今年の就活もオフィシャルの面接&選考フェーズに(実際にはもっと動きが早いようですが)。
ところで就活といえば、なにかと重いイメージがつきまとうものです。それは志望する側だけでなく、受け入れる側にも言えること。
実際、会社説明や面接、OB訪問などを受けて立つ側になってみるとわかりますが、けっこうなプレッシャーです。そもそも数回の説明や面接で「その人が自分の会社に合っているかどうか?」なんて正直わからないもので。
かくして日本独特のカルチャーとも言われる新卒就活には、毎年重ーい空気がつきまといます。
しかし、そういった風潮を逆手に取るような軽ーい面白企画を採用活動にぶっこんでくる企業もないわけではありません。
なかでもホスティングやEC支援などのネットサービスを手がける「GMOペパボ」の新卒説明会は、毎年やることがぶっとんでいることで話題になるようです。
今年は社長や社員さんたちが、往年の「聖○魔Ⅱ」を思わせるヘヴィーメタルなメイク&扮装でステージに登壇し、冒頭とラストはバンド演奏まで披露。
おしまいは「最終面接で会おうぜ!」のシャウトで〆るという凝った演出で、そういう美味しいネタ大好きなウェブメディアの恰好の餌食となっていました。自社PRもかねたイベントなのかもしれませんね。
新卒説明会で熱唱するGMOペパボ代表・佐藤健太郎氏(youtubeより)
新卒採用サイトはノベルゲーム風?
ところがそのGMOペパボの新卒採用ページを見てみると、様々な工夫を施して学生が興味持ちやすくした上で、ちゃんと会社説明をしていることが判明。
GMOペパボ「新卒採用2017」
仕事や職場の状況に応じてプレイヤー(新卒生)が進む道を選択していく、“ノベルゲーム風”の仕様になっており、どんな会社で毎日どんな業務を行っているのか、職種別にけっこうリアルにわかるようになっていました。
もちろん新卒生でなくともやってみることはできます。
一体どんな会社説明なのか? 採用シーズンが終わってサイトが消える前にちょっと見てみましょう。
記事冒頭にあげているのが、新卒採用2017の特設サイトのトップページ。ポップな色合いの「はじめましてGMOペパボです」という言葉、そして周囲の社員の画像からは、明るく和気あいあいとした雰囲気が感じられます。
左下の女性の「もしかしてジョジョ立ちしてる?」なポーズがなんとなく気になります。
このトップページから、「面白い会社っぽい」「ちょっと違うかな?」を判断し、「はじめまして」か「さようなら」のどちらかをクリックします。ここはひとまず「はじめまして」を選択。
仮に「さようなら」をしてもしつこく追いかけてきますので、ゲームをスタートせざるをえません。そして次のページでは、次のような会社紹介を読まざるをえません。
”ペパボは13年前、ロリポップ!とともに産声をあげました。そんなペパボもすっかり大人になりました。 当時、あなたはまだ小学生だったかもしれないね。巷ではSMAPの「世界に一つだけの花」が大流行していたけど、僕たちは連日夜遅くまで、必死になってロリポップ!に届くお問い合わせに対応していました。”
なるほど…。
1日の業務をネットで体験できる
その後は「エンジニア」「デザイナー」「総合職」「カスタマーサービス」の4職種からひとつを選び、「自分が社員になった」という想定で職場の1日をシミュレーション体験できる流れになっています。
今回はデザイナーを選んでみました。
シミュレーションは朝8時の起床からスタート。まずは社員目線で見た通勤路やオフィスの紹介があります。オフィスは渋谷のセルリアンタワー内。ちなみに社員の住んでいる場所は駒場東大前、自由が丘など数パターン想定されている模様です。
会社に着いてからは、「バリバリ仕事するぞ」ということで。
制作したものを先輩に見てもらってアドバイスを受けるなど。おっと、この方は先ほどの“ジョジョジョ(ジョジョ女)”ではないですか。
見せるデザイン案や質問によって相手の出方や説明が変わるようになっています。「最高の漫画とは」という質問を選ぶと、案の定「ジョジョ」についてアツく語られてしまいました。いますよね、こういう人。
お昼になるとランチのお誘いが。
「カレー」ではなく「社員食堂(GMO yours)」を選んでそちらで昼食をとることに。すると先輩社員の人が待ち構えており、GMOペパボの社食ではランチがタダであること、そして食事中には同社の福利厚生などの制度について教えてもらえました。
うーん、そうなのか。そしてこの先輩方もどことなくスパイシーな匂いがします。
午後は午後でユーザーテストなどお仕事盛りだくさん。夜は「社内勉強会に参加か?」「メンターの人たちと飲みに行くか?」というサラリーマンにとっての究極の選択が…。そこでも会社の色んな情報が得られるようになっています。
ほかの職種を選ぶとまた全然ちがった1日が展開されるのでしょう。
そして、1日の業務が終わると…。
最後は社長みずから、これまでの会社のストーリーを振り返ったあと「エントリーする?」と迫ってきます。しかも真顔で。最初に挙げたステージ上のメイク姿とはまるで別人ですね。
というわけで、「会社にフィットするいい人材がほしい!」というGMOペポバの本気度が、親しみやすく伝わってくる新卒採用サイトになっていました。
実はヘヴィメタライブ風の説明会も、ほとんどの時間は真面目な会社説明に費やされていましたが(その扮装のまま)、このサイトでも「どんな仕事をしている会社なのか?」ということがよくわかります。
以前この「シゴトゴト」で、赤城乳業による社員出演CMをご紹介したことがありますが(
「ガリガリ君」値上げCMにジワっと沁みる“その会社”らしさ―社員出演コンテンツを作るときに大切な3つのコト―)、ペパボのほうも社員のタレント力とIT力をフル活用したコミュニケーションの好事例と言えそうです。
記事:シゴトゴト編集部
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