
鶴岡市役所企画部地域振興課
地方創生が叫ばれる中、地域おこしやローカルビジネスが勢い付いている昨今。
華々しい活躍を見せるローカルイノベーターが存在する一方で、「地方で働くことに興味はあるものの、何から始めて良いかわからない」という方も、意外と多いのではないでしょうか。
ローカルで活動するための、”最初の取っ掛かり”を見つけられずに悩んでいる。
そんな方にぜひおすすめしたいのが、山形県鶴岡市・福栄地区の地域おこし協力隊のお仕事です。
山形県鶴岡市は東北で最大の面積を有し、山・海・里の豊かな自然に囲まれています。
平成26年には「ユネスコ食文化創造都市」に認定され、東北随一の”食のまち”として知られていますが、
鶴岡にはもう一つ、”糸のまち”としての顔があります。
澄み切った山紫水明の地である鶴岡は、明治維新以降、全国有数の養蚕業の一大集積地として栄えました。時代の流れの中で産業としての養蚕は衰退していきましたが、絹産業文化の保存継承と新たな産業振興を目指すべく「鶴岡シルクタウン・プロジェクト」が発足。繭を使った加工品の開発・販売など、さまざまな取り組みを行っています。
今回のおためし転職では、この「鶴岡シルクタウン・プロジェクト」の根幹をなす、「養蚕プロジェクト」を一緒に推し進めてくれる地域おこし協力隊のメンバーを募集します。「養蚕プロジェクト」では、地域のプレイヤーとともに蚕の飼育から関わってもらい、養蚕を起点にした新たなビジネスの創出を目指していきます。
シルクは衣類のみならず、美容品や食料品、再生医療の分野などでも活用されており、
私たちが想像している以上に多様な分野への応用が効く素材です。
また、蚕の飼育に必要な桑も、葉をお茶にしたり実でジャムを作ったりと、二次加工品の開発も盛んに行われています。
地域づくりに関わりたい方、あるいは地方でビジネスをしてみたいという方にとっては、
その最初のきっかけを見つける上で、またとない機会を得られるかもしれません。
蚕はとても繊細な生き物だといいます。
気温変化や雑菌に弱い上、餌となる桑の葉に少しでも消毒液が付着していると、途端に死んでしまうそうです。
大きくなればなるほど餌の量も頻度も多くなり、朝・昼・晩の世話が必要になります。
ただ、手間のかかる子ほど可愛いもの。
羽化した際は黒ゴマ1粒大だった蚕が、体長15cm前後に成長して繭を作ってくれたときには、感慨深いものがあるそうです。
福栄地区・木野俣では、山間の旧校舎を飼育舎として活用し、たった一人の養蚕指導員の指導のもと、地域の皆さんで手探りで繭作りに挑んでいます。飼育している蚕もまだ少なく、その数およそ2万5千頭。数だけを聞くとかなり多いように感じますが、分量にすると小さなトレーひとつ分。1頭の蚕から取れる繭は2グラム程度で、市場で流通させるには、まだまだ物量が足りないというのが実情です。
ただ、現在でも屑繭に彩色を施して工芸品を作るなど、養蚕の再興に向けて少しずつ前進しています。
地域おこし協力隊の先輩・古舘由隆さんがご自身で作られた屑繭の指人形を見せてもらいました。
協力隊として木野俣に来てくれる人にはぜひ「声を上げてほしい」と、協力隊の古舘さんは期待を込めて話します。
「正直、私も最初の半年くらいは何をしたら良いかわかりませんでした。人も知らないし、土地も知らない。居場所を作るまでが大変でした。だからこそ大事なのは、声を上げること。自分が何をしたいのか、周りに伝えていくことです。それと同時に、ぜひともご自身が今まで経験してきたことを活かしてほしいと思います。いまはできないけど、やってみたいことなどもあれば聞かせてほしい !高望みし過ぎですかね(笑)」
二泊三日のおためし転職では、「養蚕プロジェクト」にまつわる施設の見学のほか、夜には五十嵐さんや古舘さんを始めとする地域のキーマンたちとの交流会も行います。ぜひ、現地で気になったことをざっくばらんにぶつけてみてください。
