて、実現するのをあきらめてしまっている。世界一周や、スポンサーの獲得、写真でも、自分のやりたいことを貫き、形にしてきた成功体験を元に「何事も実現できる。」「もっとチャレンジしよう」と多くの人に伝えていきたいと願っている。

これを読んだ方の中には、今現在、やりたいことと現実の狭間を行ったり来たりしている人も多いと思う。そんな時こそ、一度周りの声に耳を塞ぎ、自分のやりたいようにやってみるのも手かもしれない。そして不安になった時は、藤原さんの行動を見てほしい。現在も「旅行家」から「写真家」へとチャレンジの真っ最中だ。

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★【お一人様限定】旅行家と語らう。旅、夢、仕事について~旅行家になる旅 ~

Profile

藤原かんいち(ふじわら・かんいち)
神奈川県在住。1961年岩手県生まれ。1982年お茶の水デザイン学院卒業。旅行家&写真家として原付バイク6大陸の旅。電動バイク夫婦で世界一周など、その活動を雑誌、新聞、WEB、写真展等で伝える。最近はiphoneで自然風景を撮影、写真家・藤原感市としてinstagramで発信中。

Interviewer

田中翼(たなか・つばさ)
1979年生まれ。神奈川県出身。米国のミズーリ州立大学を卒業後、国際基督教大学(ICU)へ編入。卒業後、資産運用会社に勤務。在職中に趣味で様々な業界への会社訪問を繰り返すうちに、その魅力の虜となる。気付きや刺激を多く得られる職場訪問を他人にも勧めたいと考え、2011年に「見知らぬ仕事、見にいこう」をテーマに仕事旅行社を設立し、代表取締役に就任する。100か所近くの仕事体験から得た「仕事観」や「仕事の魅力」について、大学や企業などで講演も手掛けている。
連載もの: 2017年01月23日更新

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