
「SDGs」や「環境問題」ーーこうした言葉やそれに対するアクションは、現代を生きる私たちにとって身近なものとなり、働き方の未来を考える上でも重要なテーマになり始めています。
今回ご紹介するおためし転職は、そんな「SDGs」や「環境問題」に取り組むことができる仕事。地域の人々や土、水、風、動植物といった自然を近くに感じながら、社会の問題にアプローチできる、やりがいのある仕事です。
まずは現地での3日間の職業体験に参加し、働き心地を確かめた上でエントリー→面接という流れ。興味のある方は以下もじっくり読んで、参加を検討してみてください。
山形県鶴岡市は、山形県西部に位置する人口約12万人のまち。
山、川、海の自然に恵まれた暮らしやすい土地として知られ、「住みたい田舎ベストランキング 2022」では、東北エリアで2位に選ばれました(『田舎暮らしの本』による調査)。
鶴岡市は昔ながらの文化を大切にしている町でもあります。日本初となる「ユネスコ食文化創造都市」の認定を受けるなど、食の豊かさでも有名ですね。
そんな鶴岡市が力を入れている事業のひとつが、自然環境の保全。
”人の関わりの中”で本来の自然環境を維持・再生しようと取り組んでいる施設が、今回のおためし転職の舞台。都沢(みやこざわ)湿地に隣接する、自然学習交流館「ほとりあ」です。
ラムサール条約登録湿地である大山上池・下池(おおやまかみいけ・しもいけ)に接するこの低湿地は、かつて休耕田でしたが、下池からの滲出水で湿潤な環境が保たれ、希少な水生動植物が共生する環境が生まれました。
そんな都沢湿地周辺のエリアを自然学習のフィールドとして、「子どもたちをはじめ、市民みんなが自然との一体感を享受できるように、自然と触れ合う機会を創出しよう」との願いから1999年にはじまったのが、「庄内自然博物園構想」。
「ほとりあ」を拠点に、豊かな自然を活用し、市民が自然にふれあい、学習する場を提供するほか、湿地の資源の保全・活用、外来動植物駆除の活動などを行なっています。
”人の関わりの中”での環境保全は、たんなるスローガンではありません。
現在では約80人のサポーター(ボランティア)が集い、「ほとりあ」の職員やサポーターたちが一緒になって、湿地の保全活動や調査だけでなく、その恵みを活用したクラフトや料理作り、お茶づくりなどを行なっています。
「ほとりあ」を訪れると、目の前に広がる自然豊かな景色に、ほっと心が休まります。
「でも、この景色をこれからも保ち続けるには、大きな課題もあるんです」
そう教えてくれたのは、「ほとりあ」の館長である富樫均さんです。
「湿地は、世界的にいえば森林の3倍のスピードでなくなっているんです。ここ、都沢湿地も例外ではなく、放っておくとどんどん陸地化してしまうんですよね。それに、ウシガエルやアメリカザリガニといった外来種が増えることで、生態系に悪影響を及ぼしてしまっています。」
「ほとりあ」の学芸員である上山剛司さんが続けます。
「一番の大きな問題は、人と湿地の関係性が薄くなることなんですよね。ふだんから接する機会がないと、『別に関係ないよね』と思ってしまって、放置されてしまうわけです。
「だからこそ、僕らは単なる『保全』から一歩進んで、湿地の『活用』の機会をつくっていこうとしています。湿地を楽しく自然学習できる学びの場として活用したり、湿地の資源を活用して商品をつくったり。そんなふうに、楽しさを共有することで、持続的な湿地再生を実現していきたいんです。」
”人の関わり”を生かしながら、楽しく、持続可能な働き方を。お二人の話からは、「ほとりあ」での仕事に対する向き合い方が伝わってきました。
実際、「ほとりあ」の活動はユニークです。都沢湿地に群生している「マコモ」をサポーターのみなさんと一緒に刈り取り、リースなどに商品化したり、外来種であるアメリカザリガニを粉末化し「ざりっ粉」という商品にしたりーー
いわゆる「環境保全」という言葉からイメージする活動を超えて、楽しく学んだり、きちんと売れる商品にしたりすることも大事な仕事なのです。
そんな「ほとりあ」も課題を抱えています。「今後、新しく取り組んでいきたいことはたくさんあるものの、いまの人手だと限界がある」のだとか。
そこで今回、地域おこし協力隊制度を活用して、あらたな仲間を募集することにしました。
業務内容はーー
・環境保全活動やイベントの運営
・湿地の管理や資源活用
・野外調査補助など学芸員の補助
・外来動植物活用プロジェクトの運営
・障がい者などの就労支援事業のコーディネートなど多岐に渡ります。
上山さんはこう言います。
「最初から専門性はとくにいりません。応募される方の興味関心、能力、経験にあわせて、一緒に話しながら仕事ができたらと思っているんです。どんなことでも柔軟に取り組んで行ける”スポンジのような方”と一緒に仕事がしたいですね」
富樫さんは続けます。
「身体をつかう業務も日常的にあるので、体力は必要ですね。あとは、コミュニケーション力がとても大事です。自然と向き合うだけじゃなく、ボランティアの皆さんなど、多くの方とやりとりをしながら仕事を進めていくことが僕たちの大事な役割なので」
採用された方は、地域おこし協力隊として「ほとりあ」で活動することになります。
鶴岡市環境課の藤澤実さんによれば、今回おためし転職を実施する背景には、協力隊に対する想いもあるようで。
「協力隊の任期は3年ですが、できればそのあとも鶴岡にのこってくれたら嬉しいですね。ただ、いきなり協力隊にエントリーするのも難しいでしょうから。まずはおためし転職で現地を訪れ、どんなところなのか相性をみていただけたらと思っています」
