ふるさと納税を「利用したことがある」、あるいは「興味がある」という方は結構多いかもしれません。
ご存知の通り、全国の自治体(都道府県・市区町村)に寄付すると、税の控除が受けられるだけでなく、寄付先からお礼の品をもらえたりもするこの制度(※すべてではありません)。自治体によっては「寄付金の使い道を指定できる」ようになっているのも特長です。
いわゆる「シャッター通り化」など地方経済の活力が失われていくなか、好きな「ふるさと」を応援しよう! といった趣旨で2008年に始まりましたが、各自治体によるお礼の品々がなかなか魅力的ということもあって人気は年々急上昇。
現在では、寄付先とお礼がまとめて紹介されているだけでなく、申し込み手続きをできる専門サイトもあり、「今年度(2016)も昨年に続いて過去最高の寄付額を達成するのでは?」と言われています。そういえば、ふるさと納税を呼びかけるコマーシャルなども頻繁に目にしますね。
★参考記事:
「ふるさと納税サイトの利用急増 額・件数ともに4倍超も」(「産経新聞」より)
人気が高まるにつれ返礼品合戦も加熱、「ありきたりのものじゃ選んでもらえなくなってきた!」ということもあり、「その地域らしさ」を感じさせるひと味違うお礼のチョイスに各自治体、頭を悩ませているようです。
あまりの力の入れように、昨年、一昨年と総務省から「高額な特産品や換金性の高いプリペイドカード」「家電・電子機器」などの返礼の自粛を要請する通知も出されていますが、強制力はないためそれほど歯止めがかかっていないという情報もあります。
★参考記事:
「ふるさと納税、豪華な「お礼」自粛を 総務省が自治体にー商品券、電子機器など具体例挙げるー」(「日経新聞」より)
かつては「お礼に土地」なんていうケースまであったとか(総務省より「待った!」がかかり中止に)。
ちなみに編集部のTさんも昨年いくつかのふるさと納税を利用したそうですが、お礼は「パールのネックレスや九谷焼、HARIOの紅茶メーカー」となかなかゴージャス。
漁に出て深海から採ってきてもらえる!こんなレアお礼も(閲覧注意)
豪華なだけでなく、近頃ではその地域ならではのレアなお礼も続々登場してます。最近では静岡県・焼津市によるこんなお礼も話題になってました。
ややグロい感じのいきものです。
静岡県・焼津市「焼津深海オオグソクムシ(2匹)」(ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」より)
オオグソクムシ…。深海生物マニアなら泣いて喜びそうなお宝ですね。
鳥羽水族館で飼育中のある個体が「5年以上何も食べずに生きていた!?」ことから話題に。その後ネットユーザーから「グソクたん」などの愛称で親しまれるようになり、ぬいぐるみその他のグッズがバカ売れしているという、あの「ダイオウグソクムシ!」ーーではありませんが(注意)、その仲間の一種でしょう。見た目はほとんど同じで、小さいぶん、むしろカワイイ?
「※ご注文をいただいてから漁を行うため、発送まで3週間ほどいただくことがあります」
「※飼育のための環境や器具などは寄附者様がご用意ください。飼育できる環境が整った上でお申込みください」
ーーといった注意書きも、なんだかリアリティあります。寄付殺到しちゃうのでは? しかも、これは珍しいだけでなく、わざわざ漁に出て捕獲してくれるあたりその地域らしさ(?)もまんてん。お礼の「レア化」がうかがえるケースです。
「レア化」と同時に「体験化」も近頃のふるさと納税の特徴。名産品などの"モノ"ではなく、その地域らしい"コト"はいかがでしょう? という流れですね。ふるさと納税だけではなく、近頃では正月恒例の「福袋」も体験型が人気になっているようですが、やっぱりそういう時代なんでしょうか。
★参考記事:
都内の百貨店が「体験型」福袋ー「女王」スタイルで買い物もー(「日経新聞」より)
仕事に修行、民泊体験もできる
寄付先を選ぶにあたり、ふるさと納税サイトを閲覧しまくった編集部Tさんによると、「旅行なども結構あって、変わったところでは地元のラジオ番組を持てるっていうのもありました」とのこと。
早速調べてみました。先に挙げたサイト「ふるさとチョイス」を見てみると、確かにあります。「あなたのラジオ番組持てます(1年分)」とのタイトルで、「趣味や自慢、会社の宣伝をFMISみらいずステーションでやりませんか」と呼びかけています。
★静岡県伊豆市「あなたのラジオ番組持てます(1年分)」
探していくとほかにも色んな「体験モノ」が。「ふるさとチョイス」より面白そうなものをいくつかピックアップしてみましょう。
①修行ができる:大阪府 泉佐野市「真言宗の大本山 犬鳴山七宝瀧寺で一日修験体験」
なんと滝に打たれる修行などが体験できるようです(お守りストラップ付き)。大阪府・泉佐野市へのふるさと納税のお礼として行われるもの。提供は真言宗の大本山・犬鳴山七宝瀧寺です。
「12月~2月は修験体験を実施していません」とのことでしたがそうでしょうね。この時分、滝に打たれたりすると大変なことになりそう。
②仕事ができる:山形県 真室川町「一日町長体験」
職業体験ができるものも。例えば、山形県・真室川市では「1日町長」になることができます(町長体験はほかの自治体でも実施ケースあり)。
"業務"の内容は「町長室記念撮影、職員訓示、町内視察」など。こちらもなかなかのレア体験ですが、サイトによると「1,000,000円以上の寄附でもらえる」お礼とのこと。うーん、町村長の場合、選挙で必要な供託金は50万円と言いますから、是が非でも体験したい人はもはや立候補する手もあるかも?
③民泊ができる:北海道 豊頃町「朝日に輝くジュエリーアイス見学付き民泊体験1泊2日チケット 2名様分」
体験モノの中でも旅行は定番。自治体の中にはその地域ならではのユニークなツアーを企画しているケースもあり、例えば北海道・豊頃町の「ジュエリーアイス見学付き民泊体験」など気になりました。
十勝川の氷がぶつかり、様々な形となって豊頃町大津の砂浜に打ち上げられている様子(ジュエリーアイス)は、朝見ると美しく神秘的な光景とのこと。こちらはシーズン真っただ中。1〜3月限定ですが、一見の価値ありそうですね。民泊というのも面白そう。
ほかにも色んな体験モノがあります。ふるさと納税のお礼全体に占める割合としては、体験モノはメインというほどではなく(やはり品物が多い)、あっても多くは旅行なのですが、いまの盛り上がりを考えると、今後ユニークな体験がもっと増えてくるかもしれません。例えば「オオグソクムシ」の漁に同行できるとか!
※ふるさと納税の返礼品には、注意事項、変更などがある場合もあります。寄付をお考えの方は、必ず最新の情報をチェックするようにしてください。
記事:シゴトゴト編集部
メルマガ登録いただくといち早く更新情報をお伝えします。
メルマガも読む
LINE@はじめました!