
私たちは体調不良のとき、病院にいってお医者さんに診てもらい、薬を処方してもらいますよね。今回の舞台である富山県入善町(人口2.5万)の入善町商工会の取り組みは、それに似ているのだといいます。
「ぼくらはあくまでサポーター。医者は患者が治るように、治療を手伝います。しかし、実際に動いて、変わっていくのは事業者本人なんですよね。だから、彼らが動きやすいように、ハード/ソフトの両面から支援しています」
そう話してくれたのは、事務局長、本多光一さん。商店主が困っていることに真摯に耳を傾け、その問題の原因を見つけ、一緒に解決方法を考えます。
入善町商工会では、個人に向き合っていく「経営改善普及事業」と、地域全体に向き合っていく「地域総合振興事業」の二つの軸があります。これらは「商店にスポットを当てる」という想いのもと、お店と店主の魅力をまちの人に伝え、お店に足を運ぶきっかけづくりを生むためにはじまったもの。
今回のインターンでは、商店街を盛り上げる企画やプログラムづくりを商工会メンバーと共に作り上げます。まち医者として地域内を動き回って、店主や店舗とコミュニケーションをとりつつ、彼らの魅力が伝わる企画を練り上げます。田舎ならではの関係性の育み方を学びたい方、田舎で自らの企画力が通じるのかを試したい方におすすめです。
商工会の二つの柱ともなっている「経営改善普及事業」と「地域総合振興事業」ですが、前者は“点”的に、後者は“面”的に地域を変えていくものだと本多さんは言います。その活動は幅広く、事業者さんに関係することであれば、ときには熊やカラスの駆除までを請け負うこともあるとか。30年間を商工会に務めてきた本多さんは、その存在意義をどう考えているのでしょうか。
「商工会は、地域の小規模事業者さんの身近にある“窓口”なんです。創業、融資、経理などにおける指導・支援を行うんですが、相談にくるお客さんの悩みもさまざま。できるだけ商工会で解決しようと努力しますが、必要に応じて専門家につなぐこともあります。どんな症状を持ってるかわからないけど、まずは気軽に足を運べて、診てもらえる場所であるから、まち医者のような存在だと思うんです」(本多さん)
商工会にはアナライザーやプロモーター気質の人もいますが、やはりその根幹には、小規模事業者のサポーターであるという想いがあります。同じ事業者でも、自分で専門家に辿り着ける人でなく、もっと立場的には弱い人たちと伴走しながら、事業が育っていくのを横で見ていくのです。
「各事業者さんは、我が子のように感じることもあります。親離れのように、事業が伸びていって、商工会側が頼りたくなる事業者になってくれることを願ってます。単純ですが『ありがとう』『助かった』と言われるのがうれしいもんですよ」(本多さん)
もともとは、七夕祭りやラーメン祭りなどの地域イベントを仕掛けていたことが始まりでした。祭りをやれば人は集まるのですが、商店街のお店へ行くまでには至らない・・・。そこで、「来街者を来店者に」とスローガンを掲げてはじめたのが「商店街すごろくゲーム」でした。
内容は地域の親子が一緒になって、すごろくゲームで商店街のお店をまわる、というシンプルなもの。子どもは、各店独自のゲームに挑戦してポイントをためると、景品がもらえます。親には参加費+α分の商品券が渡されるので、商店街内で買い物をして帰ることができるという仕組みです。
「店主が高齢化すれば、お客さんも高齢化してしまうのはしょうがないことです。若い人は行きづらいですし、いきなり店主と会話するってのも難しいじゃないですか。だから、お店に行くきっかけとしてのすごろくゲームなんです。会話のかわりにゲームをすれば、とっつきやすくなるかと思いまして」(本多さん)
上記に加え、商店主に焦点を当てることで、集客のきっかけにしようとはじまったのが「まちゼミ」でした。「商店主を主人公に」という想いのもと、一人ひとりに講師になってもらい、職能・趣味を活かしたゼミを行ってきました。
たとえば、カメラ屋さんには「写真の撮り方」、料亭人には「おいしい卵焼きの作り方」、居酒屋店主だけど趣味である「三味線の弾き方」など、テーマはさまざま。過去4回開催する中で、集客につながったのはもちろん、店主たちの姿勢に変化が見えてきました。
「これまで以上に、店主が自分たちで考えるようになりました。どんなゼミにすればお客さんは喜んでくれるか、集客が伸びるかなど、それは普段の営業にも通じることです。まちゼミのちょっとした成功体験が、自信にもつながってるみたいです。
ただ毎年課題なのは、彼らは当たり前のようにお店を経営しているので、自分たちの優れている技になかなか気づきにくいんですよね。しかも、毎年同じゼミをやるわけにもいかない。だからこそ、一消費者としてお店を評価しながらも、一緒に企画を練ってくれる人が必要なんです」(本多さん)
募集する職種 | 地域活性化プランナー |
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おためし転職期間 | 1~2か月間 ※開始日、終了日など、期間はご相談ください |
給与 | 時給1,000円 |
任せたい仕事 | 商工会が実施する「まちゼミ」「商店街すごろくゲーム」に関する企画、運営。具体的にはそれぞれのイベントに参加する商店主との打ち合わせ、イベントに参加する消費者を募集するためのイベント告知に係るチラシ等の企画。 ※業務内容は、インターン開始時期に応じて一部変更になる場合がございます。 |
こんな人と働きたい | ・自分の企画力の腕試しがしたい方 ・地域社会でのコミュニケーションに興味がある方 ・移住や多拠点居住に興味のある方 |
必須スキル | パソコン、自動車免許等 |
勤務日数/週 | 5日 |
就業時間 | 8時30分~17時30分 |
休日・その他制度 | ※インターン期間中の住居は入善町商工会で手配します。 一泊あたり、2000円(朝・夕食のまかない付)がかかります。 費用は現地で精算いたします。 |
採用までの流れ | (書類審査)→(電話面談)→(インターン採用) |
おためし転職参加後は? | 参加後の状況次第で、柔軟に対応します |
場所 |
富山県下新川郡入善町入膳5232-5 地図を表示 |