「ボケない大阪へ、ツッコメ!」
そんなキャッチコピーがちょっと気になるのが、「
ボケない大阪移住プロジェクト」。東京圏から大阪府へのUIJターンの促進を目指す「おためし移住プログラム」です。
コンセプトは、「大阪が誇る、つっこみどころのないほどのいい仕事といい暮らしへ。まずはおためしで、ツッコメ!」。もちろん、この場合の「ツッコミ」は「突撃」のほうの意味。
プロジェクトサイトより
用意されたプログラムは全部で3つ。 大阪のトガッた15社から1社を選び、実際に1ヶ月弱の仕事体験を通して、各社の課題解決プランを作り上げる「①仕事体験」。
大阪への進出を考える団体や、大阪ならではのスタートアッププロジェクト(5団体程度)に3日間参加する「②起業体験」。
大阪府内のIT企業とチームを組み、府内中小企業の生産性向上に向け、IoTをテーマにブレストをおこなう「③大阪ブレインストーミング」。
お互いに「気にいった!」ということで意気投合できれば、採用、就職にまで繋がる可能性もあるようです。
応募対象者が「東京圏に在住の人(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県・茨城県の一部)」というのが謎と言えば謎ですが、ただでさえ人の少ない地方から都市へ人を集めるのではなく、首都圏への一極集中の流れに一石を投じたいということなのでしょうか?
「東京モンには負けへんで!」という誇り高き大阪人のことですから、「東」にひと泡ふかせたいといった意識も多少はあるのかもしれませんね。
もうひとつの大阪が体験できるかも
その意気込みのようなものは、「仕事体験」を受け入れるトガッた15社のラインナップにも表れています。
例えば、ホラー×テクノロジーで恐怖体験を作り出す「株式会社 闇」、デザイン業界の人なら知らぬ人はいない「graf」、音楽ラジオ局であるにも関わらずアート・デザイン系イベントなどの企画もどんどん打ち出す「FM802」など、大阪でも個性派として知られる人気企業が目白押しといった印象。
ちなみに大阪市出身である仕事旅行社キュレーターは、このライナップを見て次のように語りました。
「けっこうオシャレなイメージやね。『もうひとつの大阪』っていうか、いわゆるコテコテ系ではなくっていまっぽい感じ。まあ、大阪にもそういう面はあるよ」。
ここで言う「いまっぽい感じ」が何を指しているのか? はイマイチ不明でありつつ、アドバイザリーメンバーにも、CAMPFIREの家入一真氏、面白法人カヤックの柳澤大輔氏、スマイルズの遠山正道氏ら著名人が名を連ねるなど、テレビ等でこれまで喧伝されてきた、いわゆる「大阪感」はここでも払拭されていますね。
プロジェクトサイトより
タイトルだけでなくプログラムの中身もふくめて確かにボケてない…ギャグではなく、本気のようなものがヒシヒシと伝わってくるというか、真っ向勝負を求めているのかもしれません。
それにしても、大阪のような大都市がなぜ移住促進プロジェクトを立ち上げる必要があるのでしょう?
地域創生の取り組みがブームになる中、「都会→仕事が見つかりにくい田舎」ではなく「大都市→仕事もありそうなもう少し小さな都市」への移住、いわゆるJターンにも注目が集まり始めていますが、それをなぜ大阪で?
もしかすると、その背景には危機感もあるのかもしれません。例えば大阪は今年「1947年以来、68年ぶりに人口減」と伝えられました。
参考記事:(
産経ニュースより)
経済規模等トータルで考えると、依然全国2位とされる大都会ではありますが(人口は3位)、地元では「このままではあかん」という空気も生まれつつあるのかも。
そのような背景も手伝ってか、今回のプロジェクトでは、東京一極集中の恐ろしさを逆PRしようとするパロディ風動画「【怪談】東京で本当にあった怖い話」も公開されていました。
東京の「過密通勤」「物価高」「競争の厳しさ」などをおちょくる内容ですが、いい感じでギャグがスベっているなど、かえってコワさが引き立ちます。大阪をアピールするプロジェクトにしてはあまりにも笑い要素が希薄なので、「ちょっとだけボケも入れておきました」みたいなことでしょうか?
ーーとツッコんでみたくもなりました。
記事:シゴトゴト編集部(仕事旅行社)
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