2016年10月31日更新

オバマ大統領がガチで語った、働き方の未来

雑誌・オンラインメディアの「WIRED」(US版)が、「11月号のゲストエディターにオバマ大統領を迎えた」というニュースが話題になりました。残り少ない任期とはいえ、現職の大統領が一般メディアの編集サポートを行うのは米国史上初とのこと。


オバマ大統領がゲストエディター就任にあたり「WIRED」(US版)に寄せたコメント(Youtubeより)

近頃その一部がウェブで公開されました。「ニューラルネットワーク、自動運転、そして世界の未来」と題されたオバマ大統領とMITメディアラボ・伊藤穰一所長による対談記事です。

かなり読み応えのある長い記事ですが、対談の後半で「AI時代の仕事」について、オバマ大統領がちょっと突っ込んだ発言をしているところが興味深い。この対談から「未来の働き方」に関する部分を中心にご紹介します。

参考記事:
1.Blak Obama, neural network, self-driven car, and the future of the word ※TOP画像もこちらから
2.オバマ大統領がAI未来戦略発表。テクノ失業、ベーシックインカム、マトリックスの卵など語る
3.ホワイトハウスがAIの透明性を求める

どんな仕事がなくなるのか?


みんな心配しているのは、シンギュラリティ云々ではなく『それで、わたしの仕事は機械に奪われてしまうの?』ってことでしょう。

オバマ大統領が対談でこう述べるように、人工知能の発達が私たちの生活に及ぼす影響のうち、もっとも気になるのは「仕事」の話です。

例えば2年前に発表された「10年後に無くなる職業ランキング」は、「米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高い」という衝撃的なものでした。銀行の融資担当者、スポーツの審判、映写技師ほか、様々なジャンルの仕事が消える確率の高いものとして名を連ねられています。

大統領はこのように言います。

オバマ大統領:どちらかと言うと楽観的に考えています。昔から新しい技術が現れるたびに、新しい仕事が生まれ、人は新天地に移動し、全体の生活水準は上がってきました。

だだ、いまはこれまでと少し違います。AIが生活の隅々まで浸透することで、ハイスキルな人々はこのシステムを用いてうまくやると思います。自分の才能にレバレッジをきかせて、製品やサービスの売り上げを伸ばし、リーチを高めていくでしょうね。逆に低賃金の単純労働者は余剰人員になってしまう。機械に仕事を奪われないにしても、賃金は伸び悩むでしょう。


楽観している、と言いながらも、コンピュータを使いこなせる人とそうでない人の間の格差が広がりかねないことは否定しません。「富がひと握りの人に占有されることがないよう、社会全体を巻き込んだ対話と体制づくりが必要だ」と、新しいシステムを構築する必要性にも言及しました。


「オバマ大統領、人工知能が仕事にどう影響するかについて」(Youtubeより)

オバマ大統領の一連のコメントに、対談相手であるMITメディアラボ伊藤穰一所長は次のように応じました。

伊藤所長:実際のところ「どの仕事が代替されるか?」を断定することは難しい。たとえば医療システム系のコンピュータがあって、診断などがかなり得意だとしましょう。その際、職を失いやすいのは看護師や薬剤師よりむしろ医師のほうです。そのほうが経費が安くつきますしね。その意味では、弁護士や監査役といったハイレベルとされる仕事が、AIによって代替されていく可能性さえあります。一方で、コンピュータが不得意なサービス業や専門的な技術を要する仕事のほうが残るかもしれません。


ベーシックインカムが次の時代のテーマに


この話の流れの中で、伊藤所長はオバマ大統領に、「ベーシックインカム(最低限所得保障)」についての見解を求めます。

ベーシックインカムとは、全国民に生活に必要最低限の資金を給付する制度であり、簡単に言うと「まったく働かなくとも」お金が給付されます。突拍子もなく聞こえるかもしれませんが、本格的に導入を検討しているフィンランドをはじめ、欧米各国で導入の是非が問われたり、試験的な導入も始まっています。

伊藤所長:大統領がユニバーサルなベーシックインカム制度についてどう考えているのか、私はわかりません。しかし、現実に人々が職を失い始めたとき、別のモデルに目を向けてみるというのもひとつのアイデアです。例えば、アカデミズムやアートの世界。こういった世界では、人々の目的がダイレクトにお金に結びついていない。ただ、ひとつの問題として、「まるでお金がない状態で、人はスマートに生きられるのか?」という一般常識があります。私自身はアカデミズムの世界で、金なんてなくともスマートにやっている人々を知ってはいますが。


この対談のハイライトと言える部分とも言えるこの問いかけに、オバマ大統領はどう答えたのか?

オバマ大統領:あなたの言うことはもっともだし、私が言う社会構造のリ・デザインというのも、そういったことです。しかし現状、ベーシックインカムが正しいかどうかは、幅広い層の人々がそれを受け入れるかどうか? ということでもある。いずれにせよユニバーサルなベーシックインカムをめぐる議論は、今後10年、20年の大きなテーマになるでしょう。


「AI時代の働き方」については、アメリカだけでなく日本でも様々な議論が出てきています。ご興味のある方はこちらの記事もご一読ください。

“魔法使い”落合陽一「仕事」を語る(前編)ーAIの時代にギリギリ自分らしく生きるために必要なことー

記事:守屋佳奈子(仕事旅行社)
読みもの&流行りもの: 2016年10月31日更新

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