2016年05月04日更新

ひとりひとりが主人公に。インフィオラータで日本に新しい花の文化を咲かす【体験レポ】

「シゴトゴト」では仕事旅行の旅の醍醐味をお伝えするため、おりにふれ体験レポートを記事にしています。

今回わたしがお邪魔させていただいたのは、「インフィオラータアーティストになる旅」。

インフィオラータは道路や広場に描かれる花絵ですが、この仕事旅行では日本での第一人者である藤川靖彦氏(インフィオラータ・アソシエイツ)の指導のもと、参加者の皆さんで制作に挑戦します。

藤川氏はどういった思いでこの仕事旅行を引き受けてくださったのでしょうか。そもそもどういう経緯でインフィオラータの活動を始めたのでしょう?

当日の藤川氏によるコメントもご紹介しながら、体験の様子をお伝えしたいと思います。

記事:守屋佳奈子(シゴトゴト編集部)

★「インフィオラータアーティストになる旅 目指せインフィオラータアーティスト!業界第一人者に1日弟子入り」
     

市民参加で本物のアートが生み出せる


先ほどもふれたように、インフィオラータは道路や広場等に描かれる花絵です。花だけでなく草木や砂も素材として使用します。

この花絵は、ひとりのアーティストが作り上げるものではありません。製作の指揮をとる「マエストロ」のもと、地域の方々やスタッフが協力して作品を作り上げていくところもインフィオラータの特長と言えそうです。
 
インフィオラータの発祥は約400年前。そもそもの起源はサンピエトロ寺院の花絵と言われています。

現在のインフィオラータのスタイルの最古のものは、イタリアのジェラーノという街で行われているもので、この街では今年で287年目。戦時中も含め、1度も途切れたことがありません。

このお祭りはイタリアだけでなくヨーロッパ各地に広まっており、現地の写真を見ると、フェスティバルの期間中、石畳の街路が色とりどりの花絵で埋め尽くされる様は華やかのひと言。

今回の旅の受け入れ先である株式会社インフィオラータ・アソシエイツは、インフィオラータを日本にも根付かせるため、全国各地で様々なイベントを実施するほか、街づくりから展示まで幅広い領域のイベントプロデュースを手がける会社です。

★株式会社インフィオラータ・アソシエイツ公式サイト

代表の藤川靖彦さんは、インフィオラータ国際連盟の理事を務めるとともに、海外各国より招待アーティストとして招かれ創作活動を行う第一人者。

歌舞伎をモチーフにした藤川さんの作品「花歌舞伎」は、本場イタリアでも大きな反響と賞賛をもって迎えられました。

藤川さんによれば「市民参加型でありながら、アート性の高い本格的な作品を生み出せる」ところがインフィオラータの魅力とのことです。


参加者の前でインフィオラータの説明をする藤川さん。「ほかの作者が作った絵を、いかに自分で表現するかが醍醐味」と話します。

藤川さんがインフィオラータに出会ったのは39歳のとき。イベントプロデューサーとして、イタリアのアーティストを招いて制作したのがきっかけだそうです。

「はじめは自分で作るつもりはありませんでした。見て単純に素晴らしいと思ったんです。試しに自分でも作ってみたら、見る人たちはもちろん作る人たちも喜んでくれて。その制作プロセスも含めた奥深さを知るにつれ、次第にはまっていきました」(藤川さん)。

こうしてインフィオラータに魅了された藤川さん。図柄も「イタリアの真似ではなく、日本独自のものを作りたい」という思いが生じ、元絵選びやデザインから手がけることになりました。


作品の下絵。大きさは2×3m。イタリアではこの6倍の大きさのものを作るという。

見知らぬ人同士も和ませる花の力


さて、体験日当日。

今回の旅では、実際に展覧会で展示される作品を、社長の藤川靖彦さんと社員の方々、そして参加者が一緒に作り上げます。参加者は出身地も年齢も異なる男女7名の皆さん。遠く和歌山から来てくださった方もいらっしゃいました。

参加の理由もそれぞれで、「情熱大陸を見て、藤川さんの活動に興味を持った」「何か新しく、続けられることを見つけたい」「いまの自分の仕事に生かせると思った」などの声が聞かれました。


花の切り方やインフィオラータについて、参加者に説明をする社員の吉澤さん。

いよいよ作業が始まります。

まずは製作に使用する花びらを用意するため、花を切っていきます。通常、市場に出すことができない花を買い取って使用するそうです。「カーネーションは花びらの色がまだらにならないように切る」など、気をつけるポイントがあります。

花の力というものでしょうか? 作業が進むうちにみなさん少しずつ打ち解けてきて、参加者同士、またホストの方とも会話が生まれていたのが印象的でした。さまざまな話題で談笑しつつ、下準備をおこなっています。