今回のおためし転職では、地域や「庄内自然博物園構想」について話を聞いたり、地域おこし協力隊OBとの交流や、現地の自然に触れる体験を通して、仕事の具体的なイメージをつかむことができます。
体験そのものは選考には直接影響しませんが、最終日には面接を予定しています。エントリーを検討している方はかならずご参加ください。
※おためし転職(体験)及び面接は、新型コロナウイルスの感染状況によっては、リモートにより 実施する場合があります。
まずは、“★気になる”ボタンをクリック! お話をしましょう。
東北日本海側のコンパクトな里山環境で、人と自然の関係をつくっていく仕事。
自然環境に関わる仕事に興味がある方は、ぜひ現地を訪れ、体験してみてくださいね。
〇具体的な「ほとりあ」周辺の自然環境や活動については下記のホームページを参照ください。
http://hotoria-tsuruoka.jp/
http://hotoria-tsuruoka.jp/miyakozawa/index.html
募集する職種 | 自然学習交流推進員(地域おこし協力隊員) |
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こんな人と働きたい | 心身が健康で、「豊かな自然とは何なのか?」一緒に悩み考えてくれるかつ地域づくり活動に取り組む意欲と情熱をもっている方 |
応募後の流れ | ・ 第1次選考(書類選考) 応募用紙及び活動目標レポートを提出して頂き、書類選考とします。 ・ 第2次選考(面接) おためし転職(職業体験)へ参加頂き、最終日に鶴岡市内にて面接を行います。 ※おためし転職(職業体験)及び面接は、新型コロナウイルスの感染状況によっては、リモートに より実施する場合があります。 (1) 日時:おためし転職の際に実施 (2) 場所:自然学習交流館「ほとりあ」(鶴岡市馬町字駒繋うままちあざこまつなぎ3番地1) (3) 費用:おためし転職(職業体験)の期間中の宿泊については、市で準備し 市が負担します。鶴岡市までの移動に係る交通費等は、個人負担とします。 ・ 最終選考結果の通知 選考結果は、第2次選考後に文書で通知します。 |
応募資格 | ・ 令和3年10月1日現在、年齢20歳以上である方。 ・ 現在、三大都市圏をはじめとする都市地域等(過疎、山村、離島、半島などの地に該当しない市町村)に居住し、採用後に鶴岡市の活動地域に生活の拠点を移し住民票を異動できる方。 |
給与 | 給与は発生しません。 |
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おためし転職の内容 | 事前に活動内容を知り、隊員としての仕事を体感する機会として、3日間の職業体験を実施します。 期間中に、第2次選考(面接)を実施しますので、必ず参加願います。 ※職業体験び面接は、新型コロナウイルスの感染状況によっては、リモートにより実施する場合が あります。 応募者の宿泊費は、市が負担します。 鶴岡市までの移動(旅費)と食費は、個人負担となります。 |
おためし転職参加後は? | 書類選考→おためし転職→双方面接(おためし転職時に)→採用 |
おためし転職時の勤務地 |
山形県鶴岡市馬町字駒繋3番地1 地図を表示 |
おためし転職期間 | 3日間 |
採用形態 | 契約社員 |
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基本給 | 基本給:185,000円 ※ 上記の金額から所得税が差し引かれます。 ※ 退職手当は支給しません。 |
手当 | ※ 時間外勤務手当があります。 |
賞与 | ※ 年0.9月分の賞与があります。 |
試用期間 | 1ヶ月間の試用期間があります。(条件は通常の雇用時と同等) |
任せたい仕事 | ・ 庄内自然博物園構想推進協議会(以下、「協議会」という。)及び「ほとりあ」を会場にして行う環境保全活動やイベントに関すること ・ 「ほとりあ」に隣接する都沢湿地みやこざわしっちの管理および湿地資源活用に関すること ・ 野外調査の補助に関すること(学芸員の補助業務) ・ 湿地循環事業に伴う動物飼育の補助に関すること(学芸員の補助業務) ・ 外来動植物駆除の取り組みに関すること ・ 障がい者などの就労支援事業のコーディネート ・ 庄内自然博物園構想推進協議会の事業に関すること |
採用時の勤務地 |
山形県鶴岡市馬町字駒繋3番地1 地図を表示 |
就業時間 | 8:30 ~ 17:00 |
時間外労働 | 時間外勤務が発生した場合、時間外勤務手当があります。 |
休日・その他制度 | 休日: 勤務を要しない日は、休館日である火曜日を含む週2日間とします。 その他制度: ・ 社会保険、雇用保険に加入します。 ・ 活動期間中の住居については、雇用主が用意し家賃を負担します。 ・ 光熱水費、通信料、自治会費等については隊員の負担とします。 ・ 活動に使用する車両については雇用主が用意することも可能です。 また、ご自分の車を使用した場合も含め、活動に要した燃料は雇用主が負担します。 ・ 勤務時間中は、活動に必要なパソコン、事務用品等を貸与します。 ・ 引越しに必要な経費は、隊員負担とします。 ・ 年次有給休暇:勤務した月の翌月から月ごとに1日、6か月を経過した月に5日間を付与(年間10日間)とし、利用しなかった年次有給休暇は翌年に繰り越すことができます。 勤務中にケガなどを負った場合には、公務災害が適用されます。 ・ 3年間の任期終了の前後1年以内に市内で起業する場合には、補助金により支援します(上限100万円)。 |
加入保険 | 雇用保険、厚生年金 |