2016年05月30日更新

自分にしか出せない色がある。木製特注家具の匠になろう【ニシザキ工芸株式会社】

「ニシザキさんにしかこの色は出せないからね」。そう言われるのが何よりうれしいと言って笑うのは、木製特注家具の製作を手がける「ニシザキ工芸株式会社」の代表・西崎克治さん。

ニシザキ工芸の所在地は、江戸時代より材木の町として知られる江東区深川。同社は歴史あるこの町で1923年に誕生し、今年で創業93年目を迎えた老舗企業です。特に木に色を塗る「家具塗装」で高い評価を受けています。

ニシザキ工芸株式会社

そのニシザキ工芸では現在、一緒に会社を盛り上げてくれる仲間を募集しています。「仕事の内容」や「社風」「求める人材像」を西崎氏にうかがいました。

聞き手:河尻亨一(シゴトゴト編集部)
記事構成:守屋佳奈子(シゴトゴト編集部)

木製家具の“メークアップアーティスト”です



清澄白河駅より徒歩10分。ニシザキ工芸は昔ながらの商店が並ぶ深川江戸資料館通りを抜けた場所にあります。


ニシザキ工芸のショールームの玄関。創業当時の店看板や趣ある木の扉がお出迎え

お話をうかがった場所は、同社のオーダーキッチンブランド「匣屋深川」のショールーム。キッチンやダイニングテーブル、深い紫色が印象的な漆塗の箪笥などが置かれ、落ち着いた空間です。

清澄白河と言えば、ブルーボトルコーヒーやギャラリーがあり、近頃では若者やアートの街というイメージもあります。しかし、ここは江戸情緒をいまに残す深川の町。伝統を感じさせながらもモダンなオフィスの佇まいは、古くて新しいこの町並みにしっくり馴染んでいるように思えました。


ニシザキ工芸による製作事例。2015年からはキッチンブランド「匣屋深川」も手がけている

ニシザキ工芸が多く手がけているのは、世界にひとつのオーダーメイド家具。企画から製造、施工まで関わります。

今回おとなのインターンで応募している求人は、クライアントのオーダー家具に色を塗り仕上げる塗装職人です。

先ほどもふれたように、ニシザキ工芸が強みにしているのが「塗装」の技。そのこだわりは、自前の塗装専門工場を持つところにもあらわれています。

その技とはどういったものなのでしょう? ニシザキ工芸の塗装について、代表の西崎さんは次のように話してくださいました。


西崎:我々がやっている「塗装」をわかりやすくご説明すると、女性の“お化粧”に近いところがあると言えるでしょう。木材の下地を活かし、より美しくきめ細やかに装っていくメイクアップアーティストのような仕事とお考えください。



塗装工場内でまさに製作途中の机。深みを出すために何度も色を重ねていく。

私たちが塗装と言ってイメージするのは、ペンキを塗ったり、外壁を塗ったりという作業です。それらの作業も「塗装」ですが、これは下地の割れているところをふさいで、既成の色を塗るもの。しかしニシザキ工芸の塗装は、こういった塗装とも異なるようです。

例えば、大変重要な作業として色の調合が挙げられます。同じ色の塗料を塗っても、木地によっては完成したきの発色が異なるそう。

顧客が満足するクオリティの塗装をするためには、それぞれの木材の性質を理解し、木地に合わせた色をその都度調合する技術が職人に求められるのです。家具に用いられる材木の種類は希少なものも含めると、なんと数十種類以上もあるそうです。


家具に用いられる様々な材木について、サンプルを示しつつ説明してくれる西崎克治さん。

色の調合が済んだら、木地に塗料を何度も何度も塗り重ねていきます。そういった一連の作業をへて仕上げへと。

お話をうかがっていると、家具の塗装は想像以上に奥深く、高い技術が求められる繊細な仕事だということがわかります。

ニシザキ工芸の家具製作を支えるもうひとつの大切な仕事は、プロダクトマネージャー。クライアントと職人のあいだをつなぐこの職種は、クライアントとの打ち合わせを綿密に行いながら、工期や予算といった進行に携わることになります。

つまり顧客に対するヒアリングやデザイン提案をへて、納品までの現場を段取る仕事。クライアントが求める完成品のイメージをより明確にし、それを作り上げるために「どんな素材を選び」「どの職人に発注すればベストな結果につながるか?」を的確に判断する能力が求められます。

プロダクトマネージャーの采配によって、家具の仕上がりは大きく変わるのです。


木の素材を選ぶプロダクトマネージャー。

ニシザキ工芸は、職人もプロダクトマネージャーも高いプロフェッショナリズムを持つことで知られる会社です。ゆえに顧客は家具の目利きでもあり、オーダーのハードルも高くなります。しかし、西崎さんは「そこにこの仕事の醍醐味がある」と語りました。


西崎:細かい部分の差をわかって指名してくださる厳しい目はあるけれど、その期待に応じられたときの満足感は大きいですね。「最後の最後の微妙な色合いはニシザキさんでないと出せないからね」といってもらえたときは非常にうれしいです。


人間関係はドライなほどだが、仕事にかける思いはアツい


ニシザキ工芸は大正12年、和家具の製作からスタートしました。戦後は婚礼家具をメインに据えた家具作りを主な事業としていたそうですが、先代から社長を継いだ西崎さんはオーダー家具の世界へと進出しました。


