2016年04月23日更新

「こうあるべき」がない働き方のリトルマガジン。「仕事文脈」がつむぐ人々のストーリー

自分にとって、仕事ってなんだろう? だれしも、きっと一度は考えるタイミングがあるのではないかと思います。
 
しかし、考えてはみたけどわからない。キャリア本を読んでもピンとこない。じゃあ、ほかの人はどうなのだろう、だれかと仕事について話してみたい。

そんな人にオススメしたいのが、タバブックスという出版社が年に2回のペースで発行しているリトルマガジン、『仕事文脈』です。今回は私の感じたこの雑誌の魅力をお伝えしたいと思います。

記事:守屋佳奈子(「シゴトゴト」編集部)

作家から会社員までが仕事のあれこれを“おしゃべり”


「仕事」。書店でもインターネットでも、この二文字は見ない日はないとも言えるほど、仕事に関した記事は溢れかえっています。

そんな中でも、一風変わった存在感を持つ雑誌が、今回紹介する『仕事文脈』。「すべてのゆかいな仕事人に捧ぐリトルマガジン」と題されたこの雑誌のどこに、その魅力があるのでしょうか。

『仕事文脈』はこれまでvol.8まで発売されています。「女と仕事」「旅と仕事」「大きい仕事と小さい仕事」など特集テーマは様々ですが、毎号のテーマはいい意味で大雑把というか、「ゆるやか」とさえ感じます。

それらのテーマを語る人たちも実に多種多様。流行りの「働き方論」や「仕事ノウハウ」の一線で活躍している方々というよりも、色んなフィールドの人たちによる仕事の話。だからこそ、その人の経験から語られる仕事像もバラバラです。

たとえば、Vol.7は「家と仕事」という特集なのですが、その中身を見てみると——

「一人で稼いで、一人で自分を安定させる。そんな自立なんてできなくていい、この息苦しい世の中で、ただただ誰かと楽しく暮らしたいだけなのだ」

と語る、作家の植本一子さんがいるかと思えば、

「努力は必ず報われるなんて甘っちょろいことを言うつもりはない。しかし、ほとんどの報われないやりとりの中にあるかもしれない一筋の光を信じてみることは、決して無意味ではないとわたしは思う」

と記す会社員の女性も登場します。

いろんな人が自分の仕事や働き方、暮らしをテーマに自由に“おしゃべり”を楽しんでいるかのような印象です。


「タバブックス」ウェブサイトより

ときにはカフェや居酒屋のようで、それでいて団地のような


ほかにも、団地の仲間や近隣の人を巻き込み、ラップで地域を盛り上げる人へのインタビューや、大人になっても実家から仕事に通っている人の特集など、『仕事文脈』ではさまざまな働き方や生活の仕方に出会い、その人自身が経験した物語を読むことができます。

そしてだれからも、テーマに対する明確な答えを提示されることがありません。

つまりこの雑誌は、「働く人たちそれぞれが、自分で考えたことを“素直”に語ることが許された場所」なのかもしれません。そこにこのリトルマガジンの魅力があると思います。

たとえて言うなら、ときに様々な人が行き来しては自分の考えを語っていくカフェのような、ときに古びた居酒屋やスナックのような。それでいて団地のような温かみのある雑誌。ありそうで、実はあまりない雑誌に出会えて、うれしくなってしまいました。


さきほど「ゆるやか」と書きましたが、よく見ると実はそうではなく、デザインや文字組のレイアウトなど、細部までとても丁寧に作りこまれている印象も受けます。

「仕事文脈」というタイトルも、一見派手ではなくカタそうにさえ思えてしまいますが、そこにもなんらかのコンセプトや意図もこめられているのでしょう。

タバブックスのウェブサイトには、『仕事文脈』についてこんな紹介文も書かれていました。

「すてきなくらしの前に、仕事の話を。
流行のあれやこれを買う前に、お金を得る方法を。
勝ったり負けたり夢見たり嘆いたりするよりも、まず働いて生きることを。

気になる働き方、ないようである仕事、なんとかなる生き方など、
仕事のあれこれをとりあげる小さい雑誌です」

「仕事のあれこれ」を文にすることで物語を脈々とつむぎ出していく。そんな気持ちで作られているのかもしれません。

提案される「正しい働き方」の選択ではなく


巷では、やれ「できる人になるための5つの心得」だ、やれ「成功者の秘訣」だといった字句が並べられ、とにかくもっと成功しろ、もっと生産性をあげろと道行く人を追い立てます。

あるいは、「バリキャリ」や「育メン」などといったカテゴリーでくくられ、いまの時代はこうあるべきという型をあらゆる形で提案されながら私たちは日々を過ごしています。
 
しかし不思議なことに、これでもかと言わんばかりに「こうしていれば大丈夫」という方法論や字句が並んでいても、それでも働くことへの人々の悩みは尽きません。

本当に知りたいことはなんなのでしょう。自分には何が幸せなのか? 自分にとって仕事とはどういうものであるべきなのか? それを自ら考え、「自分なりのちょうどいい」を探すことではないかと、私は考えています。
 
つまり、すべての人にその人の「仕事文脈」があるということ。

それをふまえた上で「人の仕事」を知ることは、自分の仕事を考えるときの新しい視点になるかもしれませんし、なにより仕事というものは、黙々と考えたりだれかに教わったりして簡単に解決するものではなく、自分から話したり、動いたりする中でおのずと答えが見つかっていくものなのかも? とも思います。

そのように「働き方」を考えてみたい人にとって『仕事文脈』は、人それぞれの読み方を楽しめる“ガイドブック”と言えそうです。
読みもの&連載もの: 2016年04月23日更新

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