有機野菜づくりから始める鎌倉のイタリアン。経営危機のお店がこうして人気店に
- レストランオーナーになる旅 -
旅で得られること
しなやかに発想し、価値を生み出すチカラ
学びのロードマップ
- 有機野菜づくりから始めるレストランの経営哲学に学ぶ
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人気店の独自企画の作り方を知る
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成長を実感できるお店の仕事の魅力を体感
旅のホストと仕事ガイド
オステリアジョイア
現地ガイド:飯田 博之(オーナー・ソムリエ)
イタリアのワイナリーで修行後、都内の有名イタリアンで活躍する。地元鎌倉で経営不振に悩むレストランを人気店に生まれ変わらせるなど、経営手腕を発揮する。特に自家農園を用いた有機野菜を使ったレストラン運営に強みを持つ。現在は鎌倉にあるOsteria Gioiaのオーナーとしてメディアからも数多く取り上げられる。
今回の旅先、Osteria Gioia(オステリアジョイア)は、鎌倉駅からちょっと離れた住宅地にあるイタリアンレストラン。
トマト、ナス、ズッキーニ、バジル、・・・などなど。自家農園で採れたさまざまな「鎌倉野菜」を使った料理が人気のお店。
自家農園と言っても、売買目的に大量に野菜を作っているわけではありません。極力農薬を使わず、有機農法を用いて季節の野菜を丹精込めて野菜を育てています。
時には害虫にやられてしまったり、天候不順で上手く育たなかったり。だから、収穫できる野菜の種類や量は季節によってバラバラ。
そのため、このレストランには固定のメニューはありません。
その時に採れた旬の野菜が中心に、シェフが一番おいしいと考える料理を日替わりで提供しています。
固定のメニューがないというのは驚きですが、それが「一番おいしい料理を提供できる方法」とOsteria Gioiaは考えます。
お客さんとしてそんなこだわりを楽しむのももちろんおススメですが、今回はOsteria Gioiaの料理が提供される風景を内側から覗いてみませんか。
こだわりの詰まったお店、Osteria Gioia。その経営の姿勢や考え方には、レストランに限らず、事業を営むための大切なヒントがたくさん詰まっています。
Osteria Gioiaが生まれるまで
オーナーの飯田さんがレストランに関わるようになったきっかけは、フランス料理店でのバイトでした。シェフから仕事を教わるうちにワインや料理について興味を深めていきました。
働きながら更に知識を深めたいと考えた飯田さんは、ワインの生産地を自分の目で見たくなり、フランスとイタリアを訪れます。
中でもイタリアのフレンドリーな雰囲気に強く惹かれたそうです。そこで、知人に紹介を頼み、現地のワイナリーで働く機会を得ます。
そのワイナリーでは自家農園を持ち、料理を提供していました。そこの野菜のおいしさに衝撃を受けたそうです。
日本に戻り、都内のイタリアンレストランなどで働く中、鎌倉のとあるイタリアンレストランの経営が危ないという話が舞い込んできます。
イタリアに精通していて、しかも地元鎌倉の人間だということで飯田さんに経営再建の白羽の矢が立ったのです。
イタリアのワイナリーで興味を持った自家農園での野菜作りやイタリアワインの提供など次々と独自の企画を実施した飯田さん。お店は次第に人気店に。
しかし、そんな中、当時のオーナーが、営業権を他者に売ってしまうという事件が起こります。自分の目指す道を実現するためには、自分でお店を開くしかないと考え、今の場所に、自家農園で採れた野菜を使い、日替わりメニューで旬のものを提供するという、独自のスタイルのお店を開店しました。
仕事の魅力
畑での農作業もレストランでの仕事も、成長を実感できるのが魅力だと飯田さんは言います。
畑では、一つ一つの小さな作業、傍から見たらとても些細で、無駄な作業に思えることを積み重ねることが野菜の成長や味に大きく影響を与えます。自分の努力が実になっていくのを野菜の成長とともに実感できることが無上の喜びだと言います。
レストランでは料理やワインを介して自分とはまったく異なる価値観の人と「おいしい」という感覚を共有することができる。それが、今まで知らなかった世界や人と繋がったような、自分の世界が広がった喜びを覚えるそうです。
もちろん、自分だけではなく、お客さんの世界が広がっていく姿も目にすることができます。例えば、お店を介してイタリアに興味を持ち始めたお客さんがいたり、ワインの輸入を始めた人がいたり。
自他共に世界を広げることができることが、この仕事の魅力だと話します。
一方で、「食」から世界を広げるのはなかなか難しい側面もあるようです。嫌いなものを無理して好きになろうという人はほとんどいないように、どれだけ頑張っても、好き嫌いだけで全てを否定されてしまうことも多々あります。
それでも、食を通じて人の世界を広げていくのがレストランの社会的な存在意義だと考える飯田さん。持ち前の粘り強さで挑戦を続けています。
体験できること
この旅は、まず最初にOsteria Gioiaの看板とも言える自家農園に行き、実際に野菜を収穫してもらいます。もちろん収穫以外にもその時に必要な農作業に参加していただきます。一見レストランオーナーの仕事とは関係ない肉体労働のように思えるかもしれませんが、実際の畑の中で、飯田さんがどれだけ苦労して、こだわって野菜作りをしているのか。Osteria Gioiaの人気の秘訣を体感していただきます。
レストランに入ってからは、白シャツ、黒ズボン、エプロンを巻いてOsteria Gioiaの正装に着替えていただきます。
まずは収穫した野菜の泥をキッチンで洗い落し、調理に向けた下準備に参加します。実際の調理には加わることはできませんが、収穫した野菜をどのようなレシピでお客さんに提供するのかをシェフから説明を受けます。加え、キッチンにて調理風景を見学することができます。
空き時間を活用して、飯田さんから野菜を中心としたレストラン経営哲学を聞きます。野菜へのこだわり、メニューの設定、マーケティング手法について、接客に関して、メディアとの付き合い方についてなどなど多岐に渡った話を聞くことができます。
具体的な体験としては、お客さんの食べ終わった食器を下げるなどの簡単な作業および店頭でのレクチャーと見学が中心となりますが、とは言え、お客さんが残さず食べた食器を下げたり、飯田さんの接客姿を見たりすることは、言葉だけでは得ることのできない貴重な情報になるはずです。
★仕事旅行の魅力について★
普段とは違う仕事に触れ、その仕事の醍醐味を体感することは、新しい世界の扉を開くきっかけになるだけでなく
あなたの生活の幅を広げる、貴重な財産になるはずです。
体験スケジュールおよび内容
時間 | 行程 | 体験内容 |
8:50 | 仕事旅行開始 | JR大船駅集合 |
9:00 | 自家農園着 | 1)自己紹介(参加者:参加目的・ねらい)
2)自家農園の説明
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9:10 | 農作業 | 1)種まき
2)害虫対策
3)雑草除去
4)収穫
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11:15 | Osteria Gioia着 | 1)着替え
2)収穫した野菜の洗浄
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12:00 | キッチン見学 | 1)シェフからメニューについて説明
2)調理風景見学
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13:00 | ホール見学 | 1)オーナーから運営について説明
2)オーナーから接客について説明
3)オーナーからメニュー展開について説明
4)オーナーからマーケティングについて説明
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15:00 | まかない | 1)フリートーク
2)ランチ
3)旅の振り返り
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16:00 | 仕事旅行終了 | Osteria Gioiaにて解散 |
男性 W.Aさん
30代男性/M.M. 様