今回の協力隊の主なミッションは「養蚕プロジェクト」への参画ですが、それはあくまでも一つの入口に過ぎません。協力隊の活動エリアである福栄地区・関川には、木の皮を剥いで織った古代布「しな織」の文化が今なお受け継がれていたり、一方で、様々な産業の未来を変えるかもしれない「人工クモの糸」の生産に挑むスパイバー社が研究開発の拠点を置いていたりと、糸や繊維に関する文化・知見が集積しているのが鶴岡の面白いところ。鶴岡が”糸のまち”たる所以は、養蚕業だけではないのです。
広大なフィールドの中に、さまざまな地域おこしのヒントが散りばめられた鶴岡。
人と自然に触れ合いながら、あなたなりのテーマ探しに挑んでみてはいかがでしょうか。
募集する職種 | 地域おこし協力隊 |
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こんな人と働きたい | コミュニケーション力が高く、自分の得意なことや興味があること 地域に眠る様々な資源等を活かして、地域課題の解決にコミットできる方 |
歓迎スキル | ファシリテーション |
応募後の流れ | (電話面談)0235-25-2111、内線586→(日程調整)→(書類提出)→(おためし転職実施) |
応募資格 | ・現在、三大都市圏をはじめとする都市地域等(過疎、山村、離島、半島などの地域に該当しない市町村)に居住し、委嘱後に鶴岡市の活動地域に生活の拠点を移し住民票を移動できる方 ・心身が健康で、かつ地域住民とともに地域づくり活動に取り組む意欲と情熱をもっている方 ・普通自動車免許を有する方(AT限定可) ・パソコンを日常的に利用されている方(ワード・エクセル・パワーポイント) |
給与 | なし。滞在費(宿泊費等)は市で負担します。 |
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おためし転職の内容 | 1泊2日を原則とし、次のような内容とします。 【1日目】午後)オリエンテーション・地域巡り・養蚕現地研修 夜)交流会(住民、現役・OB協力隊員等) 《宿泊》楯山荘 【2日目】午前)桑園作業・繭のクラフト体験 終了後)面談 |
おためし転職時の勤務地 |
木野俣集落センター 地図を表示 |
おためし転職期間 | 応募者の状況を確認し、1泊2日~で調整します。 |
採用形態 | その他 |
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基本給 | 166,600円/月 |
手当 | ・時間外勤務手当、退職手当は支給しません。 ・活動期間中の住居は市が用意し、家賃は市が負担します(光熱水費・通信料等は自己負担)。 ・活動に使用する車両は市が用意します(活動に要する燃料費は市負担)。 ・3年間の任期終了の前後1年以内に市内で起業する場合、補助金により支援します(上限100万円)。 |
賞与 | なし |
試用期間 | 要相談 |
任せたい仕事 | 福栄地区の産業の振興を図るため、新たな可能性を秘める「養蚕プロジェクト」を推進し、地域ぐるみの養蚕の体制づくりに取組むとともに、自身もこれら地域資源を活用した起業を目指してもらいます。 (1)地域づくり活動の推進 (2)共同作業による集落維持 (3)養蚕プロジェクトの推進(①養蚕を活用した事業の支援、②新たな体験プログラムの実証と出前講座) ※鶴岡市非常勤特別職として委嘱します。(1名) |
採用時の勤務地 |
木野俣集落センター(山形県鶴岡市木野俣乙241-5) 地図を表示 |
就業時間 | 週30時間のフレックスタイム制(【標準】週5日、9時~16時) |
時間外労働 | なし(週30時間のフレックスタイム制の中で調整します) |
休日・その他制度 | 週2日 |
加入保険 | 加入無し |