2016年05月11日更新

熊本でボランティアや私にできる仕事について考えた【現地レポート】

このたびの「平成28年熊本地震」より1ヶ月が経とうとしています。シゴトゴトでは4月18日から10日間にわたり、熊本地震に関するボランティア情報などを配信してきました。

★【熊本地震】ボランティアに行く前に知っておきたい情報まとめ(随時更新)

私、編集部の島田も4月28日より熊本市での支援活動に参加。全国各地から、さまざまな人や団体が支援・応援に訪れており、市内の人々も、より被害が大きい地域を支援しようと日々活動をする姿がそこにはありました。わずか4日間ではありましたが、現地で見た様子をご報告します。
トップ画像 熊本市役所(4月29日)

記事:島田綾子(シゴトゴト編集部) 

さいたま、横浜、神戸に大阪からも


空港でレンタカーを借り、通常35分ほどという道を1時間かけて熊本市役所へ。「支援に大勢の人が入っており、道が混んでいる」との情報は得ていましたが、たしかに市役所の駐車場に入る車も30台以上は並んでいました。

今回、私は熊本市内の避難所調査の応援として、避難所にヒアリングを行うために現地へ向かいました。調査の様子やそこで聞いた内容については重要な情報があるため、ご報告は控えさせていただきます。

しかしながら4日間、30か所ほどの避難所を回ったなかで見えてきたのは、街中にありありと残る震災の爪あと、そして全国各地から支援に駆けつけていた大勢の人々の姿でした。

まず訪れたのは、今回の調査本部がある熊本市役所。正面玄関前には自衛隊や各応援市の災害救助車両(給水車など)が並びます。お昼を前に、物資の配布を待つ人々の列ができていました。

これらの災害救助車両はたいてい、どこの市から来ているのかひと目で分かるようになっています。「兵庫県伊丹市」「長崎県長崎市」などと書かれた車両のそばに、支援物資や給水を求める人々が集まっていました。


画像 市役所前の災害救助車両

市役所や避難所には、「大阪市」「さいたま市」「横浜市」などの腕章をつけて応援に入っている職員が多数。ほかにも蛍光色のゼッケンをつけて避難者のケア等を行うNPOのボランティアなど、全国各地からこんなにも多くの人が集まっているのかという驚きを感じながら市役所のなかへ入ります。

業務が行われるエントランスのなかには昨夜をここで明かしたと思われる避難者の姿も。「り災証明書」を発行する列の真横には、避難者の荷物や毛布が壁ぎわに寄せられていました。

ちなみにこのとき市の最新情報(4月26日午後時点)では、市内の避難所が225か所、避難者が17,000人余りとのこと。前日比で4,410人減という数字からは、日に日に避難者の状況は変化していることが読み取れます。

道路わきに積み重なる、ボランティアの仕事の跡



画像 避難所として物資配布が行われていた公園。敷地内に白線が引かれ、車中泊の車が停められていた(4月29日)

私が訪れたとき、避難所となっていたのは学校や公民館、公園、集会所などでした。主に調査したのは市役所の位置する中央区、被害が大きかった益城町に近い東区、そして南区です。これらの地域を移動・調査するなかで始終目についたのは、路上にまとめられた粗大ごみの数々です。

ボランティアセンターを通して来た人々の活動のひとつが、家屋の「清掃」。調査で訪れた小学校では、ボランティアセンターを通して集まったボランティアをグループに分け、作業分担を説明している現場にも遭遇しました。

そのときいた人々は、中学生くらいの女の子から体力のありそうな男性までさまざま。作業の説明と体力的な負担を考慮して、「ブロック塀を壊す作業は、体力に自信のある男性4名お願いしたいです。どなたかいませんか」など、それぞれの役割が割り振られていきました。


画像 倒壊しかかっている家屋


画像 倒壊などによる二次災害を防ぐための「被災建築物応急危険度判定」。”危険”と判断された建物には赤い紙が貼られていた

14日夜の前震で散らかった部屋を片付けた直後に起きた16日の本震で、片付ける意欲を失った人は多いという話も聞きます。また、単身高齢者の家庭などは片付け手がおらず、ボランティアセンターにボランティアを依頼する仕組みになっていたようです。

「ボランティアの人が来てくれて、お昼だから休んでからにすればと言ったんだけど、“まだ次に行くところもあるので”って休まずに始めてくれて。ありがたいね」と、ボランティアへの感謝を話される方もいました。

また、ある団地を通りかかったときには「数日前までは燃えるごみも壊れた家具もそこらじゅうにあったけど、いまはずいぶんきれいになったでしょう」と話す住民の方も。たしかに路上に目線を超えるほど山積みになっていた災害ごみ置き場に比べれば、家電製品のみがわずかに残されているだけです。


画像 団地に置かれた家電ゴミ(4月30日)

「ボランティアさんたちが来るのはありがたい。けれども…」


ボランティに関してよい話だけを聞いたわけではありません。ディスコミュニケーションから摩擦が生じている例もあるようです。「食事を用意していないボランティアに出前を用意せざるをえなくて…」と当惑した表情を見せる方もいました。

私自身は食料としてパンや果物などを持ち込んだのですが、実際にはほとんど手をつけることなく現地で調達することができました。というのも、28日時点では市内のコンビニやスーパー、飲食店などほとんどのお店が、短縮営業ながらも再開していたからです。市内では商品の入荷もほぼ通常に戻っているように見受けられました。

熊本といえば、馬刺しや地鶏などが有名。昼食をとりに訪れた炭火焼き地鶏の飲食店には、子連れの家族や女性の2人組の姿がありました。一歩店のなかに入れば、日常となんら変わらない光景にも思えます。

カウンター席に広げていた地図や資料を片付け、ランチの炭火焼きどんぶり(サラダもついて700円と、安くて美味しい)をいただく私たちに、「お疲れさまです」と声をかけてくれる店主さん。営業再開にいたった話など、いくつか言葉を交わすうちにこう話してくれました。

「ボランティアさんたちが来るのはありがたいことです。けれども炊き出しなどが長期化するほど、営業再開した飲食店には辛い状況になる」

ある場所では”炊き出し”ほかの仕事が求められている一方で、すぐそばの別の場所で仕事をする人々にはそれが迷惑にも思えてしまう。ボランティアのそんな難しさも感じた瞬間でした。

ボランティアという「働き方」


今回熊本市で活動するにあたり、ひとつ気になっていたことがありました。「自分がいま、行く必要があるのか」ということです。熊本に知人がいるわけでも、大した知識や能力があるわけでもない自分より、ほかに適任者がいるのでは? そのあたりの整理がつかないまま現地へ向かったのが正直なところです。

そして結局、答えは出せませんでした。先にもふれたように被災地の現状、ボランティアの活動は、立場によってさまざまな見え方、考え方があります。

「ボランティア」として活動することが、だれの役に立っているのか、どんな意味があるのか? 目の前の人の「困った」を解決することはできても、その場にいない人たちにどのような影響を与えているのかを理解するのは、とても難しいことだと思います。

しかし、現地へ行かなければその難しさがわからなかったのも事実です。そして、この難しさというものは、ボランティアだけでなくどんな仕事にも言えることかもしれません。

色んな人に会い、話を聞くなど実際に体験し、自分の頭で考えることで、自分がやるべきことを見つける、そのことの大切さに改めて気づく機会ともなりました。
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