2016年04月20日更新

ミレニアル世代の3人に2人が2020年までの離職を希望? 世界的に激変する働き方と仕事選び

世界最大級のビジネスプロフェッショナルグループとして知られる「デロイト・トウシュ・トーマツ(デロイト)」が、世界29カ国のミレニアル世代を対象にアンケート調査を実施(約7,700人/日本から300人)。この世代の会社への帰属意識や価値観について分析しました。

一般的に「ミレニアル」とは2000年以降に成人した世代を指します(本調査では1982年以降に生まれた人が対象)。

デジタル機器やインターネットを身近に育ったいわゆる「デジタルネイティブ世代」は、どういった働き方の志向があるのでしょう? 調査のポイントをピックアップしてみました。

記事:シゴトゴト編集部

出典:2016年 デロイト ミレニアル年次調査
参考:「ミレニアル世代とその雇用主~関係性は維持できるか」(日本版リリース)

利益にとらわれすぎる企業には愛着を持てない?


この調査によれば、「ミレニアル世代の44%は、良い選択肢があれば今後2年以内に現在の雇用先から離職するだろう」と回答。「期間を2020年までに伸ばすとその数字は66%にまで増えた」そうです。

ワールドワイドなリサーチですが、条件によっては「おおよそ3人に2人が、2020年までに転職してもよいと考えている」というのは驚きの結果です。日本でも「ミレニアル世代の52%が2020年までの離職を考えている」と回答。2人に1人ですね。


質問:選択肢がある場合、どのくらいの期間で新しい組織に所属する、または別の道に進みますか?「2016年 デロイト ミレニアル年次調査」より

では、なぜミレニアル世代の多くが、そういった考えを持つのでしょう?

理由として「(いまの職場で)能力を十分に発揮する機会が与えられていない、リーダーとして育成されていないと感じている」といった声が多く見受けられたようです。それと同時に「ワークライフバランスや柔軟な職場の要望、企業との価値観の相違といった問題」が、企業への帰属意識の希薄さを生み出していると、同調査では分析しています。

なかでも「企業との価値観の相違」は大きそうです。

「ミレニアル世代は企業が利益を上げ成長する必要性を認識する一方、組織がこれらの目標にとらわれすぎていると感じて」おり、「ミレニアル世代の87%(日本:82%)が企業の成功は利益だけでは測れない」と考えていることも明らかになりました。

こういった価値観の違いが、帰属意識の希薄さに結びついている面もあるのかもしれません。

報酬は最重要だが「名声・多額の富」への関心は薄い


一方で、ミレニアル世代は「ビジネスを高く評価」し、それは「社会に広くポジティブな影響を与える」と考えてもいるようです。

ちなみにミレニアル世代が仕事を選ぶ際に、もっとも重視するのは「報酬」。これは調査対象の29カ国(地域)すべてにあてはまる結果となったとか。

次に重視されているのは「ワークライフバランス」(グローバル:16.8ポイント、日本:21.0ポイント)。「仕事への意義」「柔軟性(在宅・遠隔勤務・フレックス制)」なども重んじられているようです。

しかし「昇進・リーダーになる機会」は、「グローバル:13.4ポイント、日本:7.3ポイント」と大差がついています。よく指摘されることではありますが、日本のその世代は管理職への昇進を避けたがる傾向はありそうです。


雇用先を選ぶ際の決めて(報酬を除く)。緑は日本、青はグローバルのポイント

この調査では、「ミレニアル世代は企業の純粋な規模、 創業年数、一般的な評判にはあまり心を動かされない」こともわかりました。「企業の業績をその『行動』 や『従業員に対する姿勢』で判断する」傾向があるようです。

「名声を得ることや、ソーシャルメディアに優れたプロフィールを載せられること、多額の富を得ることへの興味が薄い」とのこと。

「より独立性が高く、組織の目標より個人の価値観を優先する傾向」もミレニアル世代の特長です。デロイト グローバルCEO、プニート・レンジンは「一世代前、社会人の多くは雇用主との長期的な関係を望んでいた。その大半は、上司からのプロジェクトへの任命に『NO』と言うことなど夢にも考えなかった」とコメントしています。

しかし、この傾向(個人の価値観を優先したい)は日本のミレニアル世代では低いようです。

「(日本において)職場での判断における『個人の価値観・モラル』の影響は4位であり、1位は『組織の価値観または全体の目的意識に忠実であること』であった」

同世代における日本とグローバルの違いも浮き立たせるリサーチとなりました。

これは世界29カ国を対象とした大がかりな調査であり、より詳細なレポートを読みたい方は上記「出典」「参考」をご覧いただきたいですが、こういった結果や分析を受け、「デロイト ミレニアル年次調査」は次のような結論を導き出しています。

「企業はミレニアル世代の帰属意識を醸成するための工夫を講じない限り、人材の多くを失うリスクがあることがわかった」
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