切った花をさらに細かくするなど、ひと通りの作業が終わって下準備終了。色とりどりの花が綺麗で、手触りも柔らかいです。


共同作業をへて、次第に和やかなムードに。

緊張感が一体感へと高まり人も集う


お昼休憩を挟んでここからが本番。下絵に花や砂を並べていきます。最初に藤川さんが、お手本としてみずから実演してくれました。

「砂はムラが出ないように高所から」「花びらが重なって砂が隠れないように」といったアドバイスのもと、参加者の方も作業を始めます。


お手本として、難所である顔の部分の花を並べる藤川さん。色づくと表情の変わる花絵が面白い。


砂で色づけする参加者の方々。細かな線がたくさんで、なかなか綺麗にひくのは難しいそう。

始めは恐る恐る。予想以上に細かい線で、その上に砂を乗せるのはなかなか難しい。みなさん真剣な表情です。「集中力と足にきます」「まばたきができません」という声も。

展覧会に来られたお客さんも、制作中の花絵をじっくりと見て話しかけてくださいます。「どういう作品なのですか?」「綺麗ですね」などお話をする機会も多くありました。


随分色づいてきた花絵。細かい文字の部分が難所で、下を向いて真剣に作っています。

そして、ついに…完成しました! その瞬間、自然と拍手が湧きました。

所用時間は3時間ほど。集中して動いている皆さんの疲労はどれほどか…と思ったのですが、意外にも「作業をしているとそんなに疲れない」「一瞬です」というお声が多く、みなさんにこやかなことには驚きます。

インフィオラータ・アソシエイツの社員、吉澤さんも「作ることが楽しいですし、準備などの苦労も、完成したものを見たときの喜びで吹っ飛びます」と話していました。

終了後は製作者の方々で交流会が持たれ、連絡先の交換をしたり、新しいつながりが生まれていました。参加型でひとつのものを作るということのもたらす一体感を改めて感じます。


完成した花絵を囲む製作者の皆さん。達成感の見られる表情です。

「休日に新しい経験ができて、いいリフレッシュになった」「みんなで一つのものを作り上げるこの過程が、自分の仕事にも生かせるかもしれない」など、参加者の皆さんはそれぞれ異なる感想を抱かれたようです。

「自分の住んでいる地域でもインフィオラータをやってみたい」という方や「インフィオラータ・アソシエイツの活動に今後も関わってみたい」という方もいらっしゃいました。


終了後に、自分の製作した花絵の写真を撮る参加者。しばらくの間は写真撮影会でした。

新しい花の文化を日本に咲かせたい


「インフィオラータの最大の魅力は、ひとりひとりが主人公になれること」

藤川さんはそう言います。

「自分たちが作ったものをみんなが写真を撮って、テレビに映る、ラジオや新聞にとりあげられる。いろんな人が声をかけてくれる。自分がヒーローになれる。そこが一番インフィオラータの魅力なのかなと思います」(藤川さん)。

参加者同士がつながるだけでなく、作ったものをきっかけに周りの人からも声をかけられ、話が始まる。

今回の仕事旅行は、参加者みんなが楽しんで、その場所でのヒーローになれるという、藤川さんの言葉通りの仕事体験になったと思います。

藤川さんの今後の目標は、「インフィオラータを日本の文化にしていく」ということ。

「インフィオラータを通じて、日本に新しい花の文化を作っていきたいですね。イタリアでは街の文化なんですよ。長いところだと300年近くやっているところもあります。代々引き継がれることで、子供が親になり、おじいちゃんおばあちゃんになっても楽しめる。ゆくゆくはそういうところを目指したいですね」(藤川さん)。

そのためにも、インフィオラータを広げる“マエストロ”を増やしていきたいという思いが藤川さんにはあるそうです。今回もそういった育成活動の一環として受け入れてくださったのでしょう。

「日本でもマエストロが増えれば、東京オリンピックのある2020年には日本で大会を開きたい」ともおっしゃっていました。

最近になって日本でもインフィオラータへの関心が高まっています。

藤川さんの八丈島での活動に密着したドキュメンタリー「花で巨大な絵を描くイベントプロデューサー—藤川靖彦×ダイビング—」が、BS日テレ「ON&OFF」
で放送されるほか(※5月6日/金 23:00~23:30、再放送は5月7日 11:00~11:30)、以下のイベントでも藤川さんのパフォーマンスが行われるそうです。

★元気なアートとフランスフェスタ(6月3日)

★「サッポロ フラワーカーペット」@札幌(6月17日から19日)


ご興味ある方は足を運んでみてはいかがでしょう? 

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