2016年04月28日更新

地域や企業と一緒につくり上げていくブランディング【おとなのインターン募集中/むすび株式会社】

仕事旅行社の「おとなのインターン」は、採用・求人を検討している会社で数日間、「おためし」の仕事体験ができる新サービスです。

今回は「おとなのインターン」の受け入れ先のひとつである株式会社むすび(以下、むすび)を訪問しました。「ブランディングとクリエイティブの視点によって、人、組織、地域をむすぶ」ことをミッションとしている会社です。

そこで働く人々の思い、採用にあたって求める人材像などをうかがいました。

聞き手:河尻亨一(仕事旅行社キュレーター)

「印刷工場」内にある秘密基地のようなオフィス





JR目黒駅から徒歩で約15分。目黒川を渡って大通りから小道に入ると昔ながらの町並みが続き、これまたレトロな風情漂う「印刷工場」が見えてきます。

この「印刷工場」は、“Impact Hub Tokyo”というプロジェクトがリノベしたコワーキングスペース。むすびのオフィスはこのスペースの2Fにあります。



階段を上がった先には配管もあらわになった天井にデザイン家具たち。なんだか秘密基地のようですね。その空間を進んだ先、隠れ家のような1室がオフィスです。

オフィスの隣にあるミーティングルームで、同社取締役の横内圭介さんとコピーライターの奈良和幸さんが迎えてくれました。今日はこのお二人にお話をうかがいます。

地方の人を、絶対に置き去りにしない


むすびは4月で創設1年を迎えました。

現在は社員4名の小さな会社ですが、むすびの考える「ブランディング」をより多くの人に体験してほしい、その中で、もし一緒に働いていけそうな人が見つかジョインしてほしいという2つの考えから、「おとなのインターン」での受け入れをしていただいています。

ところで、「ブランディング」とはどういう仕事なのでしょう? 

大きくはポスターや動画、ウェブなどの企画制作により「ブランドのイメージを創りあげていくこと」と考えてよいでしょう。

しかし、お仕着せのイメージをやみくもに発信するだけでは、世の中とのキャッチボールがうまくいきません。

ブランディングの目的を「ファンづくり」と考えているむすびは、クライアントとのセッションを重ねることで、そこで働いている人たちさえ気づいていなかった、企業や地域の価値を掘り起こすところからスタートします。

むすびは、この春より開始した長期旅シリーズ「仕事留学」にて、「ブランディングディレクターになる旅」を受け入れてくださっている会社でもあります。

1年間にわたるこの「仕事留学」の参加者は、山梨県富士川町の地域の人々と、幻の地酒「本菱」復活に向けたプロジェクト「まちいく ふじかわ」に実践的に取り組む真っ最中。

「富士川町の新たな地域資産を町内外の人たちが一体となって生み出す。 それによって、富士川町のブランディングを行っていく」——というのがこのプロジェクトの目的とのこと。

そのお話をうかがうなかでも、「ファンづくり」のプロである“むすび流”の仕事スタイルが見えてきました。


「まちいく ふじかわ」プロジェクトの制作事例

このプロジェクトについて横内さんは次のように話します。

横内:今回大切なのは、「まちいく ふじかわ」という参加型プロジェクトをビジネスモデルとして成立させること。地域にお金が落ちる循環モデルにならないと意味がないんですよね。東京から来た人たちの“自己満足”で終わってはいけなくて。

だからこそ、地方の人を置き去りにしたら「絶対ダメ」だと思っています。最後まで一緒にやるということを、とにかくいちばん大事にしながら進めています。


そう語る横内さんは、もともとは商社で働いていたそうです。代表取締役の深澤了氏と高校の同級生だったということもあり、むすびの立ち上げからともに歩んできました。

「ブランディング」という新フィールドで、どのように仕事を進めているのでしょう? この一年を振返ってもらいました。

横内:社長の深澤は根っからのクリエイターというか、まあ広告畑なんですね。思いがあって、面白いことをやりたいタイプで。

僕はそうではありません。まず「マネタイズできるかどうか?」を検証して、「いける!」ってなってから動き出す。でも彼は、走っちゃう。気づいたら隣にいないんですよ。この一年、気苦労が絶えませんでしたね、僕としては(笑)」


そう言って笑う横内さんですが、フロー図やマニュアル制作といった作業からスタートし、新しい会社をゼロから“プロデュース”していくという仕事に、手応えを感じている様子が伝わってきました。


横内圭介さん

一緒に盛り上げていける「広告」もある


一方、深澤氏の高校・大学の後輩でもある奈良さんは、学生時代には広告のマーケティングを専攻。前職では大企業のグループ会社でコピーライターをしていましたが、大手特有の働き方に違和感も生じていたところに誘いを受け、半年前にむすびに参加したそうです。

奈良:中小企業や地方で熱意をもって一生懸命仕事してる人たちと働いたり、そういう人を応援したいなと思っていました。広告の力で世の中をただ「ざわつかせる」のではなく、一緒に盛り上げていくような仕事ができないだろうか? と思っていたんです。

僕も最初は戸惑うことが多かったですね(笑)。

前いた会社はデザイナーもウェブをコーディングできるプログラマーもいて役割がはっきりしていたんですけど、ここだと外の方にお願いしますから、進行を含めたやりとりまで自分でやらないといけなくて。クライアントや地域の方々とのディスカッションでもいきなりファシリテーター役を振られたり。


奈良さんも横内さんと同じく、初めての作業の連続に戸惑いを感じながらも、新しい会社で働くことの充実感を得ているようでした。奈良さんの言う「応援」という言葉からも、むすびが考える「ブランディング」がどういったものか? が伝わってきます。