西崎:時代とともに少しずつ事業をシフトしてはいるのですが、家具製造という一本の線は変わっていません。家具のエキスパートとして、いまの時代に求められるものを作っていきたいと思っています。



ニシザキ工芸代表の西崎克治さん。「ビジネスではありますが、僕らが求める資質はやっぱりものづくり。自分が手がけたものがよりよくなっていく過程を達成感として受け取れる仕事です」

技術や事業内容だけでなく、ニシザキ工芸の社風についてもうかがってみました。

現在、社員は18人。プロダクトマネージャーや設計、アシスタントが10人。職人は6人で、うち2人が女性です。この規模の企業では、往々にして人間関係が濃密になりすぎてしまうケースも見受けられますが、西崎さんによれば、社内の付き合いはむしろドライなほどで、個々人がそれぞれの仕事の力量で勝負できる空気があるそうです。


西崎:チームワークももちろんあるのだけど、個人プレー的な性格が強い現場とは言えるでしょうね。プロダクトマネージャーたちも、それぞれのスタイルや強みを活かせる仕事を担当しています。やる気と素質があれば、会社員でありながら「自分の力でプロジェクトを動かしている」という感覚は持ちやすいのではないでしょうか。

いいものができればお客さんに評価されますから、会社を見て仕事をしないところもあるかもしれません。社員の中には正直、不愛想な人もいますが(笑)、それもその人のスタイルですから、いい仕事さえしてくれれば私から何か言うことはありません。



塗る、磨くを繰り返す。幾重もの工程をへて、家具は輝き始める

個々の仕事には直接指示を出すことはないと言いながらも、西崎さんが社員ひとりひとりをしっかり見守っているということが、言葉の端々から伝わってきます。

様々な制約の中で技と感性を磨いていく


西崎さんは、今回おとなのインターンでの受け入れをスタートさせたきっかけとして、最年長の職人さんが40代になったこともあり、「そろそろもっと若い世代を育成していきたい」という思いがあったと言います。

より具体的にはどういった人材が求められているのでしょう?

西崎:塗装職人に関しては、一度社会に出て仕事をしたのだけれど、「どうも違うんだよなあ」という違和感を抱いている人が向いていると思います。「やっぱり自分で体を動かして、モノづくりをする過程すべてに関わっていきたい」と考えている人はウチにフィットするんじゃないでしょうか。

実際に現在の工場長は、金物メーカーで開発をやっていた方。インテリア販売から塗装職人になった女性もいるそうです。

「前職がどんなものであろうと、一度やってみないことには向いているかどうかはわかない」と西崎さんは言います。塗装は根気強さこそ求められますが、ハードな力仕事ではないようで、そのぶん女性も取り組みやすい職業と言えそうです。


西崎:家具の塗装にはデリケートな仕上げが必要です。微妙な色のちがいを汲み取って出せるかどうかというところが大事になってくるので、女性にも向いていると思います。


現在ニシザキ工芸で働く女性スタッフのひとりは、塗装職人のコンテストで優勝経験があるともうかがいました。

一方で、職人とは異なる職種に思えるプロダクトマネージャーに関して、西崎さんは求める人材像を次のように語ります。


西崎:プロダクトマネージャーも“職人タイプ”じゃなきゃだめだと思っています。仕事を機械的に流していくタイプはウチに向かないでしょうね。その都度、新鮮な気持ちでよりよいものを目指して取り組む姿勢がないと。

プロダクトマネージャーは、自分で手を動かすわけではないけれど、どんな職人に声をかけ、どんな素材や段取りを選ぶかによって仕上がりはまったく変わってきます。

一方で、僕らはあくまでクライアントありきの商売です。いただいたオーダーを具体化する仕事は、工芸作家の仕事とは似て非なるもの。スケジュールや予算といった制約の中でのベストを追求し、自身の技術や感性をも磨いていける人を歓迎します。

そういったものづくりの仕事に喜びを感じられる人には、とてもやりがいのある会社だと思いますよ。


塗装職人は一人前に仕事をこなせるようになるまでに10年はかかると西崎さんは言います。短期間のおとなのインターンでは本格的な修行までは入れないでしょうが、向き不向きやこの仕事の奥深さといったことは十分に体感できると思います。

自分の中に隠された新しい資質に気づく機会となるかもしれません。「塗る」という仕事に心惹かれる方、この記事を読んでピンとくるものがあった方はぜひおためしください。

求人情報


募集職種オーダー家具の塗装職人
採用形態正社員、契約社員、業務委託、長期アルバイト
給与200,000円~300,000円
仕事内容材料や家具の塗装に特化した職人チームです。
要求されたイメージをもとに塗料の調合から下地処理、刷毛塗り、
ペーパー掛け、仕上げ塗装でお化粧のように木材を塗り上げる仕事です。
福利厚生・賞与年2回
・保険(健康保険、雇用保険)
・年金(厚生年金)
勤務地東京都江東区
勤務時間9:00~18:00(休憩時間 12:00~13:00)
休日休暇日曜、祝日、第1・第3土曜日、GW、夏季休暇、年末年始、有給休暇
採用予定人数若干名
その他よろしければこちらもご覧ください。

ニシザキ工芸/おとなのインターン

ニシザキ工芸株式会社HP

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