ソリューションや正解を一方的に押し付けるのではなく、クライアントとともに考え、対等な関係性を築く中で、ときに悩みときに楽しみながら一緒につくっていく。そういった行いを通じて、その組織や商品の本当のファンを増やしていきたいと考えている会社なのでしょう。


奈良和幸さん

中小企業にこそブランディングを


むすびでは先にご紹介した「まちいく ふじかわ」以外にも様々なクライアントや地域のブランディング施策を手がけています。

アウトプットの数々は、むすび公式サイト「事例紹介」よりご覧いただけます。

ポスターやウェブサイトといったコミュニケーションツールの制作だけでなく、「BRAND MOTHER RECRUITING™」という独自の採用ブランディング構築システムも提供しています。

潤沢な資金のある大企業だけではなく、中小企業にこそブランディングを。

代表の深澤氏には会社の立ち上げ前からそんな思いがあったそうです。この日は不在でしたが、深澤氏はオンラインメディア「SUPER CEO」で、次のように語っています。

「中小企業は、大企業が採用数を増やしている分、採用にとても困っています。採用では自社にどんな強みがあるのかを考え、それを明確に打ち出すブランディングが大切です。

非常に優れたサービスや商品があるのに、世間に伝わっていないがために、採用力の弱い中小企業を僕も数多く見てきました。大手企業ならブランディングにお金が使えますが、中小企業ではそうはいきません。だから、誰もがブランド力を高めるために使えるインフラを作ろうと思ったんです」(深澤氏)


参考:SUPER CEO



求ム! 心根の優しい人


このおとなのインターンでは、デザイナーをはじめとするクリエイター、企画やプロデュースといった仕事に関心がある人だけでなく、地域活性や場づくり、ファシリテーション、中小企業のサポートなどの仕事に興味がある人なら、幅広く募集しています。

もちろん、初心者でもOK。体験を通じていちから教わることができ、互いの相性や適性を見極めながらじっくり関係を構築していくことができるのが、ほかの求人サービスにないおとなのインターンの特色です。

求める人材についてもお二人にうかがってみました。

横内:あまり多くを求めません(笑)。でも、心根が優しい人がいいですね。一番大切にしたいのは僕らの仕事をサポートしてくれる人たちだから。

たとえば「まちいく ふじかわ」でも、銘酒「春鶯囀」を製造・販売している萬屋醸造店さん内にあるカフェをセッションに使わせていただいているんですけど、次の日に何気に後片付けをしてくださるパートの方々がいたり。そういう人たちにちゃんと感謝できたり、心を配れる人なら全然大丈夫かな? って。

奈良:僕は制作なので、制作の人にもっと入ってほしいなあという生々しい思いはありつつ(笑)、やっぱり「頑張っている人を一緒に応援したい」「中小企業や世間から“何もない”と思われているような地域を、みんなで盛り上げていきたい」という思いのある人が向いていると思います。

「地方創成」が流行りで面白そうだからと言って、最終的なゴールが自分のエゴを前に出しすぎることだったり、世の中をざわつかせてやろうという人は合わないような気もして。


お話をうかがっていて感じたのは、やはり“社名は体を表す”ということ。

「むすぶ」という仕事に真剣に取り組んでみたい人におすすめできる「おとなのインターン」です。以下、むすびのビジョンにもお目通しいただき、共感できるようでしたら、ぜひおためしあれ。

【VISION】(お客様とともに目指す未来)
 
強みでいきる人を増やす。
 
どんな人や企業にも個性があります。
その個性を引き出し、伝え続けることで、
今度はその個性を評価する人が生まれます。
強みを引き出すお手伝いをし続けることで、
人と人を結んでいくための起点をつくります。

おとなのインターン 募集要項


★むすび株式会社の「おとなのインターン」募集要項・お申し込みはこちら
真のブランド論に基づいたクリエイティブで、企業とともに成長していく。

むすび株式会社
企業、商品・サービス、採用市場におけるブランド構築から、そこで決めたビジョンや戦略をHPや会社案内などのツールや広告へと、一貫したブランドの姿勢を表現していきます。

【期間】3日間 ※要望によって変更可能です。
【参加費用】 30,000円 ※顔合わせ後、正式に参加が決定した時点でお支払いいただきます。
【内容】
(1日目)
ブランド論の勉強会
ブランディング・プラットフォームメディア企画
取材企業選定

(2日目)
取材企業選定・取材アポ取り
(アートディレクター/デザイナーは企画・デザインなども可)

(3日目)
取材・撮影・ライティング
(アートディレクター/デザイナーは企画・デザインなども可)

【募集する職種】コピーライター・アートディレクター・デザイナーほか
【採用形態】 中途採用
【仕事内容】 企業・商品・採用ブランド構築をする上での、コミュニケーション・ツールの企画・提案・制作
CI・VI開発/ネーミング/スローガン開発/会社案内/採用案内/企業HP/採用HPなどの企画・制作映像、広告などの企画・制作/コミュニケーション・ツール制作時の制作進行業務

【勤務】東京都目黒区目黒2-11-3印刷工場2F_g1
【就業時間】9:30~18:30(裁量労働制)
【休日・その他制度】土日祝日・夏季、年末年始休暇・有給休暇(初年度は10日間)慶弔休暇
※他、生理休暇、育児休暇などはまだありませんが、女性の方が入社されたらもちろん導入させていただきます。
仕事旅行ニュウス: 2016年04月28日更新

メルマガ登録いただくといち早く更新情報をお伝えします。

メルマガも読む

LINE@はじめました!

友だち追加
このページを気に入ったらいいね!しよう
はたらく私のコンパス《170種類の職業体験》 
あわせて読みたい

Follow Me!


PAGE TOP